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漫画家を目指した俺が崩壊するまでを粛々と語る

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昔々。ある所に、漫画家になることを夢見ているスレ主がいた…漫画家になるまでの険しい道のりや困難、そして苦痛が書かれています。漫画家を目指す人だけじゃなく夢を目指す人達全員、必見です
Part1
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 16:36:46.24 ID:dXi1bY/U0
全ての漫画家志望に捧ぐ

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 16:38:18.41 ID:JMdepAWT0
スペック

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 16:40:35.93 ID:dXi1bY/U0
スペック
男・フツメン
17歳まではごく普通の生活を送ってきた。
特に大それた短所も長所も無い感じ。
まさに「どこにでもいるようなごく普通の男」
人生の分岐点が訪れるのは17歳の夏。
進路希望表が配られた日のことだった。

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 16:43:52.49 ID:dXi1bY/U0
俺の高校は割と偏差値のいい高校だったが、
周囲の頭のよさに付いていくことに俺は限界を感じていた。
そこに俺の親友だった男に進路をどうするつもりかを相談してみた。
彼は「俺はミュージシャンになるぜ」と言った。
その迷い無き即答っぷりに…
俺はカッコイイと思った。

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 16:46:28.59 ID:dXi1bY/U0
「人生は一度きり、ならば好きなことを全力でやってみたい」
「退いて後悔するより、進んで後悔したい」
彼の口癖だったが、それまで何となくのレールに乗ってきた俺には新鮮な発想だった。
そして、俺も昔から大好きだった漫画家を真剣に目指すことを考え始めた。


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 16:53:11.98 ID:dXi1bY/U0
「漫画家になろうかな」と思ってから、成績が下がるまでの間は凄まじかった。
「漫画家に学歴は関係ない」というのが逃げの口実となり、
次の考査で一気に赤点連発。落第の一歩手前まで行きかけた。
高校をちゃんと卒業してから漫画を描き始めようと決めていたが、
あの成績では意味が無かったかも。
ともかく、高校は無事卒業できて、俺は漫画を見よう見真似で書き上げ、
S社に持ち込みに行った。

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:00:36.13 ID:dXi1bY/U0
S社で俺を受け持ってくれた編集さんは今振り返ると結構な敏腕編集だったのかもしれない。
一流少年誌の看板漫画の当時担当編集だった。
俺の原稿をとても字を追ってるとは思えないくらいのスピードで読み、
「君の原稿を読む義理は読者には無い」というようなことを言った。
俺は自信があったということもあり、その言葉一つ、その編集の厳しいテンションに
一気になえてしまった。
「金の卵がやってきた!これは即デビュー、次は連載用のネームを持ってきて」
くらいの反応を期待していたのだ。
今思うと本当に有り得ないことだけど、当時は本気でそうなると信じていた。
しかし、その時点ではまだ士気は折れていなかった。

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:00:41.81 ID:Ih9g91rE0
なんか夢のないバクマンみたいだな

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:04:53.03 ID:dXi1bY/U0
S社の編集の腕なのかもしれないが、けなされはしたけど俺の作品のいい所も挙げてくれて、
いい具合にやる気を促されたような気がした。
その作品は月例賞にまわされることになった。
発表日まで何も手につかないくらいにそわそわしたが、
結局「あと一歩」にも引っかからず落選。
これにも相当なショックを受けた。
今まで自信満々だったが、ここで初めて自分は天才ではないと思い知らされた。
そして、そんな中なんとか第二作目をかき上げ、同じ編集さんに見てもらうことになった。

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:10:22.02 ID:dXi1bY/U0
第二作目の持込のとき、その編集さんは1時間も遅刻した。
俺はいつ訪れるか分からない編集さんに失礼のないよう、
背筋を伸ばしたままで1時間待ち続けた。
一時間後訪れた編集さんは、大げさな仕草で事務的に謝罪し、
特に雑談も無く俺の原稿をめくり始めた。
相変わらずめくる速度が速い。
そして「これは賞に出しても絶対に引っかからないでしょう」と言った。
「え?」
「主人公にまったく感情移入できません。例えばここのvんヴぁいhbf」
そこから先はよく覚えていないが、とにかくこの作品は賞に出すことすら拒まれた。
2ヶ月掛けて仕上げた俺の第2作目は、預かってもらうことすら出来ずに
そのまま家へと持ち帰ることになったのだ。
帰りの電車の中、ものすごく惨めだった。
今のままではいけない!と思った。

