百物語2015
Part11
204 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU :2015/08/30(日) 01:53:57.38 ID:slHZZ5U50
【55話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『捨て台詞』
中学生の頃の話です。
その日私は友達だったのか見知らぬ人とだったのか今となっては思い出せませんが大喧嘩したゆめをみました。
こんな喧嘩今までしたことないってくらいの喧嘩だったと思います。
そして最後に相手がいった捨て台詞は
「お前の家、思いっきり揺らしたるからな!!!!」でした。
その瞬間目が覚めました。
本当に家が大きく揺れていたのです。
びっくりして「あれ?ゆめだったんじゃないの??」と思いましたが自他から突き上げるような揺れは数秒続きました。
ゆめか本当かわからないけど確実に揺れて、部屋のものがバッタンバッタン倒れキッチンでは食器の割れる音もしました。
父が慌てて部屋に「大丈夫か!?」と聞きにきました。
・・・・それが阪神淡路大震災、直前にみた夢です。
何かを予知したのかさっぱりわかりませんが本当の話です。
おわり
206 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 01:56:00.36 ID:AgCPeYID0
【56話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『お化けトンネル』
地元に有名なお化けトンネルがあります
峠の急なカーブで事故が多発するそうです
私は以前はバスガイドをしていました
よく運転手さんから、そこのお化け話を聞きました
テレビも取材に来たことがあります
貸切の観光の仕事でした
日帰りで帰りは夜中です
二台での仕事で先輩が2号車、新人の私は1号車です
それぞれのお客様を所定場所まで送り届けます
予定では2号車のが早く本社に帰路するはずでした
バスの規定でお客様を降ろしたバスは車内の電気を消すという
決まりがありました
例のお化けトンネル内で2号車とすれ違ったのです
2号車は車内灯を消しており先輩はガイド補助席に座っていました
私「あ、先輩だ。あれ?電気消えてるのに後ろに誰かいますよね?}
運転手「だな?冷蔵庫前の席に女の人が座ってる」
207 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 01:57:23.39 ID:AgCPeYID0
老人ばかりのお客様だったはずですが、確かに私と運転手さんは
客席の入口側の前の一番前のバス冷蔵庫の席に若い女性が乗っていたのを見ました
運転手「本社に家族が迎えに来る客は本社まで乗せていくから、それだろうな」
私「ですね、予定表にはなかったけど、たまに飛び入り変更ありますし」
とバス同士がすれ違いにクラクションを鳴らしてすれ違いました
こちらの仕事を終えて本社に帰り、バス車内の清掃や報告書・明日の予定確認と
色々していると先輩が明るい声で「おつかれー」と声を掛けてくれました
私「ああ、先輩、あの女性はどうしたんです?車こっちに迎えにきたんですか?」
先輩「あんた何言ってるの?」
話が噛みあいません
そうです、先輩は誰も乗ってなかったと…2号車先輩の運転手もいなかったとの事
なので私と私の運転手さんの見た・いた・いなかったで少し揉めてしまいました
でも気になったんでしょうね、次の日に2号車担当の運転手さんが塩を持ち込んでいました
それを見た私に
「まー仕事柄よくある事だしなぁ、いちいち気にしてたら仕方ないけど粗末にできんわな」
と苦笑いしていました
仕事関係でよく仏閣や訳あり旅館にも行くので、ちょっと怖い話は割と体感できる職場だったかも知れません
(終)
211 :逝く雄 ◆wu7WOib83U :2015/08/30(日) 02:16:59.78 ID:PUKTKYfW0
57話
【泥】
40をとうに過ぎた従兄弟に聞いた話
従兄弟は水に入るのを嫌がった、ただし泳ぎは達者だった
プールは平気なのだそうだ、彼が嫌うのはスネから下くらいの浅い水、そして中が見えない濁った水や波立った水、要するに川の浅瀬や海の波打ち際に足を付けるのを異様に嫌がっていた
