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百物語2016

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Part1
7 :ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs :2016/08/20(土) 19:16:36.92 ID:jLb1En9v0
部屋をのぞく母
〔1/2〕
夏休みの帰省で8月上旬に実家に戻っていた時のこと。
連日暑い日が続き、エアコンのない二階の俺の部屋は酷く寝苦しかった。
ある日、夜中に目をさましてしまい時計を見たら午前4時ごろ、当然、部屋は
真っ暗である。
ふと気付くと母が部屋のドアを開けて隙間からこっちをのぞいている!
電気も点けてないので暗くて、顔の輪郭だけで、表情などは分からない。
昼間はちょくちょく俺の部屋を覗きにくる母だが、こんな夜中に何の用だろう
「母さん、どうしたん?」と訊いたら、母はなにも言わず、すっとドアを閉め
その後、階下へ降りていく足音が聞こえた。
朝になって母に訊ねたら「夜中にあんたの部屋になんか行ってないよ」との返事。
俺は変に思ったが、自分が寝ぼけていたせいだったと考えた。
その翌日、また深夜に目を覚ました、またもドアの隙間から母がのぞいている!!
布団にもぐったふりをしつつ目を凝らしてよく見てみたら、なんだかそれは母とは
違う顔に見えてきた。
人間は、あまりに身近な相手に対しては認識が非常にいい加減になるもので、
それまで女性っぽい顔の輪郭だけで、勝手に母だと思い込んでいたが・・・
暗がりの中とはいえ、なんか、母とは全然違う気がする!!
しかし家に他に女性はいない!

8 :ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs :2016/08/20(土) 19:17:14.73 ID:jLb1En9v0
〔2/2〕
急に恐ろしくなってきた俺は汗ぐっしょりで布団にくるまり、背を向けて寝たふり
をしたが、やがて「母」が部屋の中に入ってきた音が・・・
俺は相手を見ないように寝たふりを続けたが、「母」は部屋の中をぐるぐると徘徊
している様子。
しばらく生きた心地がしなかったものの、やがて、階下に降りていく足音が聞こえ
たのでほっとした。
あれは誰だったんだろう
考えられることは二つある
一つは、母がボケて明け方に徘徊していることー
しかしこれは考えにくい、人一倍しっかりした人だし、まだそんな歳でない
今一つは、私が見た夢だったということー
こっちの方が普通に考えられるのだが
実は、隣の部屋の弟も今年の正月に、朝の明け方に部屋をのぞく女の顔を見た、と
言ってたことがあったのだ。
弟が言うには「真っ黒で、とにかく母とは全然違った顔」だったそうだ
あれは一体誰なんだろう、ぜんぜん知らないやつが家にいるのか?
年末年始にまた帰省するのだが、またあいつを見るかと思うと、帰りたくない。
《了》

10 :50(ななほし) ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/20(土) 19:23:41.10 ID:5kSLWVsx0
【第二話】『修学旅行』
(1/2)
僕が高校生の時の話。
僕の高校は2年時の修学旅行の行き先は沖縄だった。
平和学習として様々な場所を巡るのだが、我が母校の修学旅行コースの中にはガマがある。
当時7クラスあったクラスを4つに分け、2クラス×3箇所と1クラスのみという組み合わせで
ガマの見学は行われていた。
が、この見学には代々先輩から伝わるある噂があった。
「1クラスだけで入るガマは4つの中で一番やばくて、入れない生徒が続出する」
戦争で沢山の人が亡くなった場所に対して不謹慎極まりない高校生である。
が、この噂のせいかはわからないが、どこのガマに行くかは当日行くまで知らされないという、なんとも奇妙なプランが組まれていたのも事実だった。
そして当日、僕らの向かったのは噂の1クラスのみで入る、一番やばいと言われたガマであった。
うちのクラスは学科が専門コースなせいなのか、個性的な人間が集まっているのか、所謂霊感がある生徒が多かったクラスだった。
案の定バスから降りられない生徒が続出する中、見学は無事に行われた。
問題が起こったのは滞在先であるホテルについてからだった。
部屋に荷物を置いた後の食事で、僕はクラスの女子のあるグループが泣いているのに気づいた。
ガマでバスを降りられなかった何人かを含むグループである。

