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教室で盛大にゲロ吐いた

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感動系に置きましたが、2chで大反響を呼んだ高校時代の青春物語です。友情・愛情・感動等、色々な感情がでる物語です。
Part1
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 16:35:01.27 ID:EvwU9/xM0(45)
6月下旬、俺は3時間目の途中から気分が悪かった。
元々体は病弱なほうで昔からよく貧血になってたりして、
この日も嘔吐感が抑えられなくなって古文のじゅぎょうの最中
机の上に朝食べたフレンチトーストを含んだ吐しゃ物をはきだした。
隣の女子が「うわっ」 っていう声をあげてた。

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 16:45:39.87 ID:EvwU9/xM0(45)
教師が「大丈夫か?」って言いながらこちらに向かって来た。
教室がざわざわし始めて なんでか俺は「どうしよう」って何回も思ってた。
隣の女子をチラッと見るとかなり距離を取って避難してた。
なぜか冷静に「まあ そうするよな」 とか考えていた。
すると俺の背中をさすってくれる奴がいた。
顔も見ずにうつむいていたが俺には誰だかすぐにわかった。

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 16:51:52.14 ID:EvwU9/xM0(45)
そいつは俺を保健室につれていきながら「なんか飲むか」と聞いてきた。
俺が「ごめん・・。」 っていうと「ポカリとかがいいんかな」といいだした。
うちの保険医は病人が来るとめんどくさそうに対応する。
俺はそれが凄く嫌で、あまり気分が悪くなったりしても保健室にはいきたくなかった。
こいつはこの前も体育の途中俺を保健室につれていこうとして、
「保健室にはいかなくていい。ごめん。」と言った俺への配慮をしてくれたのか、
ポカリを買って自動販売機の横のベンチで一緒に座ってくれた。

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 16:58:53.40 ID:EvwU9/xM0(45)
「気分良くなったか」と、そいつが言った。
俺は「うん だいぶ・・。」と返した。
そいつの制服を見ると、俺の制服についてたゲロがかなり伝染してた。
「ごめん。 制服・・・。」
「ん。 あぁ。」
そいつはこびりついたゲロを見もせずに答えた。
こいつはいい奴だ。
でも俺達は友達でもなんでもなかった。
中学から一緒だけど世間話をした事すらない。
ただ、こいつは中学の時からこうだった。

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 17:09:34.56 ID:EvwU9/xM0(45)
こいつの名前は拳(仮)と言う。
中学2、3年同じクラスで、偶然通う高校も重なり、2年の今オナジクラスニナッタ。
俺は細身の色白で、典型的な目立たないクラスの端っこにいる感じ。もちろん体育の時間は鬱。
拳は長身で誰がどう見てもイケメンで、髪も短いがお洒落にしている。
運動神経は中学でも化け物クラスで群を抜いていてトップ、勉強もよく学校を休んでいたのにできる感じ。
ただ拳がちょっと違うのは、普通こういう男はクラスの中心人物でイケメングループに所属し、
まわりの人気者であるというのがお約束なのかもしれないが、こいつはほとんど一人だった。
かといっておとなしいキャラなわけではなく、中学2年の時こんな事件があった。


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 17:18:28.59 ID:EvwU9/xM0(45)
2年前の中学校での事、
休み時間にDQN(というか気が強い)生徒が、
女子での俺のポジションであるクラスの目立たない地味な女生徒の机に、
いきなり唾を吐きかけた。唾と言うより痰に近いほど巨大だった。
DQN生徒と一緒にいた2人もそいつもなにがおかしいのか爆笑。
その女子は「えっ・・」とか言いながら困ったようにそいつらを見る。
すると近くでみていた拳が歩み寄り、
いきなりそのDQNの髪の毛を掴んだ。
DQN「いっ・・・・・!! なっ えっ なんだよ!?」
拳はそのまま叩きつけるようにDQNの顔を唾のついた机に押し付ける。
取り巻きの2人は呆気にとられていた。