さすがにいいおっさんとなった今では大騒ぎすることはないだろうが、子供の頃の水遊びを嫌がる様は今でも親戚中の語り草だ
去年法事で顔を合わせて飲んでた時のこと、話の流れがたまたまそっちの方に向かった
「俺は水が怖かったわけじゃない、現に今でも泳ぎは得意だしな」
「俺が本当に嫌なのは泥だ…」
小学生の頃だそうだ
近所の悪童達とともに裸足のまま田んぼで泥遊びをした彼は田んぼの真ん中で足が抜けなくなったのだそうだ
それ自体は良くある話で、笑ったり笑われたりで済むはずだったが、その時は違った
「泥の中に何かいたんだよ」
脛までもぐった足を、何かがつかんだり突ついたりなで回したりしていたのだそうだ
それこそ半狂乱になった彼を弄ぶかのように泥の中の手のようなものはぬらぬらぬらぬら足指の間や土踏まずを撫で回し、足首を掴み、引きづったという
それ以来泥には一切、本当にただの一度も足を踏み入れておらず
あらたまって話すのは今回が初めてだという
「どうして今まで…」という問いには何故か言葉を濁して語ろうとはしなかった
了
213 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 02:20:46.77 ID:AgCPeYID0
【58話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『赤い地蔵』
小学校の通学路に気持ちの悪い地蔵を祀った所がありました
子供は皆知る限り「なんか気持ち悪いと」
そこを参っているのは歳よりと女性ばかりで女性もなんというか
暗い感じの人ばかりでした
たまにその場所で泣いている人がいたり
あと不思議だったのは、よく動物の死骸がありました
あと深い溝があるのですが、よく子供がはまりました
中のお地蔵さんは道から見えるのですが、いつも真っ赤な服を着せられ
ヨダレかけ?みたいなのも真っ赤で、ともかく赤いし顔が怖いんです
石なのに、たまに睨まれている気がしたり友達も目が赤かったと言ってました
なんとなく皆がその道を避け別の道で通学するようになりました
母にきくと、そこは子が亡くなった人が参る所で水子供養をしているそうです
地蔵を入れる祠や周囲の柵は新しく綺麗なんですが、地蔵だけはなんというか
黒いススみたいな感じを受けたのですが、いじると祟りがあるとかで
地元では怖がられているそうです
大人になってから、その前を通過した時は何も感じませんでしたが
娘が「なんかここ嫌」と拒否していたので何かあるかもしれないですね
(終)
215 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU :2015/08/30(日) 02:24:04.90 ID:slHZZ5U50
【59話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
「渓流釣りの注意」
友人の話。
仲間と一緒に、山奥の渓流に釣りに出掛けた時のこと。
車で現地まで行って車中泊し、暗い内から釣りにかかるという行程だった。
普段と同じような内容だが、ただ、そこの常連からしつこく注意を受けた。
「ここで休む時は、絶対ドアロックしてなきゃダメだぞ。
それと、何かあっても車からは出るな。放っとけ」
変わった注意だと思ったが、素直に聞き入れることにしたそうだ。
その夜、車の中で毛布を被って寝ていると、突然ドアがガチャガチャと音を立てた。
慌てて寝惚け眼を擦りながら起き上がり、「誰?」と尋ねてみる。
返事は無い。ハンドライトを点け、外を照らすが何もいない。
「気のせいかな」と再び寝ようとすると、またドアがガチャガチャときた。
……何かが車の中に入ろうとしている? やはり外には誰も見えない。
「それで、どうしたの?」ドキドキしながらそう聞く私に、
「どうしたもこうしたも、毛布引っ被って強引に寝たよ。
次の日は早いんだ、釣りの邪魔されちゃ適わんからな」
しれっとした顔で答えた彼だった。
(終)
217 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 02:25:48.86 ID:AgCPeYID0
【60話】きみこ ◆JAZt4WtNrE 様
『無題』
実話です
私が中学1年生のときの話です。父は商社のサラリーマンで、出張が多く、
半年ほど東南アジアを回っているときもありました。
