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百物語2014

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Part6
104 :OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E :2014/08/23(土) 22:03:48.84 ID:HxZdyY1N0
【第三十四話】 釣師官兵衛 ◆vW7zauZqAA 様
『冬の波止での話』
そこの波止に到着したのは21時くらいになる。車が1台停まっていたので、先行者がいるようでした。
ギャフもだしショルダーバッグを肩にかけロッドを持ち波止めを歩き始めた。
波止めは100mくらいの長さで真ん中から先端が実績があったため、真ん中くらいから始めた。
『ジッジッ』『ジッジッ』小気味よく私のロッドをしゃくる音が響いた。ふとすると、すぐ横で『ヒュンヒュン』ロッドが風を切る音が聞こえた。
あっ先行者の方だなと思っていると、隣から話しかけられた。
先行者『どうですか、釣れましたか?』
私『今、きたばかりなので・・・』
私『そちらはどうですか?』
先行者『今いたばかりですよ』
会話を交わしながら釣りをしていました。
次の波止移動しようと思い、
私『そろそろ行きますわ。頑張ってください』と声をかけ、
先行者『私は後少ししたらいきます。気をつけて』と返ってきました。
私はその波止めを後にした。
数日後、その波止で夜釣り中に海に落下し亡くなられた方がいることをニュースで知りました。私の隣で釣りをしていた方のようでした。
そう言えば会話の中で『今いたばかりなので』って『今逝ったばかりなので』と言っていたんですかね?
【了】

106 :OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E :2014/08/23(土) 22:11:01.64 ID:HxZdyY1N0
【第三十五話】 タメ人参 ◆i.m1cVbrghng 様
『深夜のカップル』
(1/2)
もう7年くらい前の話なんですが
当時から両親とは別々に暮らしてまして、金がなく、お腹空いたんで実家にご飯を食べさしてもらいに行こうと思ったんです
深夜に(笑)
距離にして自転車で40分くらいの距離
でも自転車がパンクしてて徒歩だったんですトホホ(スイマセン)
季節は真夏の蒸し暑い深夜
汗だくになりながら人気のない橋を歩いてました
歩いてると自転車に2人乗りした若いカップルがゆっくり通り過ぎたんですね
大体気配ありますよね
人が自分の横の位置くらいまでこられると
通り過ぎるまで全く気付かなかったんです
その時はあまり気にもしませんでしたが
橋を渡り切り大きな道路に出ました
俺の歩いてた道はほぼ直線で向こうの方まで見渡せる道路横の歩道を歩いてました
歩いてると
ふと道路を挟んだ反対側の歩道を見たんですね
先ほどの自転車に乗ったカップルがゆっくり自転車こぎながら僕より後方にいるんですよ
その時も俺は、カップルはどこかで降りて喋ってて俺が気付かない内に追い越したのかなぁくらいに思ってました
また自転車で追い越される俺…その道にはコンビニとかはないんですね
飲食店もありませんし
またトコトコ歩く俺

107 :OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E :2014/08/23(土) 22:12:14.77 ID:HxZdyY1N0
(2/2)
しばらくして反対側の自分より後ろの方の歩道を見ると
またいるんですよ
そん時は、えっ?ってなりまして
この時点で二回も俺を追い越してるんですよ
曲がり門なんてないし寄る所もないんですよ
止まるしか、また自転車に追い越されてしばらく歩きます
ふと反対側の俺より後ろの方の歩道を見たら自転車に乗ったカップルがいるんです
この前の時点で反対側の歩道は意識してましたから自転車が止まり俺が追い越せば気付きますし
俺の後ろなんて事はないはずなんです
もう見ないようにして実家についてから
落ち着いて思い出したんです
初めカップルが通り過ぎた時、彼らには影がなかったんです
皆さんも人とすれ違う時は影があるか確認してみて下さい
ひょっとすると影がないかも知れないですよ…
【了】

