幼馴染の男の子の話
Part7
264 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:46:18.39 ID:lgHm5YHH0
そんなこんなで、健介に電話した。
次に遊ぶ約束をしようかなって思って。
電話に出た健介はいつになく重苦しい声だった。
『ちょっと今大変やけん、また次でいいか?
全部おわったら連絡する。それまでまっとって。
まだいつになるかは俺もわからん。ごめん。』
265 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:47:21.73 ID:lgHm5YHH0
健介の口から、自分が大変だとは聞いたことがなかった。
いつも、俺は大丈夫だけどあいつが・・・っていう健介が。
多分はじめてだと思う。自分の事を大変だと言ってたのは。
だから、よほど重大な事が起こってるんだろうと思った。
もしかしたら、親がたおれたとか?
266 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:48:21.34 ID:lgHm5YHH0
ものすごく心配だけど、全部おわったら連絡するって事だったんで、待った。
心配でしかたなかったけど、ひたすら待った。
こっちから何度か連絡しようとしたけど、
でも健介に悪い気がして、待つことしかできなかった。
267 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:49:30.34 ID:lgHm5YHH0
2ヶ月すぎたぐらいで健介から電話きた。
やっと終わった、明日話そうと。
私はずっと気になってたから、いや、今日話して。とダダをこねた。
わかった、今からそっち行くから。20分後にゆみんちの近くの公園な。
女の子が公園に一人でいるとあぶないから、20分たってから家でろよ。
って事で、21:00すぎに夜の公園で会うことになった。
268 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:50:18.27 ID:lgHm5YHH0
20分後っていうこの時間設定に違和感があった。
最近はバイクなので、健介のとこから5分ぐらいでこれるはず。
用意したりとかあっても、10分だろう。
なんで20分なのかな・・・・
あとで健介に話しを聞くと、その違和感もわかることになる。
269 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:51:11.85 ID:lgHm5YHH0
20分少しすぎたぐらいで、家をでた。
家の前の道路で健介が待ってた。バイクは公園においてきたそうだ。
公園まで歩いていって、公園で話した。
270 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:52:00.26 ID:lgHm5YHH0
簡潔に書くと
・ある日、健介のお母さんが家にかえってこなくなった。
・その日の夜、健母(めんどくさいのでこう書きます)の会社の社長さんが家にきた
・昨日から会社には来てないんでおかしいと思って家にきてみた。
実はお金を20万ほど貸している。でもお金なんていつでもいい。まずは本人さがさないと。
とその社長さんは言ってくれた。社長さんはものすごいいい人らしい。
・家によく健母宛に電話かかってきたのはどうやら借金の督促みたいだった。
・健父は、実家(健介のおじいちゃんのとこ)を、父親が死んでから健父の長兄が借金で
かってに売っぱらってから、借金を狂ったようにきらってた。
・もともと健介の家はオヤジ絶対の家だったので、オヤジを怖がってないのは健介ぐらいだった。
・なので、健母は健父にいいだせなくて逃げたんだと思う。
・その後、スーツきた人が二人うちにきた。
・『この家はすでにあなたのものではありません。お金払われてないのでテイトウに入ってます。』と言われた。
271 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:52:49.28 ID:lgHm5YHH0
・ほかの金融機関、親戚からも借りてるのがいろいろ発覚
・健母の居場所は依然としてわからない。
・健父は捜索願いだしたり、仕事したり、へたりこんで全然ご飯食べなくてやせたりと、
散々だったそうだ。あんな逆境に弱いオヤジは見たくなかったと健介言ってた。
・その間、ご飯、洗濯、掃除と、健介と妹さんで全部やっていたそうだ。
・そうこうしてるうちに健母からたまに電話が家にある。健父がいないときをみはからって。
・タイミングで妹さんがいる時しか電話かかってきてなかったみたいだけど、ついに健介が電話にでる。