母は、自宅の和室を使って茶道教室を開いていましたが、
謝礼は実費程度のもので、十数人、生徒さんがおりました。
そのときはまだ妹がいなかったので、一人っ子で甘えてばかりいた記憶があります。
10月のある日曜日のことです。そのときは珍しく、
父は会社関係の人たちと釣りに出かけていました。
私は部屋でのんびり過ごしていたんですが、10時過ぎになって、
母が部屋にきて「ちょっと出かけるから、一緒に来なさい」と言いました。
そのとき、びしっと和服を着ていましたので、
これはきっと外で食事をするんだろうと思って、ウキウキしてついていきました。
ところが母の車は、駅前通りを過ぎて、高速に入っちゃったんです。
「ねえ、どこへ行くの」そう聞いたら、「〇〇市のお寺」って言われて驚きました。
それは同郷の両親の実家がある市で、9月のお彼岸のときに行ったばかりだったんです。
「またお墓参り?」と聞いたんですが、母は答えてくれませんでした。
それで私はずっと、車のモニターでアニメのDVDを見てたんです。
〇〇市までは2時間ほどかかりました。高速を降りてすぐのファミレスに入って、
昼ごはんを食べました。もっと高級なところに行くのかと思ってたので、
ちょっとがっかりでしたが、その後向かった先が、お寺はお寺でも、
いつも行っているお墓のあるところとは別で、初めて行くところでした。
「えー、ここ何?」って聞いたんですが、それには母は答えず、
「ご住職にきちんとあいさつしなさい」そう言って、玄関口の呼び鈴を押しました。
出てきたのは、たぶん60歳ぐらいの作務衣姿のお坊さんで、母と私がおじぎをして、
かなり広い和室に通されました。おそらくお葬式のときの控え室になるようなところです。
218 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 02:26:50.54 ID:AgCPeYID0
座卓が4つ縦に並べられていまして、その床の間に近いほうに座りました。
そこで、お茶とお菓子をいただいたんですが、母とお坊さんが長話を始めると、
私は正座してた脚がしびれてつらくなりました。
しばらくしてお坊さんが「じゃあ、持ってきますので」と言って出ていき、
すぐに木の箱を持って戻ってきました。
それで、母とお坊さんが向かい合う形で座って箱を開けました。
私ものぞき込んだんですが、中には古くなって黄ばんだ写真が、
そうですね、200枚以上乱雑に入っていました。
ほとんどがモノクロの写真で、見たことがない家族を写したものでした。
ええ、出てくる人が同じだったんです。品のよさそうな和服のおばあさん。
その人が祖母だと思いました。それと今どき見ない丸い黒縁のメガネをかけたお父さん、
お母さんはきれいな人で、お父さんよりかなり若く見えました。
それと、ちょうどそのときの私と同じくらいの女の子。
いえ、私とは顔が似ているということはなかたっと思います。
髪型も、その子はテレビのサザエさんのワカメちゃんみたいなおかっぱでしたし。
そうですね、今になって考えると、戦前、昭和一桁くらいのものだったと思います。
その写真の中で、女の子が写っている写真を一枚一枚、テーブルに敷いた和紙の上に取り出し、
母がその写真の上に右手の人差指をのせたんです。
ほとんどの写真に対して、母は「これは大丈夫です」と言いましたが、
「これはちょっと」とか「障りが残ってます」こう答えた写真は脇に寄せられました。
そういうのは10枚に一枚くらいでした。
私は、足がしびれたのと飽きてきたのとで、母の袖を引いて、
「お母さん、お庭見てきてもいい」と小声で聞いたんです。
それが聞こえたのか、お坊さんが「いいですよ。いってらっしゃい」そう言ってくださったので、
なかば這うようにして部屋を出て、廊下に座り込んで親指を引っ張ったりしました。
それから玄関を出て、本堂のまわりをぐるっと回ってみました。
いつも父母と行くお寺とは違って、どこにもお墓がなかったんです。
それと、本堂の入り口の上のほうに、大きな亀や龍の彫刻がついてて、
そういうのを見たりして時間をつぶしました。
いえ、怖いという気持ちはなかったです。さんさんと陽光が降り注いでいましたし。
219 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 02:28:56.08 ID:AgCPeYID0