109 :OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E :2014/08/23(土) 22:17:10.69 ID:HxZdyY1N0
第三十六話  コソコソ ◆.PiLQRq.0A 様
『死神』
(1/4)
群馬県に住む叔母は、カカア天下を地で行くような人だったのだが、
60の坂を超えた頃から胃腸や心臓などを悪くしており、多くの病院にかかっていた。
しかし、多くの病院をはしごするのも疲れてきたので、総合病院一つでまとめてしまおうと考え、
今年の春に各病院への挨拶回りも兼ねて紹介状を貰って回っていた。
叔母が受診していた多くの病院の一つ。
2014年8月23日現在、絶賛営業中の病院なので名前は伏せるが、消化器内科を専門にしている病院である。
個人病院ではあるが、バブル期の真っ只中に立てられたこともあり、三階建てで中庭を有する立派な病院らしい。
二階以上は以前は入院施設として使われていたようだが、医師の減少や経営の悪化に伴い縮小され、
現在は入院患者の受け入れを止めており、一階の診察室の一つのみが機能しているとのことだ。
その病院を訪れた叔母は、病院を変える経緯を説明し、紹介状を貰えることになった。
その時、医師から「胃カメラを前倒しでやってみてはどうか?」と提案されたそうだ。
以前に胃潰瘍を患った叔母は、半年に一回、定期健診で胃カメラを受けていたらしい。
幸い、その日は患者も少なく、希望すればすぐにでも胃カメラを受けることができるそうだ。
あまり胃カメラが得意ではない叔母は一瞬迷ったが、胃カメラ挿入の際の苦痛は医師の腕によるところも大きい。
ーー転院先の病院で下手は医者に当たるくらいなら。
叔母は結局、その日胃カメラを飲むことを決めた。
胃カメラは思っていたよりもすんなりと終わった。
もう何度か経験して叔母のほうもコツが分かってきたのか、全く苦痛はなかったと言う。
胃カメラを飲むのが苦手な叔母は、毎回苦痛を軽減するために鎮静剤を使っていたらしい。
ーーこんなことなら局部麻酔でも良かったかも。
鎮静剤はぼうっとするので、自分で運転して家に帰るにはしばらくの間病院で休まなければならなかった。

110 :OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E :2014/08/23(土) 22:18:08.01 ID:HxZdyY1N0
(2/4)
叔母は電話で家人に帰りが遅くなることを告げ、待合室のソファに座り、何をするでもなくぼうっとしていると、
「二階にベッドがありますけど、そちらで休んでいかれます?」
そう看護師が声をかけてきた。
一旦は辞退したが「胃カメラの後はベッドで休まれる人も多いですから」という看護師の言葉に
「そういうことなら」と腰を上げた。正直なところ、横になって一眠りしてしまいたかった。
看護師に連れられ、二階へ上がる。
経営が苦しい病院とはいえ、待合室には世間話をしている老人が居て、受付には看護師が居た。
それとは打って変わって、二階は静まり返っている。
節電のためか、窓の無い、暗い廊下の両脇には緑色に光る非常灯だけがぼんやりと浮かび上がっていた。
階段を上がってすぐ左手の扉を看護師が開けながら、叔母を招き入れる。
「こちらのベッド、どれでもいいんで使ってください。しばらくしたら呼びに来ますから」
そう言って看護師は忙しなく階下へと降りていった。
叔母はそれを見送ると、入り口から一番遠いベッドに横になって目をつぶり、すぐさま眠りに落ちた。
……ガラッ、という音で叔母は目を覚ました。
病室の窓から差し込む光がオレンジ色になっており、
ーーあ、大分時間が経ったみたいだし、看護師さんかな
まどろみの中で叔母はそう思った。
一瞬覚醒した意識がまた眠りへと引き込まれそうになったとき、カツ、カツ、カツ、カツ、という足音が部屋の中を回り始めた。
ーー何をしているんだろう?
なんとなく起きるタイミングも眠りに落ちるタイミングも逸してしまった叔母はそのまま足音に耳を傾けた。


111 :OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E :2014/08/23(土) 22:19:32.33 ID:HxZdyY1N0
(3/4)
カツ、カツ、カツ、カツ、カツ。
ーーあれ、この音、看護師さんじゃない。
ーー看護師さん、スニーカーだったし、こんな硬い音はしない。
胡乱な頭が思い至った瞬間、叔母の寝ているベッドのすぐ脇で地面を蹴る硬い音が響き、叔母は思わず目を開いた。
叔母の目の前、それこそ息も掛かりそうなほど近く、
サングラスをして、白髪をオールバックにした初老の男の顔があった。
悲鳴を挙げようと叔母は息を吸い込む。瞬間、叔母の鳩尾の辺りを男が強く押した。
叔母の喉から「ぐぇっ」と声が漏れ、吸い込んだ息が押し出される。
必死になって手を退けようと叩くが、男は全体重をかけるようにしてなおも叔母の鳩尾を押し込んでくる。
腕を引っかき、両手で揺さぶって、必死になって男を退けようとするが、男はびくとも動かない。
ーー殺される!
叔母は本気でそう思った。必死で抵抗する叔母の顔を見つめ、サングラスの奥で男の目がぐにゃり、と歪んだ。
ーーこの人、普通の人じゃない!
必死で抵抗する叔母が拳を握り締め、男のサングラスめがけて叩き込んだ。
叔母の拳が当たり、男が倒れる。叔母はすぐさま立ち上がって、転げるように階段を下りた。
血相を変えて待合室に飛び込んだ叔母はそこにいた看護師に事情を説明した。
「もう診療時間は終わってますから、患者さんは誰も残っていないですよ」
看護師がそう言って、叔母の居た病室を見に行ったが、部屋はもぬけの殻だった。
結局、寝起きに悪い夢でも見たのだろうという笑い話になり、叔母は恥ずかしい思いをしながら家路へと着いた。