・健介電話で脅しの意味も含めて、そろそろ帰ってこないとオヤジほんとに死んでしまうぞと伝える。
・この時の反応で健介、健母はそろそろ帰ってくると確信。
・オヤジに帰ってきてもとりあえず責めるな、落ち着いて話せよと健介約束させる。
・そして健母帰ってくる。
・でもうちはもう住めないので、夜逃げ同然で近所の人にみつからないように隣町に引越し。
272 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:53:38.92 ID:lgHm5YHH0
という事だった。
今までの家からじゃなかったので、公園までくるのに時間がかかったと言ってた。
健介一家はすでに隣町に引っ越してた。
『俺バイトしてバイク買ってる場合じゃなかったな・・・全然そんな事しらんかったし』
と寂しそうに言っていた。
273 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:54:25.63 ID:lgHm5YHH0
健母の借金は特におかしな事につかったわけではなく、全部生活費だったそうだ。
借金の額もむちゃくちゃな額ではなく、100〜200万ぐらいだとか。
でも、健母は健父が怖くて仕方なかったので、言えなかったんだろうと思う。
多分オヤジがパチンコいくから、呑みに行くからって金もらってたのを
母親が断れずにいつも金だしてたから、借金増えたんだと思うって言ってた。
とりあえず、ひと段落ついた。あんまり心配かけたくないから言わなかった。
という事らしい。
274 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:55:19.21 ID:lgHm5YHH0
なんだか、私のまわりではあまり聞いたことない出来事だったんで、びっくりした。
健介はつらかったんだろうけど、私にはどのくらいつらいのか想像もつかなかった。
だから、安易に元気出してとか、気持ちわかるとか、そういう事は言えなかった。
何も言えることがないので、だまってしまった・・・・
『なんか、しんみりしたな。まー終わったことやし、もうきにすんな。
日曜は久々にどっか遊びにいこうぜー』と明るく言っていた。
275 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:56:06.37 ID:lgHm5YHH0
次の日曜日に会った。
健介はいつものとおり楽しい奴だった。
多分聞かされてなかったら、あんな事があったなんて私は知らないままだろう。
私に心配かけたくないという健介なりの優しさだったり、強さだたりするんだろうけど、
私はなんかモヤモヤした感じがあった。
276 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:56:57.73 ID:lgHm5YHH0
頼りないかもしれないけど、もっと頼ってほしかった。
健介からみたら私なんて無力で何もできない人間かもしれないけど、
でも、一緒につらいことを乗り越えたかった。
私も一緒に共有したかった・・・
でも、健介は一人でなんとかした。
私に迷惑がかかるからと。
277 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:57:43.99 ID:lgHm5YHH0
なんだか、少し距離が遠くなったような気がした。
この時、自分では気がついてないけど、すでにもうあきらめはついてたんだと思う。
健介はやっぱり私じゃダメなんだな・・って。
その後、私に転機が訪れる・・・
278 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:59:34.45 ID:lgHm5YHH0
ごめんなさい、いったんここで終わりますー。
今日はまだ書きにこれると思うので、あとでまたきます。
なんだ、おもわせぶりな所で終わらせてしまって申し訳ないです・・・
279 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 10:03:15.63 ID:lgHm5YHH0
質問とかあったら、かいといてください。
もどってきて、答えれることだったら答えますw
280 :名も無き被検体774号+:2012/07/03(火) 10:03:17.18 ID:i/FOF+xz0
いいよ〜自分のペースで書いてって〜
保守〜
283 :名も無き被検体774号+:2012/07/03(火) 11:05:01.10 ID:i0z+t52x0
高校卒業した後は、進学したの?
地元残ってたみたいだから、就職したのかな?