30分くらい外にいて戻ってみると、あらかた写真は仕分けされていました。
二つになっていた写真の山の、少ないほうをお坊さんが和紙に包み、
「ではよろしいですね。こちらはご供養に回しますよ」
懐に入れて立ち上がり、部屋を出て行きました。母は一仕事終えたみたいに肩で息をついていて、
「今の写真は何?」って聞きたかったんですが、そうできませんでした。
これについては、今になっても何であんなことをしたのかわかりません。
私を連れていった意味も。外で日が陰ったのか、急に障子が暗くなりました。
そのとき気配を感じたんです。横を見ると、座卓が縦に4つ並んだうちの、
私から近いほう2つ目の座布団の横に、海藻のようなものが落ちていました。
もじゃもじゃで、黒っぽい緑色の。「何かな」と思って見つめていると、
それがだんだん上に浮き上がってきました。「え?」海藻の下には、
白いぶよぶよしたやわらかいもの。
あの、傷口にずっと絆創膏を貼っておくと、下の皮膚がふやけますよね。
ちょうどあんな色で、かぼちゃみたいな形の。だんだん上に出てくるにつれて、
二つ黒い眼窩があるのがわかりました。「人の頭? それが畳から生えてる?」
私は固まってしまったんですが、放心したような状態の母の袖をなんとか引っ張りました。
「あ、あれ!」母がそちらを見て、ビクンと体が震えました。
私の体をつかんで後ろに下げるようにし、自分は正座の姿勢のまま、
それのほうに出たんです。それはもう口のあたりまで浮き上がっていて、
やはり真っ黒く開いた鼻の穴、それと厚く腫れた唇。
唇はかっと開いて、やはり黒い口と、ぼろぼろになった歯が見えました。
「いやー、何あれ!!」私は叫び声を上げてしまいましたが、母が私を手で制して、
ゆっくりした動作で数寄屋袋を引き寄せ、中から茶道の扇子を取り出しました。
それはもう肩まで畳から出て、こちらに向かって腕を伸ばしていましたが、
母は自分の前の畳に扇子を横一文字に置いたんです。
それが「おああああああ」というような声をあげると、
母は静かに、しかし強く首を振りました。
そのとき、血相を変えたお坊さんが部屋に走りこんできました。
220 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 02:32:19.08 ID:AgCPeYID0
するとそれは、上半身だけで畳にうつ伏せになり、そのまますっと消えたんです。
母が、数珠を持った手を前に伸ばしたお坊さんに向かって「まだ許されていないようです」
こんなことを言いましたが、なんとなく恥ずかしそうな響きを感じました。
怖いことはこれだけでした。その後は寺を後にして車で家に戻っただけ。
帰りの車中で、よほどさっき畳から出てきたもののことを聞こうと思ったんですが、
できませんでした。母の背中から、全身で質問を拒否してることがわかりましたから。
車を降りるときに、「今日のことはお父さんには内緒」母が言いました。
その後も、何度もこの日のことを思い出して、その度に母に質問しようと考え、
いざとなって言い出せなくなってやめる。そのくり返しでした。
あのことを聞いたら、せっかく幸せにやっている家族の関係が、
崩れてしまいそうに思えたんですよ。畳から出てきたものは、
写真の家族の誰とも似ているとは思いませんでした。というかあまりにも白くふやけて
ふくらんでいたので、もし写真の誰かだとしても見分けられるとは思えないです。
・・・その後、震災があって、私も長く水に漬かっていたご遺体を、
いくどか目撃したんですが、それと同じ状態だと思いました。
これでほとんど話は終わりなんですが・・・今年になって、私に妹ができることになりました。
生まれてくるわけではなくて、出張中の父が、インドネシアの孤児の女の子を、
養子に迎えることに決めたんです。2012年のスマトラ沖地震で両親を失った子どもです。
私たちも東日本大震災を経験して、幸い家族に被害はありませんでしたが、
人事とは思えなかったということです。母も手放しで賛成しています。
父の同僚のアメリカ人たちにも、現地の子を養子として育てている人は多いんだそうです。
その子は人身売買の組織から取り戻されたばかりということでした。
今、そのための手続きを、NPOにお願いして進めているところなんです。
それで、父からはその子の写真を見せてもらったんですが、
