百物語 第二回
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269 :宏之助(代理投稿):2006/08/12(土) 04:45:47 ID:+b2E+JKw0
第78話 【しかと】
ばーさんVS鹿の、ある意味後日談。
私が住む実家とばーさんの甘味屋にほど近い。
たまにばーさんの甘味屋や寺に行く途中、鹿を見かける事があった。
その鹿は、例の佃煮の鹿とは違い、極々普通の鹿だ。
んで妙な話なんだが、鹿と会うと、ジーッと見られてる気がするのだ。鹿に。
私が鹿に目をやると鹿は目を反らすんだが、目を離すとまた視線を感じる。
鹿に睨まれるなんて、思い当たるふしがあるだけに気分が悪かった。
ウチのばーさんは、『信心があるのは良いが、人ん家のもんを持ってくのは許せん』と、
鹿がパクりに来る度に鹿を追いかけ、追い付いた時(たまに足の遅いのが来たらしい)は
ホウキで尻を叩いてたらしい。
鹿が私を見つめるのも、そういった先祖の因縁からかも知れない。
けどもただ睨まれてるのもしゃくなので、私はある遭遇日に
『うがーっ!』
吠えて鹿を脅かしてみた。
だが、鹿は私を小馬鹿に(私の主観だが)した様な顔で一別すると、
ソッポを向いて山に入っていった。
あのばーさんとライバルだっただけあって、山の鹿は手強かった。
【完】
第78話 【しかと】
ばーさんVS鹿の、ある意味後日談。
私が住む実家とばーさんの甘味屋にほど近い。
たまにばーさんの甘味屋や寺に行く途中、鹿を見かける事があった。
その鹿は、例の佃煮の鹿とは違い、極々普通の鹿だ。
んで妙な話なんだが、鹿と会うと、ジーッと見られてる気がするのだ。鹿に。
私が鹿に目をやると鹿は目を反らすんだが、目を離すとまた視線を感じる。
鹿に睨まれるなんて、思い当たるふしがあるだけに気分が悪かった。
ウチのばーさんは、『信心があるのは良いが、人ん家のもんを持ってくのは許せん』と、
鹿がパクりに来る度に鹿を追いかけ、追い付いた時(たまに足の遅いのが来たらしい)は
ホウキで尻を叩いてたらしい。
鹿が私を見つめるのも、そういった先祖の因縁からかも知れない。
けどもただ睨まれてるのもしゃくなので、私はある遭遇日に
『うがーっ!』
吠えて鹿を脅かしてみた。
だが、鹿は私を小馬鹿に(私の主観だが)した様な顔で一別すると、
ソッポを向いて山に入っていった。
あのばーさんとライバルだっただけあって、山の鹿は手強かった。
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