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 17:25:14.93 ID:EvwU9/xM0(45)
DQNはジタバタしていたが、拳の腕力が強いのか、どうにもならない。
座っていた女子は席を立ち少し怯えながら離れている。
少ししてKがパッと手を離し、DQNは跳ねるように上体をおこした。
DQNは「なにすんだコラ!!」とクラス中に聞こえる怒声を吐いた。
クラス中が拳とDQNに集中する。
拳は何事もなかったかのように
「あぁ・・・・・?」と言いながらDQNを睨みつけた。

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 17:32:35.40 ID:EvwU9/xM0(45)
DQNはなぜか目を逸らし
DQN「え・・・・? いや・・・。 なんで・・・ お・・・?」
とか訳のわからない事を言う。
拳はなにもいわずに、取り巻きの2人に顔を向け
「ティッシュ持ってるか」と言った。
2人はすこし焦りながら「もってねぇよ」とかえした。
拳は「んじゃきれいな雑巾持ってこい。」と言う。
2人は「はぁ?」 と顔をしかめる。
DQNは立ちつくしていた。

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 17:39:02.84 ID:EvwU9/xM0(45)
拳は不思議なやつだった。
クラスの中心である人間など目立たない奴をいじめたりしていても、
相手が男であれば腕力を使い、女であれは侮蔑の言葉を吐く。
やりかたが少しエグいので、
俺はそれを見て「クレイジーな奴だぜ」 とか思っていた。

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 17:49:21.51 ID:EvwU9/xM0(45)
例えばこんな話もある。
これも中学2年の時の話なんだが、ひょんな事から
クラスのオタ的存在Y田がT本の事が好きだという事が知れわたった。
T本は顔はいいのだが性格は悪く、DQNではないのだが俺はちかよりたくなかった。
Y田がなぜ好きになったのかはわからない。
ある日の自習時間。
それぞれに談笑する生徒の中で、俺はクラスで言うランクDグループで雑談していた。
Y田もその中の一人だった。
そして俺達Dグループのすぐ隣で、T本のグループの女子が談笑。
T本が何をはなしていたのか分からなかったが急に声を大きくして、
「Y田マジキモいし。 ホント死なないかな。」 と言いだした。
Y田は「えっ」 とか言いながらT本を見る。
すると「うわっ こっち見んなよ。 キモ。」と返される。
Y田はなんともいえない顔で顔をそむけた。
すると後ろの方でかすかに「くっはっはっは」という笑い声が聞こえた。

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 17:56:07.19 ID:EvwU9/xM0(45)
笑い声の主は拳だった。
拳は席から立ち、T本の方に歩いて行った。
T本は「えっ?」と言いながら拳を見る。
拳はT本を見下しながら「お前の方が気持ちわりーよw」と吐き捨て、
帰って行く途中に「鏡見てこいw」 とつぶやいた。
周りの女子は「何あの人!!」とかいっていた。
ただT本は目に涙をうかべていた。
俺はT本が一学期の時「拳ってかなりかっこよくない?」と言ってたのをしっている。

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 18:06:40.38 ID:EvwU9/xM0(45)
これも2年の時の話。
朝の朝礼の時なにやらざわついていた。
どうやら3年のフルDQNがあばれているらしかった。
野次馬に紛れてフルDQNは体育教師に掴まれ、ジタバタしていた。
朝礼が終わった後、教室に帰る途中またも怒声が聞こえてくる。
男の体格のいい教師3人がフルDQNをおさえている。
フルDQNはかなり体がでかく、中3にして180センチ以上あり、力も強そうな体格だ。
クラスのDQN男子がそれを近くで見ようと近寄っていく。
俺も少し遠くからみていた。
すると拳が野次馬の中から抜け出し、フルDQNと教師3人に向かって歩いていく。
教師A「?? おいっ ちょっ なんだ? どうした?」
教師Aが苦戦しながら取り押さえつつも拳に言う。
拳は無視してフルDQNの方を向いて言った。
「おい。」