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:15:02.47 ID:dXi1bY/U0
次の作品をかき上げるのには半年以上かかった。
バイトで生活費を稼ぐのも楽じゃなかったし、
原稿も今まで以上に丁寧に仕上げた。
ネットや本屋で技術を学び、透視法、ケズリなどの技術も織り込ませた。
すると明らかに今までと違う、かなりいい原稿に仕上がった。
ストーリーは「金色のガッシュ」の亜流みたいな感じになってしまったが、
少年誌らしい自分の漫画に満足だった。
意気揚々とS社にカムバック。同じ編集さんに見てもらうことになった。

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:20:10.38 ID:dXi1bY/U0
反応は良かった。
今活躍している作家陣の新人時代と比べても遜色ないよ…とまで言ってくれた。
「これは賞に出しましょう」とも言ってくれた。
やった!!!!と思った。
それから賞の結果が出るまでの一ヶ月間、本当に幸せだった。
どれくらいの賞がもらえるのかがかなり気になった。
ちなみに漫画の賞はどこも大体同じような名前で、
大賞→準大賞→入選→準入選→佳作→奨励賞→期待賞→もう一歩
という格付け。
佳作をとれればデビューレベルなので、俺はその佳作に何とか食い込めないものかと願った。
しかし、結果は…もう一歩にすら名前がなかった。

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:22:09.57 ID:zn7hps0jP
なかなかおもしろい
このストーリーで漫画描けば

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:22:31.02 ID:DBKRbCVV0
鳥山明の新人時代のボツ原稿は1年で500枚だったと
WIKI先生が言っていたぞ

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:25:06.87 ID:dXi1bY/U0
信じられなかった。
何かの間違いかとも100回くらい思った。
しかし確認の電話を入れられるほどの度胸もないため、
放心のまま一週間くらいを過ごした。
ここで俺は初めて将来に対して焦り始めた。
こんなニートに近いフリーターのような生活をしていて、
ものにならなかったらどうなるんだろう?
当然、こんな場合は我武者羅に漫画を描き続けるしかない。
でもクオリティを落とすわけにはいかないし、
やる気が加速につながらないのも作画のじれったいところだ。
結局バイトに追われながら次の作品が仕上がったのは8ヶ月以上も経ってからだった。

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:26:38.64 ID:+IgPRP2d0
どうゆう展開になるかwktk

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:28:31.72 ID:dXi1bY/U0
しかし、俺はS社には連絡を入れられずにいた。
編集さんが俺のことを覚えているはずもないだろうし、
いよいよとなるとこの8ヶ月分の結晶が砕かれるのが怖くなったのだ。
そして俺は、別の出版社A社に持ち込むことにした。
S社に比べるとかなり格が落ちてしまうが、俺はとにかく結果が欲しかった。

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:30:43.92 ID:P9bbnGj10
S社は分かるけどA社って何処だろう

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:32:48.05 ID:VpFbCIP+0
>>61
秋田じゃなイカ?

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:32:17.67 ID:+IgPRP2d0
A社ってあそこしかないだろ・・・
みつどもえのとこ


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:35:48.36 ID:cyq3ndM20
秋田書店て地元の本とか出すもんだと思ってたけど有名なの?