112 :OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E :2014/08/23(土) 22:20:45.17 ID:HxZdyY1N0
(4/4)
それからしばらくして、総合病院へ転院した叔母は定期健診を受けることになった。
胃カメラは例の病院でしていたため、医師からは「今回はやらなくても良い」と提案があったが、
例の一件以降、どうにも胸焼けがする叔母はレントゲンを撮ってもらうことにしたと言う。
検査後、叔母は複雑な表情を浮かべる医師の前に呼び出されていた。
「胃の上部に影が見られます。詳しく検査してみないと分かりませんが……」
数週間前の胃カメラでは全く映らず、今回のレントゲンで見つかった影。
「恐らく何かが映りこんだんだと思います。レントゲンを見れば、胃の入り口まで影は来ている。
 これが腫瘍だとすれば胃カメラで見落とすことはまず無いし、その時の胃の内部写真にも異常はありませんでした。
 数週間でここまで腫瘍が肥大化することもありえませんし……」
医師も首を傾げながら説明し、叔母はその日の内に再び胃カメラを飲んだ。
影はガンだった。
この夏、叔母は胃の殆どを切除する手術を受け、すっかりやせ細ったにも拘らず、軽快に「死にはしないわよ」と笑っていた。
「だって、ガンを身体に入れている最中の死神を殴り飛ばしたんだもの」
【了】

114 :OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E :2014/08/23(土) 22:27:00.71 ID:HxZdyY1N0
【第37話】 杏仁 ◆1YN5ZdoG2w 様
『無題』
(1/3)
これは、私が高校3年の時に実際に体験した話です。
7月の終わりに差し掛かった頃。時間は深夜の1時。
そろそろ寝ようかと布団に入りました。
うとうととしていたその時、体が急に縛り付けられた感覚に陥り、全く自由がきかなくなってしまいました。
金縛りです。
これまで一度も体験したことがなかったので、(お!これが金縛りってやつかっw)なんて、のんきな事を考えて
いました。
それからしばらく、体が動かないという状況を半ば楽しんでいた時です。
コンコン、コンコン、、、
私の寝ている枕の上の方にある窓をノックする音が聞こえてきたのです。
(親かな?でもこんな時間に外から?おかしいな…)
依然として体が動かない私は、その音に不信感を抱きながらじっとしていました。
コンコン、コンコン…
再びノックをする音が聞こえてきました。
その音は次第に大きくなり、やがて、
ドンドンドンッ!ドンドンドンッ!

115 :OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E :2014/08/23(土) 22:28:10.27 ID:HxZdyY1N0
(2/3)
窓を思いっきり叩く音に変わっていました。
(窓の向こうに得体の知れない何かがいる…!)
私はそう直感しました。
さっきまでこの状況を楽しんでいた自分が嘘のように、一気に恐怖感が襲ってきました。
なおも金縛りは続いています。
私はどうする事もできないまま、ただただ部屋中に広がるその「音」に耐えていました。
………
音が止んだ。
と、その時、
ガラガラガラッ!
なんと窓が開く音が聞こえてきたのです。
私は心臓が飛び出しそうになりました。
そしてその「何者か」が、私の寝ている布団に近づいてくる足音が聞こえてきたのです。
(どうしようどうしようどうしよう…)
とてつもない恐怖で震えている私の方へ、そいつはゆっくりと近づいてきます。
………………

116 :OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E :2014/08/23(土) 22:28:57.27 ID:HxZdyY1N0
(3/3)
どれくらい時間が経ったでしょうか?
ものすごく長い時間が経過したように感じましたが、あることに気がつきました。
金縛りが解けています。
金縛りの間、恐怖でぎゅっと目をつぶっていましたが、うっすらと開けてみました。
そこにはなにもいませんでした。
あとあとになって考えてみると、これは金縛りになった際に聞こえてきた幻聴だったのでしょう。
その時はそんな事を考える余裕など全くありませんでしたが。
これが、私が唯一経験した心霊体験です。
【了】

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