120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 18:13:18.94 ID:EvwU9/xM0(45)
その後起こった事はよく見えなかった。
後でみていた奴に話を聞くと、
なにやら話した後にフルDQNが拳に掴みかかり、
拳は「お前がやったんかってきいてんだよ!!」と怒鳴ったらしい。
その後2人は教師に取り押さえられた。
基本目立つ事をあまりしない拳が大勢の前であんな事をしたのかはいまもわからない。

178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 18:31:19.48 ID:EvwU9/xM0(45)
3年になった時、俺は急にいじめられるようになった。
いじめられるというより、体育の時間にボールをぶつけられたり、
DQN男子にバスケの時にいきなりドロップキックされたり。
まぁ、いじめを受けた。
それが授業中にまで発展してしまった。
俺の後ろの席がDQN、DQNの横が拳といった席順だった。
授業中、DQNが俺の後頭部をシャーペンで「ちっちっちっちww」と言いながら
つついてきた。 というより刺してきた。
これが痛い。 俺は声は出さないながらも悶えていた。

194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 18:36:56.16 ID:EvwU9/xM0(45)
すると拳がDQNに向かって
「なぁ なにやってんの」 小声で言った。 
DQNが「あぁ?」と返すと、 拳は「まあいいわ。」と言った。
それから5分後、DQNはまた俺の後頭部を刺してきて、
俺が「ちょっ ホント痛いから」とか言おうと後ろを向こうとした瞬間
俺の目には信じられない光景が飛び込んできた。
拳がDQNを横から思いっきり椅子ごと蹴りとばした。
はじめの一歩風の画風で説明したいほど強烈な蹴りだった。
DQNは横に吹っ飛び、 逆隣の席の女子に当たった。
クラス中がその轟音にざわめき、 教師は拳に向かって小走りでちかづいた。
教師「なんでこんな事するんだ!?」
拳「・・・・・すいません。」
急遽授業はストップされ、拳は職員室につれていかれた。
昼休みに戻ってきた拳は、蹴ったDQNには目もくれずDQNがぶつかった女子に謝っていた。

237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 18:50:31.01 ID:EvwU9/xM0(45)
時は現在に戻り、ゲロ吐いた次の日。
俺は拳に話しかけた。
俺「あの・・・・ 制服洗ってかえすよ。」
拳「遅w」
俺「えっ」
拳「もう洗った。」
俺「あ・・・・。」
拳「気にすんなゲロ男。」
俺は拳あ鬱陶しそうにしているように見えた。
俺「あ・・・ごめん。」
拳「なにが?」
俺「いや・・・・まぁ・・・うん。」
拳「・・・・・w?」

272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 18:56:55.07 ID:EvwU9/xM0(45)
昨日ゲロを吐いたせいか、机はとてもゲロ臭い。
自分でも惚れ惚れするくらいの大量のゲロだった。第3波くらいまであったもの。
クラスの連中の反応はというと、なにもかわらない。
俺は元々空気のような存在で、中学の時と違ってDランクグループにも所属せず、
いつも一人だ。
机の匂いが取れれば、皆俺がゲロを吐いた事なんか忘れるに違いない。
そうおもっていた。

361 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 19:33:11.67 ID:EvwU9/xM0(45)
昼休み。拳が机を持って教室に現れた。
そして、俺の席まで持ってきた。
拳「とっかえろよ。」
俺「え・・・。」
拳「いや ゲロくせーだろそれ」
俺「え・・・どこから?」
拳「なにが。」
俺「いや・・・その机。」
拳「あー、なんちゃら教室ってとこに余ってたやつ。」
俺「あー・・。」
拳「はやく中身とっかえろよ。」
俺「あ、うん。 ありがとうございます。」
拳「敬語w」