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:41:27.09 ID:iekbMx1F0
>>76
ブラックジャックとかバカボンとか言えば分かりますか

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:34:55.16 ID:dXi1bY/U0
A社の編集さんは恐ろしく優しかった。
志望雑誌のレベルを下げたこともあり、俺は初めてそこの賞で期待賞を獲った。
これは本当に嬉しかった。
受賞者は名前とカットが雑誌に掲載されるのだが、
その雑誌が発売される日は、近くのコンビニまで0時を回ってから、自分のカットをチェックしに行ったくらいだった。
その時点で俺の年齢は21歳。大学に行った奴らは3年生。
もうすぐ就職活動という時期。
順調に人生を歩き始める同級生。
この波にきちんと乗れれば、何とか彼らと肩を並べられるな…とか、
そういうことを思ってたのは今でも覚えている。
そして、それから先は一進一退の打ち合わせ。
ネーム段階から話し合いをして、賞に出すという時期が続いた。

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:39:53.25 ID:dXi1bY/U0
その時期は落ち込むこともあったが、やはり基本は楽しかった。
そして1年以上打ち合わせを繰り返した後、俺は終に佳作を獲ることに成功する。
人生最高の時だったと思う。
その報告を電話で受けた時には、喜びと安堵で涙が出そうになった。
これで俺の漫画人生は開ける!
次はいよいよ連載ネームを切れるんだ!
年は既に23歳になり、同い年の奴らは働き始めていたが、
何とか俺も社会人としてやっていけそうだ…と思った。
ここからが地獄の始まりだった。

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:45:09.11 ID:dXi1bY/U0
連載ネームを切る作業は楽しかった。
特に今まで書いたことのない第2話、第3話を描くのが新鮮だった。
読みきりではキャラ数を減らせと言われるのが普通だが、
連載ではそうはいかない。
逆に魅力的なキャラクターをどんどん出していかなければ、物語は広がっていかない。
今まで溜めた欲求を晴らすかのごとく、
暖めてきたネタの全てをネームに込めた。
この作業にも半年はかかったと思う。
担当編集を通り、次に編集長に見せられることになった。
編集長がokサインを出せば、晴れて俺も連載作家、漫画家になれる!!
しかし、結果はボツだった。

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:49:27.62 ID:dXi1bY/U0
「漫画家はデビューするまでは簡単。デビューしてからの方が遥かに難しい」
というのは、その時点で結構耳にしていた。
しかし俺自身自分の連載用ネームにはかなりの自信があった。
波に乗っていたということもあり、編集長も通すだろうと思ってた。
しかし結果は惨敗。
このネームを手直しするとかじゃなくて、完全に沈めて新しい何かを描けとの事だった。
「このストーリーを描くために漫画家を目指したんだ!」と思えるほどのネームが完全にボツになったショックも冷めぬうちに「新しい何か」
俺は頭を捻った。

96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 17:54:59.97 ID:dXi1bY/U0
新人にも旬というものがある。
近く行われた賞で授賞をした新人はやはり編集部からの注目度も高い。
記憶に新しいし、若さもある。
逆にくすぶり続けると、もうセンスが枯渇しているとか古いとか、
編集部内で飽きられてしまったりすることがあるそうだ。
俺が連載用ネームを切っている間にも、何人かの受賞者が生まれた。
俺は焦ってネームを切った。
しかし、俺が切れるネームは方向性が似ていて、そのネームは担当編集の時点でボツをくらった。
そんな中、俺と同じ時期に授賞した人の連載が決まった。

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:02:25.26 ID:dXi1bY/U0
俺は負けたと思った。
でも悔しさよりは焦りの方が勝っていたと思う。
この時点で24歳。
気分転換に久しぶりに同級生と飲みに行った。
同級生は社会人2年目で、仕事が段々と板についてきた。
高校も割とレベルの高い高校だったため、皆良いところに就職できたようだ。
ちょっと前まではひたすら皆で牛丼食べていたのに、
今や良さげな店で洋酒を飲むようになっていた。
未だに1500円の服を着ているのは俺だけだった。
「それで、お前の漫画いつ読ませてくれるの?」
と友人は言った。
何も言えなかった。
それから半年掛けて、2回目の連載用ネームを編集長に提出する。

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:05:10.49 ID:dXi1bY/U0
一週間から二週間は待たされただろうか。
担当編集から電話がかかってきた。
「俺君!あのネームだけどね、編集長ok出したよ!!」
マジか!!!???
遂にきた!!!!!