差支えなかったら教えて
284 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:08:32.02 ID:lgHm5YHH0
>>283
私は大学
健介は専門学校に進学でした。
という事で、今から再開します。
285 : 忍法帖【Lv=8,xxxP】 :2012/07/03(火) 11:09:05.87 ID:BptbDK0H0
まってましたwww
286 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:09:21.29 ID:lgHm5YHH0
その後、私に転機が訪れる・・・
私が大学の飲み会に行った時、となりの席に座ってた男の人がいた。
最初は話しをしなかったけど、顔を見て一言話したとき、
『あ、私はこの人と結婚するんだな・・・』って思ってしまった。
ビビっときたというよりも、なんか決まってたこと教えられたみたいな感じで
私自身も妙に納得してしまった。
その後彼との交流もいろいろあり、私も彼の事を好きになっていった。
そのうち、彼のほうから告白されてつきあう事にした。なんか自然な感じだった。
告白されてから付き合うまで、もう答えは決まってたけど、返事に少し時間をもらった。
その間に健介に会って話したかった。
287 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:10:02.35 ID:lgHm5YHH0
健介に全部はなした。
だから寂しいけど会えなくなる。
健介には大事なことたくさん教えてもらったし、健介がいなかったら、
その人から好きになってもらえなかっただろう。だから本当に感謝してる。
という事を伝えた。
288 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:11:06.19 ID:lgHm5YHH0
健介は、
『おいおい、自分から俺の事すきだって言っといてひでーなwww』
と笑ってた。
『ほんとによかったな。ゆみが幸せになるんやったら全力で応援するよ。
相手には失礼やけん、俺らもう会わないほうがいいな。
間違っても彼氏とうまくいかなくて悩んでも、俺に相談とかしてくるんじゃねーぞ。
女の友達に相談するか、自分でなんとかせーよ。』
と、なぜか私を気遣ってくれた。
『ガキの頃からずっと一緒みたいな感じやったし、なんか会えなくなると思うと寂しいな・・・』
と遠くを見ながら健介は言っていた。
289 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:11:48.40 ID:lgHm5YHH0
それは私も同感だ、むしろ私のほうが寂しい気持ちは大きいはず。
でも、健介風に言うと、ケジメはちゃんとつけないとダメだという事だった。
健介にとっても、私から開放されていいはずだ。
そう思って、泣きそうになるのを堪えてた。
290 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:12:31.64 ID:lgHm5YHH0
その後、彼に会って返事をした。
私も好きです。こちらこそお願いしますといった。
その時に健介の事を話した。なぜだか、話さなければいけないと思った。
子供の頃から知ってて、初恋の相手で、ずっと追いかけてきて、
一度高校生の時につきあった事あるけどすぐわかれて、
でも私のわがままで最近もずっと一緒にいてくれて、
彼ができたって事いうと、もう会わないほうがいいって言ってた。
今はほんとに仲がいい友達みたいな感じだった。
もう兄弟というか、家族というか。
291 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:13:06.25 ID:lgHm5YHH0
あなたは、私の事、前向きで明るくて優しいところが好きになったって言ってくれたけど、
これは全部健介っていう人間から教えてもらった。
私は健介に会う前、ほんとにイヤな人間で、健介にひどい事してきた。
何がいいたいかわからなくなったけど、
そういう人がいたんだって事をわかってほしかったのと、
これからはもうその人とは会わなくて、きちんと自分の中でケジメつけた。
これからは、あなただけ見てるから。だから宜しくお願いします。
292 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:13:46.96 ID:lgHm5YHH0
そんな事を話した。
私と健介の関係は理解するのは難しいと思うし、
告白した女の人にいきなりほかの男の話しされるのは気分悪いだろうって事は
十分承知の上で、でも話しておきたかった。
なんか、自分でも何言ってるかわからなくなった。
『あ、気にならないならあんまり気にしないで・・・』と言った。
なんだか、昔の男の話しをいきなり聞かされたみたいで、やっぱり気分悪く
したかな・・・って思って『変な話してごめんなさい。』と謝った。
293 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:14:41.27 ID:lgHm5YHH0
彼の返事は予想外だった。
『俺にもその人会わせてくれ。
俺にも女友達ぐらいおるし、きにせんでいいよ。
一回3人で今度会おう。それで俺も納得したらそのままでいいやん。
俺がみてイヤだったら、その時はもう会わないでくれって言ってもいいかな?
一応俺、こう見えても人を見る目あるんぞ。
俺の彼女みたらわかるやろ?w』
そう言ってくれた。
この人もなんだか、健介に負けないくらい大きな人だなって思った。
そう言われたので、健介に電話をしてみた。
でも健介は会おうとはしなかったが、なんとか説得して3人で会うことになった。
294 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:16:46.59 ID:lgHm5YHH0
店で待ち合わせした。
健介があとから来た。
私と彼が向かい合う形で4人席に座っていたので、
『ゆみは向こうにすわらんと』って、彼の横に私を移動させて、
健介は彼の前に座った。
彼というのはめんどくさいので、憲二にします。
たまーに坂口憲二に似てるといわれることがあるのでwww
『はじめまして、健介といいます。』と頭を下げて挨拶をした。
彼も『憲二です。今日はきてくれてありがとう』と立ち上がって挨拶した。
なぜか、ここで二人握手。
男同士ってこんなんなんかな?