372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 19:45:33.93 ID:EvwU9/xM0(45)
この日初めて俺は拳とまともな会話をした。
俺「拳君って部活とかしないの?」
拳「しねーな。」
俺「中学の時とかはなんもしてなかったよね」
拳「そーだな。」
無口な奴だ。コミュニティ能力に乏しい俺には非常にツライ。
なんかよくわからん質問で俺がアッーみたいに思われてもアレなんで話しかけるのをやめた。
しばらく黙ってた後、拳が話しかけてきた。
拳「なぁ。」
俺「えっ!? はい?」
拳「名前なんつったっけ。」
俺「あっ、 俺。」
拳「悪い。」
俺「いや、 いいよいいよw あはは・・・。」

397 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:01:38.62 ID:EvwU9/xM0(45)
6時限目が終わって、教室に帰っている途中、2人の女子に話しかけられた。
U本「ねーねー」
俺「えっ」
U本「拳君と仲いいの?」
俺「いや・・・・。同じ中学で・・・。」
U本「へー。なんかあの子 いつも一人でいるよね。」
「あの子」という表現に ちょっと笑ってしまった。 キモ笑いで。
U本「友達とかいないのかな?」
俺「いや、中学の時からあんなんだったし・・。」
U本「そーなんだ。 でもかっこいいよね。」
I谷「結局?w」
U本「いいじゃん別に」
俺「あはは・・・・・。」
同じ独り身でもやっぱ見た目や身長の違いでもてるのか。
俺は鬱になったが拳のおかげでゲロ吐いたのに女子と話せた事を感謝した。


404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:08:25.27 ID:EvwU9/xM0(45)
U本「ねー 彼女とかいないのかな?」
俺「えっ・・・・。」
U本「拳君にだよ!?w」
俺「いや・・・わかってる・・・けど・・・w」
I谷「ww」
俺「でもまぁ、そういう話しないし・・。」
U本「聞いといてw」 ぽんぽん
女子に触れられてしまった。 当り前のように俺は一瞬でU本が好き(LOVE)になってしまう。
俺「あ・・・え〜、聞けたら。」
U本「なんかあの子話しかけるなオーラあるからさぁw」
俺「あ〜。そーだね。」
U本「頼むねっ。」

417 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:17:05.74 ID:EvwU9/xM0(45)
俺は帰りしなに、勇気を出して拳に話しかけた。
いや、勇気を出さないとあの空気とオーラに耐えられない。
俺「拳君 ちょっといいかな。」
拳「んー。」
俺「いや 聞きたい事があるんだけど。」
拳「なんだそれ。 何?」
俺「拳君って彼女とかいるの?」
拳「気持ちわるw」
俺「いやいや! 女子に聞いてくれって言われたから・・・。」
拳「あー・・・・。 いるっつっといて。」
俺「あ、わかった・・・・。」
拳「もういいか。」
俺「あ、うん。 ありがとう・・・。」
拳「おう おつかれ。」

421 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:29:28.25 ID:EvwU9/xM0(45)
これがきっかけでU本とお友達 あるいは相談相手にでもなろうもんなら
拳にはいくら感謝しても足りないなと思いながら眠りにつき、翌日。
俺「U本さん。」  U本「あっ おはよー。」
俺「あっごめん おはよー。」  U本「聞いといてくれた?」
俺「うん。 いるって。彼女。」
U本「あー、マジかー・・・・。いるよねー・・。」
俺「あっ でも 嘘かも。」
U本「えーなんで?」
俺「いや 聞いてくれって言われたって言ったら いるって言っといて〜って・・・嘘っぽかったから・・。」
U本「えっ あたしの名前だしたの!???」
俺「いやいや!! だしてないよ!!」
U本「あー・・・びびったーw 嘘でもそれって好きな人とかいるっぽいねー。」
俺「あー・・そうかも。」
U本「あっ そういえば一昨日大丈夫だった?」 俺「えっ。」
U本「吐いてたじゃん。」
俺「あー、 うん大丈夫。」
U本「拳君やさしいよね。 保健室つれていってくれたでしょ。」
俺「あっ そうだね・・・。」
俺はすぐに拳に話が切り替わったなと思って後でよく考えて落ち込んだ。