あのお寺で見た写真の女の子によく似てるんです。でも、時代も違うし、
日本人とインドネシア人だし・・・ どういうことなのか不思議でなりません。
おわり
【55話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『捨て台詞』
中学生の頃の話です。
その日私は友達だったのか見知らぬ人とだったのか今となっては思い出せませんが大喧嘩したゆめをみました。
こんな喧嘩今までしたことないってくらいの喧嘩だったと思います。
そして最後に相手がいった捨て台詞は
「お前の家、思いっきり揺らしたるからな!!!!」でした。
その瞬間目が覚めました。
本当に家が大きく揺れていたのです。
びっくりして「あれ?ゆめだったんじゃないの??」と思いましたが自他から突き上げるような揺れは数秒続きました。
ゆめか本当かわからないけど確実に揺れて、部屋のものがバッタンバッタン倒れキッチンでは食器の割れる音もしました。
父が慌てて部屋に「大丈夫か!?」と聞きにきました。
・・・・それが阪神淡路大震災、直前にみた夢です。
何かを予知したのかさっぱりわかりませんが本当の話です。
おわり
206 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 01:56:00.36 ID:AgCPeYID0
【56話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『お化けトンネル』
地元に有名なお化けトンネルがあります
峠の急なカーブで事故が多発するそうです
私は以前はバスガイドをしていました
よく運転手さんから、そこのお化け話を聞きました
テレビも取材に来たことがあります
貸切の観光の仕事でした
日帰りで帰りは夜中です
二台での仕事で先輩が2号車、新人の私は1号車です
それぞれのお客様を所定場所まで送り届けます
予定では2号車のが早く本社に帰路するはずでした
バスの規定でお客様を降ろしたバスは車内の電気を消すという
決まりがありました
例のお化けトンネル内で2号車とすれ違ったのです
2号車は車内灯を消しており先輩はガイド補助席に座っていました
私「あ、先輩だ。あれ?電気消えてるのに後ろに誰かいますよね?}
運転手「だな?冷蔵庫前の席に女の人が座ってる」
207 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 01:57:23.39 ID:AgCPeYID0
老人ばかりのお客様だったはずですが、確かに私と運転手さんは
客席の入口側の前の一番前のバス冷蔵庫の席に若い女性が乗っていたのを見ました
運転手「本社に家族が迎えに来る客は本社まで乗せていくから、それだろうな」
私「ですね、予定表にはなかったけど、たまに飛び入り変更ありますし」
とバス同士がすれ違いにクラクションを鳴らしてすれ違いました
こちらの仕事を終えて本社に帰り、バス車内の清掃や報告書・明日の予定確認と
色々していると先輩が明るい声で「おつかれー」と声を掛けてくれました
私「ああ、先輩、あの女性はどうしたんです?車こっちに迎えにきたんですか?」
先輩「あんた何言ってるの?」
話が噛みあいません
そうです、先輩は誰も乗ってなかったと…2号車先輩の運転手もいなかったとの事
なので私と私の運転手さんの見た・いた・いなかったで少し揉めてしまいました
でも気になったんでしょうね、次の日に2号車担当の運転手さんが塩を持ち込んでいました
それを見た私に
「まー仕事柄よくある事だしなぁ、いちいち気にしてたら仕方ないけど粗末にできんわな」
と苦笑いしていました
仕事関係でよく仏閣や訳あり旅館にも行くので、ちょっと怖い話は割と体感できる職場だったかも知れません
(終)
211 :逝く雄 ◆wu7WOib83U :2015/08/30(日) 02:16:59.78 ID:PUKTKYfW0
57話
【泥】
40をとうに過ぎた従兄弟に聞いた話
従兄弟は水に入るのを嫌がった、ただし泳ぎは達者だった
プールは平気なのだそうだ、彼が嫌うのはスネから下くらいの浅い水、そして中が見えない濁った水や波立った水、要するに川の浅瀬や海の波打ち際に足を付けるのを異様に嫌がっていた
さすがにいいおっさんとなった今では大騒ぎすることはないだろうが、子供の頃の水遊びを嫌がる様は今でも親戚中の語り草だ