11 :50(ななほし) ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/20(土) 19:25:18.36 ID:5kSLWVsx0
(2/2)
「どうした?」
同じ部活のメンバーがいたこともあり声をかけると話はこうだ。
部屋に入ったは良いが、入り口の蛍光灯が切れかけて付いたり消えたりしていたそうだ。
当然彼女たちはフロントに連絡をして交換してもらった。
これで大丈夫と思ったのもつかの間、食事に出てこようと準備をしている間に「バチンッ」と音を立て同じ場所の蛍光灯が消えてしまったというのだ。
少し気味も悪くなりながらも抗議の電話をフロントにかけたところ、
フロント係が一言、「ああ、やっぱりですか」と言ったそうだ。
ただでさえもガマの見学で気が立っていたところに止めを刺されたわけで、女子生徒たちが泣いてしまったのにも納得であった。
気になったのはある女子生徒の一言だ。「ずっとついてきてたからしょうがない」と。
ホテルの蛍光灯のいたずらが、ガマの影響だったのか、ホテルの問題なのかはわからない。
どちらにしても修学旅行の生徒の前で何かを起こすなんて、その楽しい雰囲気に混ざりたかった
何かが起こしたのではないだろうか。
いままでで一番切なくいたたまれなくなった出来事であった。
【了】

13 :るしふぁー ◆CS/orwC/9AZj :2016/08/20(土) 19:28:51.13 ID:UEO0zg090
第三話】 るしふぁー ◆CS/orwC/9AZj   
『世の境目』
去年の今頃、私は救急搬送され緊急入院した。
最初の検査の結果は大腸憩室炎で抗生剤の点滴で難なく治癒した。
入院のついでに詳しい検査をとドクターから勧められ了承、内視鏡検査を受けることとなり準備に入った。
腸の検査で何が大変かというと、絶食と下剤、これに尽きる。あの不味い不味い液体を2リットルも飲むのは生き地獄。
そして内視鏡検査の日がやって来た。大腸はドクターが驚くほど綺麗で全く問題なし。ホッと一安心。
「念のため、苦しいけど小腸も診てみましょう」とカメラを進める。小腸は細く曲がりくねっているから本当に気持ち悪い。
しばらくするとドクターの手が止まり「ムム…、あーー…」
突然「画像を撮ります!」と言って看護師にあれこれ指示し撮影、慌しくなった。嫌な予感が頭をよぎる。
そして検査が終了しドクターの説明。「大腸は異状ありませんが、小腸に大きな腫瘍があります。」
画像がモニターに映し出される。「錠剤1錠分も隙間がありません。今から絶食です。退院は取り消し!」
そして次の一言が人生を変えた。
「この大きさからして、良性ということはありえません。間違いなく悪性腫瘍、癌でしょう。」
私は呆然とした。知らせないといけない人達がいるのに、その日は誰にも連絡しなかった。ショックも恐怖感も何も感じなかった。
翌日、朝一番にドクターが部屋に来て「これから詳しい検査をします。絶対に買い食いをしないように!命に係わります。」
数日後、カンファレンスがあった。
「非常に稀な癌です。原因はおそらく悪性リンパ腫、血液のがんでしょう。」
血液検査の結果は更に1週間かかるとのこと。何もすることがないままの入院生活が続く。
そして血液検査の結果が出て、「あり得ないことに血液は正常で悪性リンパ腫ではないことが判りました。」
小腸原発の癌は珍しく、アメリカで数例の報告があるのみとのこと。そして、高度最先端医療の病院でないと無理と告げられた。
ドクターが知っている先生がいる最先端医療の病院があり、既に受け入れの許可が出ているという説明を受け転院が決まった。