427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:37:35.78 ID:EvwU9/xM0(45)
昼休みに、俺はまた拳に話しかけた。
俺「拳君の彼女って違う学校の子?」
拳「彼女いねーけどなw」
俺「あっいないんだ。」
拳「いるって言ったんだろ。U本っていう奴に。」
俺「えっなんで知ってるの・・・かな?」
拳「さっき話しかけてきたから。 多分そうだろなっつってな。」
俺「あー・・・・。U本さん無理?w」
拳「いや そこそこ可愛いとは思うけどな。」
俺「あっそうなんだ・・・・。」
拳「お前あいつと仲いいんか?」
俺「いやっ 全然・・・。」
拳「そーか。 なんか悪いな。 俺のせいで使わされたんか。」

436 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:46:02.32 ID:EvwU9/xM0(45)
そういう事を俺と拳が話してる時に、U本が話しかけてきた。
U本「あ ごめん ちょっといい?」
俺「えっ?」
U本「あっ 拳君 ちょっといいかな?」
拳「俺?」
U本「あの ごめん あっち来てくれないかな。」
拳「ここじゃマズいんか?」
U本「ちょっとマズいかもw」
拳「・・・・・・。なんだそれw」
俺は拳はすごくナチュラルに女子と喋れるんだな。と思った。
拳とU本が教室を出て行った。
そして、10分くらいして、拳が帰って来た。

441 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 20:56:02.65 ID:EvwU9/xM0(45)
拳は鬱陶しそうな顔をして、席に戻った。
俺「なんだったの?」
拳「なんかよくわかんねーよ。」
俺「なんて言われたとか・・・聞いてもいい、ですか?」
拳「敬語やめろw なんか色々聞かれたわ。内容よく覚えてねーな。」
俺「あー、そうなんだ。」
といった話をしていると、U本も教室に戻ってきた。
なにかにこにこしながら嬉しそうに拳の方をチラッとみて、
グループの女に冷やかされながら輪に戻っていった。
拳「・・・・・w。 なんかあれだな。 悩みとかなさそうでいいよな。」
俺「えっ?」
拳「あいつら。」
俺「あー・・・そうだね。」
俺は拳とU本が話していた内容が気になってしょうがなかった。

454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 21:07:20.92 ID:EvwU9/xM0(45)
5時限目の休み時間、またU本が拳に寄っていっていた。
俺のU本への恋心は、どんどん薄くなっていく。拳も愛想はわるいがまんざらでもなさそうに相手している。
何を話しているかは分からないが。
U本は積極的なのか、はたまたイケメンパワーがそうさせるのかは分からないが、
俺もこれでお役御免、拳と話す事ももうほとんどないだろうなと思った。
俺は拳を遠目からみていた。
U本とI谷、プラス2人の女子と話しているのに至って冷静。
他の男子のように声を馬鹿みたいに出すこともないのに、たまに笑わせている。
仕草や表情もよく見ると意識してんじゃないのかと思うくらいかっこいいじゃねえか。くそ。
なるほど、そりゃモテるわ。 同じ孤独でも選んでそうなったか他に選択肢がなかったかでここまで違うとは。
と、鬱になった。