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:10:42.22 ID:HTOnBB9i0
>>107
おお!

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:06:18.97 ID:+IgPRP2d0
ktkr!!

116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:10:03.92 ID:dXi1bY/U0
やったぞ、遂に6年もの努力が実ったんだ。
もう25歳になるがおれはまだまだ若い!
これからだ!親父やお袋にも長いこと迷惑を掛けた。
親戚づきあいでも肩身の狭い思いをさせた。
友達に俺の授賞カットを自慢してくれた妹も、
これだけ俺がくすぶっていたんじゃ肩身が狭かったろうな。
これから挽回だ。
俺は仕事場はどこにするか、真剣に考え始め、
画材も大量に購入した。
そしてひたすら連載が決まるまでの間、先回りできそうな背景とかを書いたりして
連載開始日が伝えられるのを待った。

124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:14:01.84 ID:dXi1bY/U0
しかし、待てど暮らせど担当編集からの連絡はなかった。
一度連絡したが「もうちょっと待って」と言われ、
それから2週間〜3週間は連絡がなかった。
何度も連絡するのも気が引けるし、決まったら向こうから連絡がくるのは間違いないので
俺は「こういうものなのかな」と気長に待つことにした。
その間、お世話になった人に色々とメールとか電話をした。
皆「おめでとう」と言ってくれて、本当に心から喜んでくれた。
担当から連絡があったのは、更に2週間が経過した頃だった。

127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:15:31.32 ID:dXi1bY/U0
「待たせちゃって、ごめんね。あの話だけどね、やっぱりダメになった」
え?
頭が真っ白になった。

128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:15:41.15 ID:P9bbnGj10
どういう事だってばよ……

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:16:12.15 ID:DLWKYcXN0
ぎゃあああああああああああああああああああああ

132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:16:27.35 ID:lwU26ZWk0
なん・・・だと・・・

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:17:13.90 ID:3mg097VK0
わろたwwwwwwwwwwwwwwwwwww
わろた・・・

138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:19:11.38 ID:dXi1bY/U0
担当編集はその後、怒涛の謝罪か言い訳か事情を説明するかと思いきや
何も言わずにこちらの出方を待っていた。
完全に開き直っているような雰囲気が伝わってきた。
俺がどんなに何を言っても無駄だということがその態度で分かった。
俺は震える手で携帯電話を何とか持ち、「分かりました」とだけ言った。
ここでヤケになってはいけないと必死に言い聞かせ
「もう少し届きませんでしたね。今度はもっといいネームを書きます」と
担当編集に伝えた。向こうの反応は覚えていない。

149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:23:20.67 ID:dXi1bY/U0
「俺が漫画家になれないとは思わなかった」
…と一番最初に思った。
唐突に出てきた言葉だ。
そして次に両親のことが頭をよぎった。妹のことも。
何て言おう。友達には?
今まで大言壮語をかまし、平凡な人生なんてクソクラエとわめいていた俺は、
急にそのことが恥ずかしくなって、誰もいない部屋で丸くなった。
そして自分に残されたのは25歳・職歴なしという現実だけ。
完全に心が折れた。

151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:24:22.85 ID:kk4psTQt0
>>149
こりゃ俺も押入れで体育座りするわ

152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:24:31.08 ID:QfLO2S9PP
25歳職歴無しワロタwwwwwwww俺と同じwwwwwwwwww

161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:26:21.84 ID:lamLoDJG0
やっぱりこの世の中うまいことなんて行く人のほうが少ないんだな・・・。

162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:26:29.52 ID:I4LjHSLu0
人生を掛けるって、ギャンブルなんだな…

168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:27:13.62 ID:dXi1bY/U0
すっかり戦意を失った俺は今からでも普通の人生は送れないだろうかと模索した。
だが、高卒、職歴なしの25歳が働ける環境なんてブラックしかなかった。
そのブラックですら必死に頑張って雇ってくれるかどうか…というような状況だった。
いつか一発当てて夢の印税生活…。そんな夢は遂に夢として消えてしまうのか…?
そんな中一本の電話が届いた。