295 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:17:21.61 ID:lgHm5YHH0
話し弾まないかと思ったら、健介がハイテンションで聞いてきた。
『みんな同じ歳やけん、ここからタメ口でいこう。
んで、ゆみのどこがよかったん?どこが好きになったん?』とニヤニヤで憲二に聞いてた。
憲二はテレながら、なんとか答えてた。
健介『いいなーゆみ。彼氏男前やし。こんなにテレながら答えてくれようぜ。』
って、健介完全に遊んでたwww
296 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:18:19.62 ID:lgHm5YHH0
憲二『俺の事は気にしなくていいから、二人は今までどおり会いたいときに会ってくれ。』
健介『そんな事はいかんやろ。聞いてたと思うけど、ゆみは俺の事一応ずっと好きだったんだぞ。
何かの間違いがあったらどうする?』
憲二『俺はゆみ信用してるし、ゆみが大事な友達も信用してる。
もしゆみがやっぱり健介の事が好きだと言っても、それはそれで仕方ない。
何よりゆみが大事だと思ってる人は俺も大事だから。
だから、二人で会うのも別に俺に気を使わなくて今までどおりでよろしくな。
まあ、ゆみに対しては、健介に負ける気は俺はさらさらないしな。
とれるもんなら、とって見やがれw』
健介『いやいや、俺はもういいって。お前たち二人仲良くやれよ。
それよりもゆみ、お前の彼氏、なかなかいう事かっこいいなw』
ゆみ『まあねー。いい男みつけたやろw』
そんなやり取りがあって、一気に二人は打ち解けた。
297 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:18:56.34 ID:lgHm5YHH0
その後、健介の自分から告白したのは全滅で女の人にふられてばっかの話しとか、
憲二も空手やってて格闘技好きだったんで健介と盛り上がって、
誰が今最強の男なのかとか、高田信彦だとか、前田日明だとか・・・
マンガのはなしとか・・・
ものすごく盛り上がってた。
はっきり言って、私は、ほとんど会話に入れてなかった。
298 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:19:36.43 ID:lgHm5YHH0
でも、自分が好きな人達が、初めてあってこんなにも仲良くなってくれるのが
なんだかとってもうれしかった。
健介も憲二も、最初は私に気を使ってぎこちなかったんだけど、
途中からお互い本気で仲良くなってきたように見えて、
私はそれを見てるだけで満足だった。
多分、その時の私は、はたから見たらニヤニヤしていたと思うw
299 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:20:28.26 ID:lgHm5YHH0
これから、憲二とは順調に付き合っていった。
憲二が私の初めての人になった。
健介が私と二人きりで会うことは結局なかった。二人で会うのははやっぱり悪い気がするって断られたから。
けど、健介と憲二とはよく二人きりで遊んでたみたい。
憲二のうちと、健介のうちとお互いに行き来してたみたい。
そういうのもなんだかうれしかった。
いつも二人で何してるん?って聞くと、
マンガ読んだり、飯食ったり、ゲームしたり、プロレスのビデオ見たり・・・
べつになんもしてないなwwと憲二は笑ってた。
300 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:21:15.19 ID:lgHm5YHH0
『ゆみにはほんとに感謝してる。
つきあってくれてる事もだけど、あんなおもろいダチ連れてきてくれた事にww』
ってな感じで、憲二は健介が大分好きになってた様子だ。
いや、単純にダチとしてね。ソッチ系ではないよww
301 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:21:56.84 ID:lgHm5YHH0
その後、健介はこりもせずバイト先の女の子にあっさり振られたり、
私たちよりも一足早く社会人になってたりした。健介専門学校だったんで。
こいつは本当に、いいも悪いも相変わらずだった・・・・
3人で会う時は、いいかげん彼女作れよって健介を責めたけど、
なんかうまくいかん。まー焦る必要もないか。
と自分でいってた。
302 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:22:49.79 ID:lgHm5YHH0
健介に2度ほど同じ大学の女の子を紹介した事がある。
けど、2回ともうまくいかなかった。
健介、憲二、私、女の子の4人で会ったけど、いつも健介と憲二が二人でエキサイトして
女たちは置いてけぼり・・って感じだった。
ほんとに気が合う二人だった。
憲二は普段はクールっていうか、どっちかというと無口なほうだったけど、
健介といる時は子供みたいにかなりテンションあがってた。
二人とも子供のまま大人になったんだろうなって思ってた。
そんなこんなで、健介に電話した。
次に遊ぶ約束をしようかなって思って。
電話に出た健介はいつになく重苦しい声だった。
『ちょっと今大変やけん、また次でいいか?