472 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 21:24:12.26 ID:EvwU9/xM0(45)
そういえば拳は高校になってからやけにおとなしい。
中学の頃はDQNがたくさんいたがうちの高校は真面目なったのが多い。
イケメンぶった派手なのは結構いるが。
だからいじめやいやがらせもなく拳のカンに障るやつがいないのだろうか。
とか考えていたら6時限目が終わり、拳が話し掛けてきた。
拳「ちょっといいか。」
俺「えっ なに?」
拳「休み時間とか お前と話したりしていいか。」
俺「えっなんで?」
拳「なんかこういうのって一々聞くもんじゃねえよなw」
俺「えっ まあ、そうだね ふひひっ」
拳「同じ中学だし、頼むわ。」
俺「あっいや、 全然!!いいけどw」
拳「頼むもんでもねえよなw わりいw」
俺「はっ へっ ふひひw!」
俺は拳が何を考えているかは分かっていた。
U本が執拗に話しかけてくるので、俺と仲よくして逃げようってハラなのだろう。
だが、それを口に出すと、「悪いな、なんか利用してるみたいで。」とか、
また申し訳なさそうな顔をするんだ。 こいつは。
間違いない!

493 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 21:37:41.27 ID:EvwU9/xM0(45)
拳に色々聞いてみた。
俺「拳君ってなんかスポーツやってたの?」
拳「なんかわけのわかんねーもんおっさんに教えられてたな。」
俺「えっ やっぱ格闘技?」
拳「そうだな、空手みたいな感じだった。」
この間とは違って自分の事をはぐらかさず少しだけ話してくれている。
自分から頼んで聞かれたことをはぐらかすのは失礼だとでも思ったのだろう。
俺「U本さん苦手なの?」
拳「いや、いい子なんじゃねえかな。」
俺「え、じゃあもっと話せばいいんじゃない?」
拳「ww そだなww。 まーいーじゃん。」
こうやって話してみると拳はとても話しやすい。イメージであった威圧感もなく、
話し方や内容にも嫌味がない。 なんか、こう、大人だ。
ただ、まっすぐ目を見てはなしかけてくる。基本目を見ずに話す俺にはくるしかった。

505 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 21:48:43.66 ID:EvwU9/xM0(45)
俺「空手みたいな格闘技って柔術?」
拳「いや、結構違うな。 まあほとんど空手だよ。」
俺「おじさんって道場の先生とか?」
拳「まー父ちゃんみたいなもん。」
俺「やっぱもてるんだね?」
拳「さーな。」
俺「放課後なにしてるの?」
拳「バイト。」
いつの間にか質問攻めになってしまっている。
拳は少し困った顔をしながらも多くを語らず返してくれる。
俺はU本に少し感謝をした。
お前のお陰で俺は孤独なメガネからイケメンでいい奴な友達がいるメガネにクラスチェンジ
で き た ん だ!

525 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:03:27.57 ID:EvwU9/xM0(45)
次の日の昼休み。俺と拳が飯をクッテイルとU本とT畑が話しかけてきた。
T畑は俺が見る限りではクラス1の美人だ。俺の下半身がキュンてなった。
U本「拳君っていっつもパンだよね。」
拳「んー。」
U本「今度お弁当つくってこようか?w」
積極的もここまで行くとイタイ気がしてきたが、これが現代っ子なのか。
拳「んじゃ俺はお前の弁当作ってやるよ。」
サラッと言いやがったこいつ!!鬱陶しいんじゃなかったのかよ!!
しかも「お前」とか言ってるし!! もう完全にカップルの(ry
俺は意味がわからんと思った。
U本「マジで!!? 拳君料理できるんだ!?」
拳「あっ、やっぱやめた。」
U本「えっ なにそれーw」
拳「俺パンでいいわ。」
U本が俺に「俺君にも作ってあげるよ。」と振らなかったのは
俺がお母さんの愛情たっぷりの弁当をタベテイタカラなんだな。
そうなんだな。

548 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:19:49.78 ID:EvwU9/xM0(45)
俺はT畑と初めて喋ってしまった。
T畑「俺君のお弁当お母さんが作ってるの?」
俺「あ、うん。」
T畑「へー。」
    終    了
拳は淡々としながらもU本とT畑を相手に喋りながらも、
たまに俺にふってきて、俺はキョドル。
そして拳はもうしわけなさそうな顔をする。
なんだか情けない気持ちになったものの、なんか学園生活って感じだ。
俺の好きなBzの「恋心」みたいな感じに実際なっていて、俺は大変満足した。