去年法事で顔を合わせて飲んでた時のこと、話の流れがたまたまそっちの方に向かった
「俺は水が怖かったわけじゃない、現に今でも泳ぎは得意だしな」
「俺が本当に嫌なのは泥だ…」
小学生の頃だそうだ
近所の悪童達とともに裸足のまま田んぼで泥遊びをした彼は田んぼの真ん中で足が抜けなくなったのだそうだ
それ自体は良くある話で、笑ったり笑われたりで済むはずだったが、その時は違った
「泥の中に何かいたんだよ」
脛までもぐった足を、何かがつかんだり突ついたりなで回したりしていたのだそうだ
それこそ半狂乱になった彼を弄ぶかのように泥の中の手のようなものはぬらぬらぬらぬら足指の間や土踏まずを撫で回し、足首を掴み、引きづったという
それ以来泥には一切、本当にただの一度も足を踏み入れておらず
あらたまって話すのは今回が初めてだという
「どうして今まで…」という問いには何故か言葉を濁して語ろうとはしなかった
了
213 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 02:20:46.77 ID:AgCPeYID0
【58話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『赤い地蔵』
小学校の通学路に気持ちの悪い地蔵を祀った所がありました
子供は皆知る限り「なんか気持ち悪いと」
そこを参っているのは歳よりと女性ばかりで女性もなんというか
暗い感じの人ばかりでした
たまにその場所で泣いている人がいたり
あと不思議だったのは、よく動物の死骸がありました
あと深い溝があるのですが、よく子供がはまりました
中のお地蔵さんは道から見えるのですが、いつも真っ赤な服を着せられ
ヨダレかけ?みたいなのも真っ赤で、ともかく赤いし顔が怖いんです
石なのに、たまに睨まれている気がしたり友達も目が赤かったと言ってました
なんとなく皆がその道を避け別の道で通学するようになりました
母にきくと、そこは子が亡くなった人が参る所で水子供養をしているそうです
地蔵を入れる祠や周囲の柵は新しく綺麗なんですが、地蔵だけはなんというか
黒いススみたいな感じを受けたのですが、いじると祟りがあるとかで
地元では怖がられているそうです
大人になってから、その前を通過した時は何も感じませんでしたが
娘が「なんかここ嫌」と拒否していたので何かあるかもしれないですね
(終)
【59話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
「渓流釣りの注意」
友人の話。
仲間と一緒に、山奥の渓流に釣りに出掛けた時のこと。
車で現地まで行って車中泊し、暗い内から釣りにかかるという行程だった。
普段と同じような内容だが、ただ、そこの常連からしつこく注意を受けた。
「ここで休む時は、絶対ドアロックしてなきゃダメだぞ。
それと、何かあっても車からは出るな。放っとけ」
変わった注意だと思ったが、素直に聞き入れることにしたそうだ。
その夜、車の中で毛布を被って寝ていると、突然ドアがガチャガチャと音を立てた。
慌てて寝惚け眼を擦りながら起き上がり、「誰?」と尋ねてみる。
返事は無い。ハンドライトを点け、外を照らすが何もいない。
「気のせいかな」と再び寝ようとすると、またドアがガチャガチャときた。
……何かが車の中に入ろうとしている? やはり外には誰も見えない。
「それで、どうしたの?」ドキドキしながらそう聞く私に、
「どうしたもこうしたも、毛布引っ被って強引に寝たよ。
次の日は早いんだ、釣りの邪魔されちゃ適わんからな」
しれっとした顔で答えた彼だった。
(終)
217 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 02:25:48.86 ID:AgCPeYID0
【60話】きみこ ◆JAZt4WtNrE 様
『無題』
実話です
私が中学1年生のときの話です。父は商社のサラリーマンで、出張が多く、
半年ほど東南アジアを回っているときもありました。
母は、自宅の和室を使って茶道教室を開いていましたが、
謝礼は実費程度のもので、十数人、生徒さんがおりました。
そのときはまだ妹がいなかったので、一人っ子で甘えてばかりいた記憶があります。
10月のある日曜日のことです。そのときは珍しく、