全部おわったら連絡する。それまでまっとって。
まだいつになるかは俺もわからん。ごめん。』
265 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:47:21.73 ID:lgHm5YHH0
健介の口から、自分が大変だとは聞いたことがなかった。
いつも、俺は大丈夫だけどあいつが・・・っていう健介が。
多分はじめてだと思う。自分の事を大変だと言ってたのは。
だから、よほど重大な事が起こってるんだろうと思った。
もしかしたら、親がたおれたとか?
266 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:48:21.34 ID:lgHm5YHH0
ものすごく心配だけど、全部おわったら連絡するって事だったんで、待った。
心配でしかたなかったけど、ひたすら待った。
こっちから何度か連絡しようとしたけど、
でも健介に悪い気がして、待つことしかできなかった。
267 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:49:30.34 ID:lgHm5YHH0
2ヶ月すぎたぐらいで健介から電話きた。
やっと終わった、明日話そうと。
私はずっと気になってたから、いや、今日話して。とダダをこねた。
わかった、今からそっち行くから。20分後にゆみんちの近くの公園な。
女の子が公園に一人でいるとあぶないから、20分たってから家でろよ。
って事で、21:00すぎに夜の公園で会うことになった。
268 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:50:18.27 ID:lgHm5YHH0
20分後っていうこの時間設定に違和感があった。
最近はバイクなので、健介のとこから5分ぐらいでこれるはず。
用意したりとかあっても、10分だろう。
なんで20分なのかな・・・・
あとで健介に話しを聞くと、その違和感もわかることになる。
20分少しすぎたぐらいで、家をでた。
家の前の道路で健介が待ってた。バイクは公園においてきたそうだ。
公園まで歩いていって、公園で話した。
270 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:52:00.26 ID:lgHm5YHH0
簡潔に書くと
・ある日、健介のお母さんが家にかえってこなくなった。
・その日の夜、健母(めんどくさいのでこう書きます)の会社の社長さんが家にきた
・昨日から会社には来てないんでおかしいと思って家にきてみた。
実はお金を20万ほど貸している。でもお金なんていつでもいい。まずは本人さがさないと。
とその社長さんは言ってくれた。社長さんはものすごいいい人らしい。
・家によく健母宛に電話かかってきたのはどうやら借金の督促みたいだった。
・健父は、実家(健介のおじいちゃんのとこ)を、父親が死んでから健父の長兄が借金で
かってに売っぱらってから、借金を狂ったようにきらってた。
・もともと健介の家はオヤジ絶対の家だったので、オヤジを怖がってないのは健介ぐらいだった。
・なので、健母は健父にいいだせなくて逃げたんだと思う。
・その後、スーツきた人が二人うちにきた。
・『この家はすでにあなたのものではありません。お金払われてないのでテイトウに入ってます。』と言われた。
271 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:52:49.28 ID:lgHm5YHH0
・ほかの金融機関、親戚からも借りてるのがいろいろ発覚
・健母の居場所は依然としてわからない。
・健父は捜索願いだしたり、仕事したり、へたりこんで全然ご飯食べなくてやせたりと、
散々だったそうだ。あんな逆境に弱いオヤジは見たくなかったと健介言ってた。
・その間、ご飯、洗濯、掃除と、健介と妹さんで全部やっていたそうだ。
・そうこうしてるうちに健母からたまに電話が家にある。健父がいないときをみはからって。
・タイミングで妹さんがいる時しか電話かかってきてなかったみたいだけど、ついに健介が電話にでる。
・健介電話で脅しの意味も含めて、そろそろ帰ってこないとオヤジほんとに死んでしまうぞと伝える。
・この時の反応で健介、健母はそろそろ帰ってくると確信。
・オヤジに帰ってきてもとりあえず責めるな、落ち着いて話せよと健介約束させる。