14 :るしふぁー ◆CS/orwC/9AZj :2016/08/20(土) 19:30:18.52 ID:UEO0zg090
手術の前日、厳しい説明を受けた。「前例のない症状でデータも存在しない。小腸に癌が発見されて成功した例もない。」
「検査では大丈夫と出ても、実際に空けたら手術不可能だったという例もある。その場合は何もせず閉じる。」
更に「手術中に死亡する確率が高い。」とも伝えられた。ステージはIIIa、昔でいう末期手前とのこと。
身内と親友に伝え、初めて泣いた。手術はロボットと超音波によるデジタルオペとのこと。執刀医と最先端医療、神様仏様に身を委ねた。
翌日、いよいよ手術だ。開き直って冷静な自分がいる。全身麻酔なので痛みに関しては心配してなかった。
そして手術室、大きな4本のロボットアームを見たところで記憶は途切れてる。
「○○さん、手術終わりましたよ!」と看護師の声。続いて先生が「成功です。広がってなかった。もう何でも食べられるよ!」
「あー、生きてる…」と思った。そしてICUへ…。
正気に戻ったのも束の間、一瞬で自分の魂が傷ついた身体から抜けようとし始めた。自分の身体は胸までしかない。
こんな感覚になり、ボロボロの身体を捨てる決意をした。「もう俺は死ぬんだな…。」
そして身体と魂が分離した。その瞬間、身体が下の方から砂になっていくのが分かった。魂が砂になった身体を連れて行った先は…。
ご先祖と祖父母、両親が眠るお墓。砂になった身体が集まり墓石に吸い込まれ一体化していく。
「やっと皆と一緒に暮らせる…。」安らぎを感じながらどんどん墓石と一体化していく。
もう少し…、と思ったところで何者かに跳ね返された!「???」……もう一度。
サラサラサラサラ……また跳ね返されて砂が自分の肉体として再構築されていく。
すると、どこからか般若心経が聞こえてきた。「観自在菩薩行深…。これで皆に逢える…。」
サラサラサラサラ……。「戻りなさい…。」サラサラサラサラ……。

15 :るしふぁー ◆CS/orwC/9AZj :2016/08/20(土) 19:31:15.57 ID:UEO0zg090
「○○さん!おはようございます!成功したねぇ!良かった…。」目を開けると笑顔の看護師さん。
一瞬戸惑う。そして「もう身体ないから…。」と答えると、「えっ!?何!?大成功!!」
しっかり目を開けると、自分の身体があった。そして、お腹の痛みを感じた。何かが頭を駆け巡り我に返った。
軽く看護師さんの説明を受けた。「手術中は心臓も肺も止めてたのよ。」…「じゃあ、一回死んだの?」
「そんなもんね。」看護師さんは笑った。
私は心に誓った。「せっかく生き返らせてくれた命、人の役に立つ生き方をする!」
そして、次の日からリハビリが始まった。
今は手術の傷跡も綺麗に消えて、こうして生きている。「ありがとう」の気持ちと共に…。


17 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2016/08/20(土) 19:36:23.55 ID:3Scplele0
【第四話】◆ モヒート◆KicDEug6lI 様
『ゴミ出し』
昨年体験した話。
自宅前の道は通学路になっていて、バス停も近く朝の人通りが多いんだが
平日のある朝、ゴミ出しに外に出たら誰もいなかった。
珍しい事もあるなーと歩いているうちに、段々と込み上げて来る違和感。
何だろう?としばらく注意を払っていたら気付いてしまった。
周りの音が一切しない。
鳥の鳴き声や風の音、車のエンジン音なんかも全く聞こえない。
耳がおかしくなった?と思ったけど、自分の足音とゴミ袋のガサガサは聞こえる。
気味が悪くなって、急いでゴミを捨て家に戻った。
玄関に鍵をかけ、何か変だよな…と覗き穴から外を伺うと、さっきまで無人だった道に人がいる。
ていうかいすぎた。
会社員や学生やお年寄り…
見た目は普通の人々だが、普段の3倍は混雑してて、道一杯に広がり車が通れない位。
しかも、いつも朝の人の流れは東→西なのに、皆の進行方向は逆の西→東。
整然として、子供までもふざけたりお喋りする様子もなく、真っ直ぐ東を見つめて進んでいた。
急に現れた異様な人混みに怖くなり、しばらく部屋の奥で??????してたんだけど
会社に遅刻しそうになったので、意を決して外に出たらいつもの朝に戻っていた。
通行止めでもあって人の流れが変わったのかも?と出勤途中に確認したが、そんな痕跡は無し。
あと、ゴミもちゃんと捨ててあった。
近所の人にも聞いてみても、あの混雑の正体は分からずじまい。
これだけの体験なんだが、今でもゴミ出しに行くのがちょっと怖い。
【了】