182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:32:02.13 ID:dXi1bY/U0
それは俺が7年間の漫画家志望生活を送ってきた中で出来た、数少ない漫画家志望友達だった。
「俺君さ、アシスタントやってみない?」
この一本の電話が俺を更なる破滅への道へといざなって行くことを俺はまだ知らなかった。
第2章アシスタント編へ
※遅くてすみません、思いつくまま書いてます。チラ裏と思ってのんびり見てやってください

185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:33:14.62 ID:5eAYbzj5P
>>182
ゴクリ…

188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:34:09.89 ID:+IgPRP2d0
アシスタント編wktk

200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:36:15.67 ID:dXi1bY/U0
その電話を受けたときに思い出した。
そういえば担当編集伝で編集長が漏らしていた不満点に、
俺の絵がとにかく未熟だと。
ストーリーに関しては及第点かもしれないが絵が…とのことだった。
もし俺の人生にこの先漫画界に、夢に、しがみつけるチャンスがあるというのなら、
もはやここしかない。
年齢的にも次の作品が最後のチャンスだ。
今のどうにも動けない状況を打破しなくては。
「やります」
俺はそう答えた。

209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:41:34.02 ID:dXi1bY/U0
アシスタントについてはやりたがる人とやりたがらない人の二通りがいる。
理由は様々だが、俺は後者だった。
眠れないという話は有名だし、安いし、キツイ、緊張もするし、
漫画界での上下関係に巻き込まれるのが嫌でもあった。
別の理由に「アシスタントもせずに漫画家になった」という人への憧れもあったのかもしれない。
だが、そんな風に努力を放棄したツケは確実に遅過ぎるタイミングで回ってきた。
今がギリギリ取り戻せる最後のチャンス。
現場は2時間近くかかる場所にあった。
緊張しながら俺は先生の家のチャイムを押した。

211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:43:59.47 ID:CAulSuFt0
文章の書き方やストーリーの進め方はそんなに悪くない
むしろスラスラと読みやすく切り方もうまい
単に絵が下手なんじゃないのと思いたい

220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:48:05.27 ID:zn7hps0jP
>>211
俺も思う…話の進め方は人をワクワクさせるツボを押さえてる
開き直ってこういうテンションで漫画描けばおもしろい物描けるかもよ

226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:50:03.81 ID:68j0bMqC0
>>211
確かに、文だけだがストーリーの進め方は上手いと思う

230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:52:45.19 ID:VfgGWoQK0
>>211
同感だ

222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:48:26.04 ID:dXi1bY/U0
「や〜どうもどうも」
T先生の風貌はかなりごつくて、漫画を書いている人とは無縁そうなビジュアルだった。
(※アルファベットは適当です)
先生の家には4人のアシスタントさんがいて、
Aさん・34歳・男・ヒゲが顔一周している。小太り。
Bさん・26歳・女・メガネで大人しそうに見えるけどすごく明るい
Cさん・26歳・男・痩せ型で有名大学出のインテリ
Dさん・33歳・男・でかくて茶髪。絵がすごい上手い
俺は5人目のレギュラーになった。

233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:54:44.54 ID:dXi1bY/U0
先生が明るいせいか、現場は健康的でのびのびとした雰囲気だった。
現場に入ってまず思ったことが
「絵うめええええええええ!!!!!!」ということだ。
漫画家を目指し始めて一番の衝撃だった。
信じられないくらい線が細く、空間の奥行きがすごかった。
トーンで表現される立体感も常軌を逸していた。
雑誌で見るのと生の原稿はこうもちがうのかと思った。
俺が今まで頑張って仕上げて悦に浸っていたものはなんだったんだ?
簡単な背景を書いてみて、と言われたので、
持てる力の全てを注ぎ込んで学校の絵を描いたが、
明らかに線の太さがAさんたちのものとは異なり、
幼稚園児が描いた様な酷い絵に仕上がってしまった。
先生は俺の絵を見て失笑した。
そして、誰にでも出来る簡単なベタという黒く塗りつぶすだけの作業が俺の仕事になった。