・そして健母帰ってくる。
・でもうちはもう住めないので、夜逃げ同然で近所の人にみつからないように隣町に引越し。
272 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:53:38.92 ID:lgHm5YHH0
という事だった。
今までの家からじゃなかったので、公園までくるのに時間がかかったと言ってた。
健介一家はすでに隣町に引っ越してた。
『俺バイトしてバイク買ってる場合じゃなかったな・・・全然そんな事しらんかったし』
と寂しそうに言っていた。
273 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:54:25.63 ID:lgHm5YHH0
健母の借金は特におかしな事につかったわけではなく、全部生活費だったそうだ。
借金の額もむちゃくちゃな額ではなく、100〜200万ぐらいだとか。
でも、健母は健父が怖くて仕方なかったので、言えなかったんだろうと思う。
多分オヤジがパチンコいくから、呑みに行くからって金もらってたのを
母親が断れずにいつも金だしてたから、借金増えたんだと思うって言ってた。
とりあえず、ひと段落ついた。あんまり心配かけたくないから言わなかった。
という事らしい。
274 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:55:19.21 ID:lgHm5YHH0
なんだか、私のまわりではあまり聞いたことない出来事だったんで、びっくりした。
健介はつらかったんだろうけど、私にはどのくらいつらいのか想像もつかなかった。
だから、安易に元気出してとか、気持ちわかるとか、そういう事は言えなかった。
何も言えることがないので、だまってしまった・・・・
『なんか、しんみりしたな。まー終わったことやし、もうきにすんな。
日曜は久々にどっか遊びにいこうぜー』と明るく言っていた。
275 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:56:06.37 ID:lgHm5YHH0
次の日曜日に会った。
健介はいつものとおり楽しい奴だった。
多分聞かされてなかったら、あんな事があったなんて私は知らないままだろう。
私に心配かけたくないという健介なりの優しさだったり、強さだたりするんだろうけど、
私はなんかモヤモヤした感じがあった。
276 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:56:57.73 ID:lgHm5YHH0
頼りないかもしれないけど、もっと頼ってほしかった。
健介からみたら私なんて無力で何もできない人間かもしれないけど、
でも、一緒につらいことを乗り越えたかった。
私も一緒に共有したかった・・・
でも、健介は一人でなんとかした。
私に迷惑がかかるからと。
277 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:57:43.99 ID:lgHm5YHH0
なんだか、少し距離が遠くなったような気がした。
この時、自分では気がついてないけど、すでにもうあきらめはついてたんだと思う。
健介はやっぱり私じゃダメなんだな・・って。
その後、私に転機が訪れる・・・
278 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 09:59:34.45 ID:lgHm5YHH0
ごめんなさい、いったんここで終わりますー。
今日はまだ書きにこれると思うので、あとでまたきます。
なんだ、おもわせぶりな所で終わらせてしまって申し訳ないです・・・
279 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 10:03:15.63 ID:lgHm5YHH0
質問とかあったら、かいといてください。
もどってきて、答えれることだったら答えますw
280 :名も無き被検体774号+:2012/07/03(火) 10:03:17.18 ID:i/FOF+xz0
いいよ〜自分のペースで書いてって〜
保守〜
283 :名も無き被検体774号+:2012/07/03(火) 11:05:01.10 ID:i0z+t52x0
高校卒業した後は、進学したの?
地元残ってたみたいだから、就職したのかな?