19 :50(ななほし) ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/20(土) 19:46:26.51 ID:5kSLWVsx0
【第五話】『音楽室』
(1/2)
高校の先輩に起こった話。
僕の先輩は中学校の音楽教師だ。いつも成績付けが大変だとか、残業が大変だとか、
それでも子どもが可愛くてやめられないだとか、色んな話をしてくれる。
が、この前久々に飲んだ時のことだ。
「うちの音楽室、真昼間に幽霊が出る」
「は?」
いまいちパッとしない。音楽室といえば夕方誰もいない音楽室からエリーゼのためにが聞こえてくる、
だとか、真夜中に天井から滴った血でピアノの音がポーン、ポーンと鳴るだとか、
そういう学校の怪談で語られるような内容ぐらいな訳で何も夕方以降の暗くなってからの話だ。
ぶっちゃけこっちとしては昼間の幽霊なんて怖さも何もないのだが、先輩の話はこうだ。
先輩の勤める中学校は旧校舎が耐震チェックで引っかかり、防災のため急遽建て替えられた新しい校舎なのだそう。
異変は新校舎への引っ越し直後から始まった。
楽器や映像資料などを音楽倉庫で整理していた時だ。当然音楽教師は先輩しかいないため、
そこを片付けているのは先輩1人。
開けっ放しの出入口に背を向けて戸棚の中を整理していると、背後で影が動いた。
最初は誰か他の先生が来たのだろうと気にも止めなかったが、影が動く割に声をかける様子もない。さすがに変だと思って振り返ると誰もいなかったそうだ。
その後も誰もいないはずなのに人の気配がするなど、気持ち悪いと感じることが多々あった。

20 :50(ななほし) ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/20(土) 19:49:03.90 ID:5kSLWVsx0
(2/2)
決定的な出来事が起こったのは1年が経った頃だ。
その頃には人影なんて気にしている余裕もなく、授業に追われていたそうだ。
ある日の授業でのこと。
合唱の授業で、教室の端にあるピアノの周りに生徒を集め、その中心でピアノの伴奏をしていたときのこと。
いつものように周りをチェックしながら伴奏をしていると、先輩の右側で人影が動いた。
当然生徒だと思って気にしていなかったのだが、次の瞬間、その人影は体を真横にして先輩の顔を覗き込み、ニタァっと笑った。
合唱中で周りは当然歌っている、そんな最中に歌わずそんなことをしている生徒に腹が立ち、注意しようとピアノは弾いたままバッと顔と向けたが、そこには人なんていなかった。
むしろ、半径2mほどの範囲には生徒すらいない。
当然、いきなり振り返った先輩の行動にびっくりして周りの生徒は焦っていた。
そこで初めて異様さにゾッとしたそうだ。
授業中にそんなことを、輪のど真ん中の教師の横でしようものなら、少なからず反応する生徒がいて当然だ。周りに目を配りながら弾いていて、それに気づかないわけが無いのだ。
つまり、周りの40人もいる生徒は何も見ていないということになる。
なんとか曲は弾ききったそうだが、その指導は集中出来ず散々だったそうだ。
あれから数年経ったが、先輩はまだ、そこの音楽室で授業を教えている。
【了】

