百物語 第二回
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87 :みぃみぃ :2006/08/11(金) 22:56:48 ID:UYkit6ah0
「初体験」1/3
これは私が初めて金縛りにあったときの体験です
中学2年生の冬
学年末テストで勉強をしていた時の事
その日はいつも以上に寒かったのを覚えています
ヒーターをつけ暖をとり、勉強にも集中し始めたころ
廊下から、リン リン と
鈴の音が聞こえてきたんです
気のせいだろうと思い、特に何も思いませんでした
けれどその音は、小さくなったり大きくなったりするだけで
なかなか鳴り止みませんでした
気が散ると、少しイライラし始めたころ
やっとその音は鳴り止みました
何故か寒気がし、なにか直感的に嫌なモノを感じました
怖くなった私は、隣にある母の部屋へ
88 :みぃみぃ :2006/08/11(金) 22:57:55 ID:UYkit6ah0
2/3
「なんか、鈴の音聞こえへんかった?」
と私は母に尋ねました
「あ〜なんかお坊さん歩いてたみたいやったなぁ」
異様なほど冷静な口調で母は言い
「今日はやばいかもな」
と呟く様に言いました
母は霊感体質でよく金縛りにあったり、予知夢の様なモノを見たりする人でした
その母が言うんですから、きっと今日は出るんだろうと思いました
けれど私は今まで1度もそんな体験をしたことなったので、他人事の様に
「まぁ頑張れ、ママ」
と言って苦笑した母を見、私は部屋をあとにしました
それから何時間か経ち
そのこともすっかり忘れ、そろそろ寝ようとベッドの中に潜り込み
ウトウトし始めたころ
体が硬直し、まるで自分の体じゃないような感覚に襲われました
グワアァァン と、頭の中に機会音のような音が響き
そしてその音と共に酷い耳鳴りとあの鈴の音が聞こえてきたんです
89 :みぃみぃ :2006/08/11(金) 22:58:40 ID:UYkit6ah0
3/3
そしてその瞬間頭の中に妙な映像が入り込んできました
それはお坊さんが数人と若い女性がとても深刻に話し込んでいるシーンでした
全ての会話はよく聞き取れませんでしたが
「可哀想に・・」
という若い女性の言葉だけがはっきりと聞き取れました
誰が可哀想なんだろう、と私は思い
その言葉を口に出そうとした瞬間
元の自分の部屋に引き戻されました
結局誰が可哀想だったのかは分かりませんでしたが
少し経ってから気付いたというか、思ったんですよ
「可哀想に・・」
と言う言葉は私に向けられていたんじゃないかなと
何故かというと、その体験をしてからというもの
霊的なモノを見ることはありませんが”聞こえる“んですよね
声というか想いのようなものが・・
その体験をするまで1度も無かったことが当たり前になってしまった
それが「可哀想」だったんじゃないかなと私は思っています
【完】
「初体験」1/3
これは私が初めて金縛りにあったときの体験です
中学2年生の冬
学年末テストで勉強をしていた時の事
その日はいつも以上に寒かったのを覚えています
ヒーターをつけ暖をとり、勉強にも集中し始めたころ
廊下から、リン リン と
鈴の音が聞こえてきたんです
気のせいだろうと思い、特に何も思いませんでした
けれどその音は、小さくなったり大きくなったりするだけで
なかなか鳴り止みませんでした
気が散ると、少しイライラし始めたころ
やっとその音は鳴り止みました
何故か寒気がし、なにか直感的に嫌なモノを感じました
怖くなった私は、隣にある母の部屋へ
88 :みぃみぃ :2006/08/11(金) 22:57:55 ID:UYkit6ah0
2/3
「なんか、鈴の音聞こえへんかった?」
と私は母に尋ねました
「あ〜なんかお坊さん歩いてたみたいやったなぁ」
異様なほど冷静な口調で母は言い
「今日はやばいかもな」
と呟く様に言いました
母は霊感体質でよく金縛りにあったり、予知夢の様なモノを見たりする人でした
その母が言うんですから、きっと今日は出るんだろうと思いました
けれど私は今まで1度もそんな体験をしたことなったので、他人事の様に
「まぁ頑張れ、ママ」
と言って苦笑した母を見、私は部屋をあとにしました
それから何時間か経ち
そのこともすっかり忘れ、そろそろ寝ようとベッドの中に潜り込み
ウトウトし始めたころ
体が硬直し、まるで自分の体じゃないような感覚に襲われました
グワアァァン と、頭の中に機会音のような音が響き
そしてその音と共に酷い耳鳴りとあの鈴の音が聞こえてきたんです
89 :みぃみぃ :2006/08/11(金) 22:58:40 ID:UYkit6ah0
3/3
そしてその瞬間頭の中に妙な映像が入り込んできました
それはお坊さんが数人と若い女性がとても深刻に話し込んでいるシーンでした
全ての会話はよく聞き取れませんでしたが
「可哀想に・・」
という若い女性の言葉だけがはっきりと聞き取れました
誰が可哀想なんだろう、と私は思い
その言葉を口に出そうとした瞬間
元の自分の部屋に引き戻されました
結局誰が可哀想だったのかは分かりませんでしたが
少し経ってから気付いたというか、思ったんですよ
「可哀想に・・」
と言う言葉は私に向けられていたんじゃないかなと
何故かというと、その体験をしてからというもの
霊的なモノを見ることはありませんが”聞こえる“んですよね
声というか想いのようなものが・・
その体験をするまで1度も無かったことが当たり前になってしまった
それが「可哀想」だったんじゃないかなと私は思っています
【完】
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