差支えなかったら教えて
284 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:08:32.02 ID:lgHm5YHH0
>>283
私は大学
健介は専門学校に進学でした。
という事で、今から再開します。
285 : 忍法帖【Lv=8,xxxP】 :2012/07/03(火) 11:09:05.87 ID:BptbDK0H0
まってましたwww
その後、私に転機が訪れる・・・
私が大学の飲み会に行った時、となりの席に座ってた男の人がいた。
最初は話しをしなかったけど、顔を見て一言話したとき、
『あ、私はこの人と結婚するんだな・・・』って思ってしまった。
ビビっときたというよりも、なんか決まってたこと教えられたみたいな感じで
私自身も妙に納得してしまった。
その後彼との交流もいろいろあり、私も彼の事を好きになっていった。
そのうち、彼のほうから告白されてつきあう事にした。なんか自然な感じだった。
告白されてから付き合うまで、もう答えは決まってたけど、返事に少し時間をもらった。
その間に健介に会って話したかった。
287 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:10:02.35 ID:lgHm5YHH0
健介に全部はなした。
だから寂しいけど会えなくなる。
健介には大事なことたくさん教えてもらったし、健介がいなかったら、
その人から好きになってもらえなかっただろう。だから本当に感謝してる。
という事を伝えた。
288 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:11:06.19 ID:lgHm5YHH0
健介は、
『おいおい、自分から俺の事すきだって言っといてひでーなwww』
と笑ってた。
『ほんとによかったな。ゆみが幸せになるんやったら全力で応援するよ。
相手には失礼やけん、俺らもう会わないほうがいいな。
間違っても彼氏とうまくいかなくて悩んでも、俺に相談とかしてくるんじゃねーぞ。
女の友達に相談するか、自分でなんとかせーよ。』
と、なぜか私を気遣ってくれた。
『ガキの頃からずっと一緒みたいな感じやったし、なんか会えなくなると思うと寂しいな・・・』
と遠くを見ながら健介は言っていた。
289 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:11:48.40 ID:lgHm5YHH0
それは私も同感だ、むしろ私のほうが寂しい気持ちは大きいはず。
でも、健介風に言うと、ケジメはちゃんとつけないとダメだという事だった。
健介にとっても、私から開放されていいはずだ。
そう思って、泣きそうになるのを堪えてた。
290 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:12:31.64 ID:lgHm5YHH0
その後、彼に会って返事をした。
私も好きです。こちらこそお願いしますといった。
その時に健介の事を話した。なぜだか、話さなければいけないと思った。
子供の頃から知ってて、初恋の相手で、ずっと追いかけてきて、
一度高校生の時につきあった事あるけどすぐわかれて、
でも私のわがままで最近もずっと一緒にいてくれて、
彼ができたって事いうと、もう会わないほうがいいって言ってた。
今はほんとに仲がいい友達みたいな感じだった。
もう兄弟というか、家族というか。
291 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:13:06.25 ID:lgHm5YHH0
あなたは、私の事、前向きで明るくて優しいところが好きになったって言ってくれたけど、
これは全部健介っていう人間から教えてもらった。
私は健介に会う前、ほんとにイヤな人間で、健介にひどい事してきた。
何がいいたいかわからなくなったけど、
そういう人がいたんだって事をわかってほしかったのと、
これからはもうその人とは会わなくて、きちんと自分の中でケジメつけた。
これからは、あなただけ見てるから。だから宜しくお願いします。
292 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:13:46.96 ID:lgHm5YHH0
そんな事を話した。
私と健介の関係は理解するのは難しいと思うし、
告白した女の人にいきなりほかの男の話しされるのは気分悪いだろうって事は
十分承知の上で、でも話しておきたかった。
なんか、自分でも何言ってるかわからなくなった。
『あ、気にならないならあんまり気にしないで・・・』と言った。
なんだか、昔の男の話しをいきなり聞かされたみたいで、やっぱり気分悪く
したかな・・・って思って『変な話してごめんなさい。』と謝った。
293 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:14:41.27 ID:lgHm5YHH0
彼の返事は予想外だった。
『俺にもその人会わせてくれ。
俺にも女友達ぐらいおるし、きにせんでいいよ。
一回3人で今度会おう。それで俺も納得したらそのままでいいやん。
俺がみてイヤだったら、その時はもう会わないでくれって言ってもいいかな?
一応俺、こう見えても人を見る目あるんぞ。
俺の彼女みたらわかるやろ?w』
そう言ってくれた。
この人もなんだか、健介に負けないくらい大きな人だなって思った。
そう言われたので、健介に電話をしてみた。
でも健介は会おうとはしなかったが、なんとか説得して3人で会うことになった。
294 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:16:46.59 ID:lgHm5YHH0
店で待ち合わせした。
健介があとから来た。
私と彼が向かい合う形で4人席に座っていたので、
『ゆみは向こうにすわらんと』って、彼の横に私を移動させて、
健介は彼の前に座った。
彼というのはめんどくさいので、憲二にします。
たまーに坂口憲二に似てるといわれることがあるのでwww
『はじめまして、健介といいます。』と頭を下げて挨拶をした。
彼も『憲二です。今日はきてくれてありがとう』と立ち上がって挨拶した。
なぜか、ここで二人握手。
男同士ってこんなんなんかな?