父は会社関係の人たちと釣りに出かけていました。
私は部屋でのんびり過ごしていたんですが、10時過ぎになって、
母が部屋にきて「ちょっと出かけるから、一緒に来なさい」と言いました。
そのとき、びしっと和服を着ていましたので、
これはきっと外で食事をするんだろうと思って、ウキウキしてついていきました。
ところが母の車は、駅前通りを過ぎて、高速に入っちゃったんです。
「ねえ、どこへ行くの」そう聞いたら、「〇〇市のお寺」って言われて驚きました。
それは同郷の両親の実家がある市で、9月のお彼岸のときに行ったばかりだったんです。
「またお墓参り?」と聞いたんですが、母は答えてくれませんでした。
それで私はずっと、車のモニターでアニメのDVDを見てたんです。
〇〇市までは2時間ほどかかりました。高速を降りてすぐのファミレスに入って、
昼ごはんを食べました。もっと高級なところに行くのかと思ってたので、
ちょっとがっかりでしたが、その後向かった先が、お寺はお寺でも、
いつも行っているお墓のあるところとは別で、初めて行くところでした。
「えー、ここ何?」って聞いたんですが、それには母は答えず、
「ご住職にきちんとあいさつしなさい」そう言って、玄関口の呼び鈴を押しました。
出てきたのは、たぶん60歳ぐらいの作務衣姿のお坊さんで、母と私がおじぎをして、
かなり広い和室に通されました。おそらくお葬式のときの控え室になるようなところです。
218 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 02:26:50.54 ID:AgCPeYID0
座卓が4つ縦に並べられていまして、その床の間に近いほうに座りました。
そこで、お茶とお菓子をいただいたんですが、母とお坊さんが長話を始めると、
私は正座してた脚がしびれてつらくなりました。
しばらくしてお坊さんが「じゃあ、持ってきますので」と言って出ていき、
すぐに木の箱を持って戻ってきました。
それで、母とお坊さんが向かい合う形で座って箱を開けました。
私ものぞき込んだんですが、中には古くなって黄ばんだ写真が、
そうですね、200枚以上乱雑に入っていました。
ほとんどがモノクロの写真で、見たことがない家族を写したものでした。
ええ、出てくる人が同じだったんです。品のよさそうな和服のおばあさん。
その人が祖母だと思いました。それと今どき見ない丸い黒縁のメガネをかけたお父さん、
お母さんはきれいな人で、お父さんよりかなり若く見えました。
それと、ちょうどそのときの私と同じくらいの女の子。
いえ、私とは顔が似ているということはなかたっと思います。
髪型も、その子はテレビのサザエさんのワカメちゃんみたいなおかっぱでしたし。
そうですね、今になって考えると、戦前、昭和一桁くらいのものだったと思います。
その写真の中で、女の子が写っている写真を一枚一枚、テーブルに敷いた和紙の上に取り出し、
母がその写真の上に右手の人差指をのせたんです。
ほとんどの写真に対して、母は「これは大丈夫です」と言いましたが、
「これはちょっと」とか「障りが残ってます」こう答えた写真は脇に寄せられました。
そういうのは10枚に一枚くらいでした。
私は、足がしびれたのと飽きてきたのとで、母の袖を引いて、
「お母さん、お庭見てきてもいい」と小声で聞いたんです。
それが聞こえたのか、お坊さんが「いいですよ。いってらっしゃい」そう言ってくださったので、
なかば這うようにして部屋を出て、廊下に座り込んで親指を引っ張ったりしました。
それから玄関を出て、本堂のまわりをぐるっと回ってみました。
いつも父母と行くお寺とは違って、どこにもお墓がなかったんです。
それと、本堂の入り口の上のほうに、大きな亀や龍の彫刻がついてて、
そういうのを見たりして時間をつぶしました。
いえ、怖いという気持ちはなかったです。さんさんと陽光が降り注いでいましたし。
219 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 02:28:56.08 ID:AgCPeYID0
30分くらい外にいて戻ってみると、あらかた写真は仕分けされていました。
二つになっていた写真の山の、少ないほうをお坊さんが和紙に包み、
「ではよろしいですね。こちらはご供養に回しますよ」
懐に入れて立ち上がり、部屋を出て行きました。母は一仕事終えたみたいに肩で息をついていて、