241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 18:59:01.59 ID:dXi1bY/U0
仕事が始まると誰も喋らなくなった。
明らかに空気が一変した。
俺も緊張感を持ってベタに集中する。
「×」印の付いた箇所を塗るだけの単純作業だったが、
「はみだしてはいけない」と思うとなかなか時間がかかる。
しばらくして別室から先生がアシ部屋に戻ってくる。
まだ一枚目のベタ作業に苦戦中の俺。
「え?どういうこと?なんでこんなに時間かかってるの?」
俺はドキリとした。

247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 19:02:47.51 ID:dXi1bY/U0
「おいC!」と先生は若干声を荒げて言った。
Cさん「はい」
先生「お前ちゃんと新人に時間に対する意識教えたの?こんなペースじゃ仕事にならないよ」
俺の作業が遅いせいでCさんが先生から怒られた。
Cさんは「俺君、もっと手早く…、でも丁寧にね」と俺に言った。
俺は「すみません」と謝った。
この時、既に俺はこの現場の違和感にうすうす気付いていた。

252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 19:06:33.21 ID:dXi1bY/U0
先生は豪快なルックスだったが、作業に関してはとてつもなく神経質だった。
ベタ一つにしてもはみ出しはもちろん、ヌリムラが許せず、塗り忘れにもかなり厳しかった。
そして一つ俺がミスをするごとにCさんが叱責された。
Cさんが叱責されるたびに現場には緊張が走った。
そんなことが初日のわずか一晩で何度も起きた。
段々と楽しい気分だったのが恐怖へと摩り替わっていった。

253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 19:07:00.39 ID:1ru5frz40
Cは完全に上原さんじゃねーかwwwwww

254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 19:08:08.53 ID:5tRzq9iK0
ブラックワロタwww

259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/11(土) 19:10:00.72 ID:+IgPRP2d0
Cかわいそうだな・・・ ってかブラックすぎワロタwwwwwww

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貧しくツラい環境の中でも健気に前向きに暮らす彼女と、その彼女を時には兄のように時には彼氏として温かく包み込むように支える主人公。次々におこる悲しい出来事を乗り越える度に2人の絆は深まっていき…、読んでいくと悲しくて、嬉しくて、涙が滲み出てくるお話しです。

クズの俺が父親になった話

結婚して子供が生まれても、働かずに遊び回り家にも帰らない、絵に描いたようなクズっぷりの>>1。しかし、ある日のこと、子供を保育園に迎えに行かなければならない事情を抱えるところから全てが始まる……。親と子とは何か? その本質を教えてくれるノンフィクション

今から何十年も開かずの間だった蔵を探索する

よくある実況スレかと思いきや、蔵からはとんでもない貴重なお宝が…!誠実な>>1と彼を巡る奇跡のような縁の数々。人の縁、運命、命について考えさせられ、思わず涙するスレです

妹の結婚が決まった

両親を亡くし、男手一つで妹を育て上げてきた兄。ついに妹が結婚し、一安心したところに突然義母から「元々妹なんて存在しなかったと思ってくれ」という連絡を受けてしまう。失意のどん底に居た兄を救う為、スレ民が立ち上がる!

急に色々気づいたら、死にたいって思った

積もり積もって七転び八起き◆3iQ.E2Pax2Ivがふと考えついたのが 「死にたい」 という気持ち。そんな中、一つのスレが唯一の光を導き出してくれた。書き込みしてくれる奥様方、なにより飼い猫のチャムちゃん。最後にはー‥七転び八起きとはまさにこのこと。

番外編「I Love World」

昨日、嫁の墓参りに行ってきた

>>1と亡き嫁、そして幼馴染みの優しい三角関係。周りの人々に支えられながら、家族は前に進む。

介護の仕事をしていた俺が精神崩壊した話

介護とは何か。人を支えるとは何か。支えられるとは何か。色々考えさせるスレでした。

過去の自分に一通だけメールを送れるとしたら

永遠に戻ってくれない時間。それでも、、