295 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:17:21.61 ID:lgHm5YHH0
話し弾まないかと思ったら、健介がハイテンションで聞いてきた。
『みんな同じ歳やけん、ここからタメ口でいこう。
んで、ゆみのどこがよかったん?どこが好きになったん?』とニヤニヤで憲二に聞いてた。
憲二はテレながら、なんとか答えてた。
健介『いいなーゆみ。彼氏男前やし。こんなにテレながら答えてくれようぜ。』
って、健介完全に遊んでたwww
296 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:18:19.62 ID:lgHm5YHH0
憲二『俺の事は気にしなくていいから、二人は今までどおり会いたいときに会ってくれ。』
健介『そんな事はいかんやろ。聞いてたと思うけど、ゆみは俺の事一応ずっと好きだったんだぞ。
何かの間違いがあったらどうする?』
憲二『俺はゆみ信用してるし、ゆみが大事な友達も信用してる。
もしゆみがやっぱり健介の事が好きだと言っても、それはそれで仕方ない。
何よりゆみが大事だと思ってる人は俺も大事だから。
だから、二人で会うのも別に俺に気を使わなくて今までどおりでよろしくな。
まあ、ゆみに対しては、健介に負ける気は俺はさらさらないしな。
とれるもんなら、とって見やがれw』
健介『いやいや、俺はもういいって。お前たち二人仲良くやれよ。
それよりもゆみ、お前の彼氏、なかなかいう事かっこいいなw』
ゆみ『まあねー。いい男みつけたやろw』
そんなやり取りがあって、一気に二人は打ち解けた。
297 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:18:56.34 ID:lgHm5YHH0
その後、健介の自分から告白したのは全滅で女の人にふられてばっかの話しとか、
憲二も空手やってて格闘技好きだったんで健介と盛り上がって、
誰が今最強の男なのかとか、高田信彦だとか、前田日明だとか・・・
マンガのはなしとか・・・
ものすごく盛り上がってた。
はっきり言って、私は、ほとんど会話に入れてなかった。
298 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:19:36.43 ID:lgHm5YHH0
でも、自分が好きな人達が、初めてあってこんなにも仲良くなってくれるのが
なんだかとってもうれしかった。
健介も憲二も、最初は私に気を使ってぎこちなかったんだけど、
途中からお互い本気で仲良くなってきたように見えて、
私はそれを見てるだけで満足だった。
多分、その時の私は、はたから見たらニヤニヤしていたと思うw
299 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:20:28.26 ID:lgHm5YHH0
これから、憲二とは順調に付き合っていった。
憲二が私の初めての人になった。
健介が私と二人きりで会うことは結局なかった。二人で会うのははやっぱり悪い気がするって断られたから。
けど、健介と憲二とはよく二人きりで遊んでたみたい。
憲二のうちと、健介のうちとお互いに行き来してたみたい。
そういうのもなんだかうれしかった。
いつも二人で何してるん?って聞くと、
マンガ読んだり、飯食ったり、ゲームしたり、プロレスのビデオ見たり・・・
べつになんもしてないなwwと憲二は笑ってた。
300 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:21:15.19 ID:lgHm5YHH0
『ゆみにはほんとに感謝してる。
つきあってくれてる事もだけど、あんなおもろいダチ連れてきてくれた事にww』
ってな感じで、憲二は健介が大分好きになってた様子だ。
いや、単純にダチとしてね。ソッチ系ではないよww
301 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:21:56.84 ID:lgHm5YHH0
その後、健介はこりもせずバイト先の女の子にあっさり振られたり、
私たちよりも一足早く社会人になってたりした。健介専門学校だったんで。
こいつは本当に、いいも悪いも相変わらずだった・・・・
3人で会う時は、いいかげん彼女作れよって健介を責めたけど、
なんかうまくいかん。まー焦る必要もないか。
と自分でいってた。
302 : ◆tC/7pKvQYc :2012/07/03(火) 11:22:49.79 ID:lgHm5YHH0
健介に2度ほど同じ大学の女の子を紹介した事がある。
けど、2回ともうまくいかなかった。
健介、憲二、私、女の子の4人で会ったけど、いつも健介と憲二が二人でエキサイトして
女たちは置いてけぼり・・って感じだった。
ほんとに気が合う二人だった。
憲二は普段はクールっていうか、どっちかというと無口なほうだったけど、
健介といる時は子供みたいにかなりテンションあがってた。
二人とも子供のまま大人になったんだろうなって思ってた。
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