24 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2016/08/20(土) 19:59:56.34 ID:3Scplele0
【第六話】 零◆DV7MsdFKN7E8 様
『呼ぶ電話』
先日、夜中に喉が乾いたので娘と二人でコンビニに買い出しにいきました。
他愛もない話をしながら、買い物が終わり帰り道の事です。
ふと、電話の鳴る音が聞こえました。
車道には窓を開けた車が信号待ちをしていたので、「あの車かな?やけに音が大きいな」なんて、思いながら気がついたんです。
なっている音が、かかってきている音ではなくてかけている音だと言うことに。
ビックリして車側に耳をそばだててみましたか車からではなく、直ぐそばに選挙事務所があるのですが真っ暗で人の気配もなく、意味のわからないまま音の原因を探したのですが、音は私と娘との間から聞こえていました。
結局訳のわからないまま音が消えてしまいました。
音が消えたあとに、思い出して気配を探りましたが、結局わからず。
あれはなんだったんでしょう?


26 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2016/08/20(土) 20:02:22.98 ID:3Scplele0
【第七話】 零◆DV7MsdFKN7E8 様
『呼ぶ電話後日談』
先程の話の数日後、娘が一人で留守番をしていると、突然家電が鳴り響きました。
普段ほぼ使わない電話なのですが、娘は不思議に思いつつも出たのだそうです。
受話器をとり耳に当てると…
「プルルルルルル…ツーツーツー」何故かかけた音のあとに切れたそうです。
なんだか意味がわからずにいると、もう一度かかってきてまた同じように、かける音がして切れました。
娘は怖くなりましたが、三度かかってきた電話に出ると雑音と共に良くわからない女の声が聞こえ…
それきり電話はかかってきませんでした。
その後私が帰ってきてからこの不思議な電話の話をしているときに思い出したのです。
霊の電話の事を。


28 :るしふぁー ◆CS/orwC/9AZj :2016/08/20(土) 20:04:49.64 ID:UEO0zg090
第八話】 るしふぁー ◆CS/orwC/9AZj   
『人を呪わば…』
(1/3)
私が幼稚園を卒園する直前、両親が離婚し一家離散した。
その後は親戚のところを数ヶ月ごとに転々とし、小学1年生の時に父親に引き取られ弟と再会した。
そして何ヶ月も経たない内に新しいお母さんが自分の娘を連れてやって来た。お互い子連れの再婚だ。
とても優しいお母さんだった。あのことさえなければ…。
新しいお母さんが来て可愛い妹もできて、みんな仲良く暮らしていたある日の夕方、親父から電話がかかってきた。
お母さんは「お父さん、ちょっとしんどいから遅くなるって。先にご飯食べましょう。」
そして夕食の支度中、ひっきりなしに電話がかかってくる。近くに住む親戚もやって来た。
叔父が家からあちこちに電話をかける。ある一言も耳にした。「○○(親父の名前)が死んだ…。」
後で聞いた話しだが、親父が電話をかけてきたのはガソリンスタンドからで、車に戻り給油が終わって店員さんが声をかけたら息絶えていたらしい。
近所の人も次々にやって来て、家は白と黒の幕で覆われ祭壇が組まれていた。
やがて親父の遺体が戻り、一家離散後に預かってくれていた叔母に声をかけられた。親父の実の姉だ。
「△△くん、お父さんは死んだのよ、顔を撫でてあげなさい。」
私は言われる通り顔を撫でた。弟は傍で立ちすくんでいるだけだった。
そこへ“優しかった”お母さんが来て、「アンタのせいでお父さんは死んだのよ!アンタが大切にしないから!」と叫んだ。
叔母が「この子はまだ子供。やめてあげて!」と言い、私と弟を外に出した。
弟がポツリと言った。「パパはあのでっかいお星さまになったんよね?」私はただ「うんうん。」と答えるのが精一杯だった。
葬式の記憶はここで途絶えている。