「今の写真は何?」って聞きたかったんですが、そうできませんでした。
これについては、今になっても何であんなことをしたのかわかりません。
私を連れていった意味も。外で日が陰ったのか、急に障子が暗くなりました。
そのとき気配を感じたんです。横を見ると、座卓が縦に4つ並んだうちの、
私から近いほう2つ目の座布団の横に、海藻のようなものが落ちていました。
もじゃもじゃで、黒っぽい緑色の。「何かな」と思って見つめていると、
それがだんだん上に浮き上がってきました。「え?」海藻の下には、
白いぶよぶよしたやわらかいもの。
あの、傷口にずっと絆創膏を貼っておくと、下の皮膚がふやけますよね。
ちょうどあんな色で、かぼちゃみたいな形の。だんだん上に出てくるにつれて、
二つ黒い眼窩があるのがわかりました。「人の頭? それが畳から生えてる?」
私は固まってしまったんですが、放心したような状態の母の袖をなんとか引っ張りました。
「あ、あれ!」母がそちらを見て、ビクンと体が震えました。
私の体をつかんで後ろに下げるようにし、自分は正座の姿勢のまま、
それのほうに出たんです。それはもう口のあたりまで浮き上がっていて、
やはり真っ黒く開いた鼻の穴、それと厚く腫れた唇。
唇はかっと開いて、やはり黒い口と、ぼろぼろになった歯が見えました。
「いやー、何あれ!!」私は叫び声を上げてしまいましたが、母が私を手で制して、
ゆっくりした動作で数寄屋袋を引き寄せ、中から茶道の扇子を取り出しました。
それはもう肩まで畳から出て、こちらに向かって腕を伸ばしていましたが、
母は自分の前の畳に扇子を横一文字に置いたんです。
それが「おああああああ」というような声をあげると、
母は静かに、しかし強く首を振りました。
そのとき、血相を変えたお坊さんが部屋に走りこんできました。
220 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 02:32:19.08 ID:AgCPeYID0
するとそれは、上半身だけで畳にうつ伏せになり、そのまますっと消えたんです。
母が、数珠を持った手を前に伸ばしたお坊さんに向かって「まだ許されていないようです」
こんなことを言いましたが、なんとなく恥ずかしそうな響きを感じました。
怖いことはこれだけでした。その後は寺を後にして車で家に戻っただけ。
帰りの車中で、よほどさっき畳から出てきたもののことを聞こうと思ったんですが、
できませんでした。母の背中から、全身で質問を拒否してることがわかりましたから。
車を降りるときに、「今日のことはお父さんには内緒」母が言いました。
その後も、何度もこの日のことを思い出して、その度に母に質問しようと考え、
いざとなって言い出せなくなってやめる。そのくり返しでした。
あのことを聞いたら、せっかく幸せにやっている家族の関係が、
崩れてしまいそうに思えたんですよ。畳から出てきたものは、
写真の家族の誰とも似ているとは思いませんでした。というかあまりにも白くふやけて
ふくらんでいたので、もし写真の誰かだとしても見分けられるとは思えないです。
・・・その後、震災があって、私も長く水に漬かっていたご遺体を、
いくどか目撃したんですが、それと同じ状態だと思いました。
これでほとんど話は終わりなんですが・・・今年になって、私に妹ができることになりました。
生まれてくるわけではなくて、出張中の父が、インドネシアの孤児の女の子を、
養子に迎えることに決めたんです。2012年のスマトラ沖地震で両親を失った子どもです。
私たちも東日本大震災を経験して、幸い家族に被害はありませんでしたが、
人事とは思えなかったということです。母も手放しで賛成しています。
父の同僚のアメリカ人たちにも、現地の子を養子として育てている人は多いんだそうです。
その子は人身売買の組織から取り戻されたばかりということでした。
今、そのための手続きを、NPOにお願いして進めているところなんです。
それで、父からはその子の写真を見せてもらったんですが、
あのお寺で見た写真の女の子によく似てるんです。でも、時代も違うし、
日本人とインドネシア人だし・・・ どういうことなのか不思議でなりません。
おわり
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