557 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:30:11.22 ID:EvwU9/xM0(45)
U本が俺も気になる事を振ってきた。
U本「拳君ってなんで誰とも話そうとしないの?」
俺「あっそういや中学の時からそうだったよね。」
やった。おそらく初めてナチュラルに会話に参加できた。
T畑「中学の時からなんだw」
T畑が俺を見ながら笑って聞いてくる。 ああ、かわいい。
拳「話そうとしないんじゃなくて話す相手いねーんだ。 友達いねーから。
  (俺)が相手してくれるだけ今はマシだけど。」
「相手してくれる」って言葉が、なんか妙に嬉しく、ほこらしかった。
U本「でも女子ははなしかけてくるでしょーw 一年の時はどうだったのw?」
拳「いや、同じ感じ。」
T畑「韻踏むなw」
拳「踏んでねーよw」
ここらあたりから、俺の拳の中学時代の武勇伝語り暴走が始まった。

584 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:41:44.94 ID:EvwU9/xM0(45)
俺「拳君ってなんで部活とかやらないの? 中学の時スポーツテストとか
  いつも一番だったのに。」
T畑「えっマジで!?」
拳「いや バイトとかな。」
U本「あ〜すっごいわかる。運動神経よさそうだよね〜。」
拳は困った顔をしていた。
俺「中学の時とか、いじめられてる奴とか助けたりしててさ。」
U本「えー!!マジでー!! すごいじゃん」
俺「でもそれで「お前助けたわけじゃねーよ。」みたいな感じがかっこよくて」
T畑「やるね拳君w」
拳「知らん。」
その時俺は会話の中心になっていた。言葉が珍しくスラスラでてきた。 拳はこういう話をされるのが嫌いなことは
なんとなくわかってたはずなのに。拳は困りつつも多少顔がひきつっていた。
でも俺がチラッと見ると、拳は何事もなかったかのように「ん?」って顔をしてくれるんだ。
俺が会話の中心になっていることを困りながらも喜んでくれているのかもしれない。

598 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 22:54:11.06 ID:EvwU9/xM0(45)
拳がようやく「U本って弁当自分で作ってんのか。」と切り出し、
ずっと拳の話のターンから脱出を試みた。
U本は初めて拳が自分に質問をしてきてくれたせいか、うれしそうに答えた。
U本「なに やっぱり作ってほしいの?w」
悪戯っぽい顔で拳に聞いた。 この女、やる。
拳「いや別に。」
拳も負けてはいない。
U本「ああそうw 自分で作ってるよ。 弟とか妹とかのも作らなきゃあいけなくてさあ」
拳「えっ 弟とか妹とかいんのか?」
なぜか拳が珍しく興味を示した。
U本「えっ、 うん。遠足の時とかだけね。」
拳「ほー。 ・・・・・偉いなっ。」
拳はすごくいい顔で言った。 なんかこう、男前だ。「偉いな」にも重みがある。
俺はU本の顔を見た。 女の顔になっている。 落ちた。
俺はと言うと、また会話から洩れだそうとしている。

611 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 23:00:58.80 ID:EvwU9/xM0(45)
そうこう話していると、U本が携帯を取りだした。
U本「あっ メアド教えてよ!俺君も!」
「俺君も!」 たしかにU本はそう言った。 やったぜ!
T畑「あっ あたしも。」
T畑さんとメアド交換っておまw   やったぜやったぜ!!
拳「あ、俺携帯もってねーや。」
拳・・・・お前・・・空気嫁よ・・・。 ホントは持ってんだろ?
俺はお前の携帯見たことあるんだよ!!
お前が乗り気じゃなかったら俺も交換できねーだろが!!
まあ、交換してもメールなんかこねーだろーがな!!!

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