29 :るしふぁー ◆CS/orwC/9AZj :2016/08/20(土) 20:06:09.18 ID:UEO0zg090
(2/3)
その後、継母は豹変し私を虐め続けた。栄養失調、脚気などでガリガリだった。一年もしない内に見知らぬ男が頻繁に来るようになり、そいつと結婚した。
それまでのネグレクトに加え、男による暴力が始まった。
その後、私が中学の時、実の母親も病死したと伝え聞いた。
親父の兄弟8私の叔父や叔母には作り話と嘘で私がいつも問題を起こして手を焼いていると言っていて、親族に味方がいなくなっていった。
何度も家出をし、友達の家を転々とする生活、中学・高校と横道に反れてしまった。
そんな私でも何とかとある企業に就職できて、やつらを恨みつつも仕事を覚えていき、働く楽しさも実感し始めていた。
親父の遺産問題など色々抱えながらも仕事だけは順調だった。やがて嫌な思い出は忘れると思っていたのに、恨みは増すばかり。
やつらのことに関しては、「絶対殺してやる!」という怨念じみたものに変わっていった。
親父が財産を遺していたが、宙ぶらりんになっていた遺産問題がとうとう表面化した。やつらは私にめくら判を押させ放棄させ、全て自分達の物にすることを企んでいた。
実印を寄こせと言うので偽物を安くで作り渡した。本物と信じて浮かれる愚か者ども。一心に祈った。
「お父さん、お母さん、あいつらを殺してください!罰を与えてください!」
私の気持ちは殺すよりも生き地獄を味わわせるというものに変わっていった。そして、周囲の反対を無視して弁護士を通じて遺産分割を開始した。
継母はキレた。私は無視して弁護士に任せた。
どんどん狂う継母。この遺産問題の途中に継母の姉と妹がほぼ同時に乳がんになり50歳前後で他界。この人達は継母と正反対で優しかった
のに…。
そして続けてこれまた優しかった継母の父親(私から見て義理のおじいさん)も他界。私は悪事を働く張本人に罰が当たることを望んでいるのに…。

30 :るしふぁー ◆CS/orwC/9AZj :2016/08/20(土) 20:07:31.18 ID:UEO0zg090
(3/3)
更に親族で唯一味方になってくれていた叔母も、親父と同じ急性心不全で突然亡くなった。私は何も信じられなくなり、ある行動をとった。
実の母親の母親(私から見て実の祖母)が遠い田舎で生きていることを知っていたので、皆に内緒で逢いに行った。
当時、大人達は嘘をついていた、「本当のおばあさんも死んだ」と…。
私は祖母に逢ったが、久しぶりなので何も話さないでいた。ところが祖母は「何かつらいことあったんでしょう?」と私に問うた。
我慢できなくなって、親父が亡くなってからのことと今のことを全て話した。そして母親のことを話してくれ、一緒に墓参りに行った。
祖母は言った、「人を呪えば自分に返る。本人に返る場合もあるし、本人には行かずその身内が不幸になることもある。遺産問題だけ片付けて、そんな人達を恨むのは止めなさい。」
そして一緒に役所へ行き、祖母は遺言状を作った。「私(祖母)の財産は全て孫の○○○○(私)に相続する。」という内容。
「私はあなたを育てなかった。これがそもそもの間違い。私にも責任がある。これで考え方を明るい方に変えて。」~と言った。
私の継母に対する強い恨みが、関係のない優しい人の命を奪ってしまったかもしれないと考え、それ以降継母のことは封印した。
そして揉めに揉めた遺産問題は私と弟の納得のいく形で幕を下ろし、継母との関係を一切絶った。
その後、継母の身内の不幸も途絶えたが、やつらが他人の戸籍を汚したりしていたことが発覚し、周りから相手にされなくなっていったと聞いている。
また、その継母の娘は結婚したが、子供ができない体だということが判明し、子作りを諦めたらしい。継母の血を引く者は娘で途絶えるのだ。
「本人には行かなくても…」人の恨みは本当に存在するのか?
私は実の祖母と平和に暮らし、数年前最期を看取った。そして、祖母の遺言通りに事が運んで、ようやく安泰な人生がやって来た。


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