2chまとめサイトモバイル

魚男

Facebook Twitter LINE はてなブックマーク

ああ、夏が終わる前にすべての話を書いてしまいたい。
もう書かないといった気がするが、そうして終わりたい。

俺色々ヤバイことしたし、ヤバイ所にも行ったんだけど
幸い、とり憑かれるなんてことはなかった。
一度だけ除けば。
大学1年の秋ごろ、サークルの仲間とこっくりさんをやった。
俺の下宿で。それも本格的なやつ。
俺にはサークルの先輩でオカルト道の師匠がいたのだが、彼が知って
いたやり方で、半紙に墨であいうえおを書くんだけど、その墨に参加者
のツバをまぜる。
あと、鳥居のそばに置く酒も2日前から縄を張って清めたやつ。
いつもは軽い気持ちでやるんだけど、師匠が入るだけで雰囲気が
違ってみんな神妙になっていた。
始めて10分くらいしてなんの前触れもなく部屋の壁から白い服の男が
でてきた。
青白い顔をして無表情なんだけど、説明しにくいが「魚」のような
顔だった。

俺は固まったが、他の連中は気付いていない。
こっくりさん こっくりさん
と続けていると、男はこっちをじっと見ていたがやがてまた壁に
消えていった。
消える前にメガネをずらして見てみたが、輪郭はぼやけなかった。
なんでそうなるのか知らないが、この世のものでないものは
裸眼、コンタクト関係ない見え方をする。
内心ドキドキしながらもこっくりさんは無事終了し、解散になった。
帰る間際に師匠に「あれ、なんですか」と聞いた。
俺に見えて師匠が見えてないなんてことはなかったから。
しかし「わからん」の一言だった。

その次の日から奇妙なことが俺の部屋で起こりはじめた。
ラップ音くらいなら耐えられたんだけど、怖いのは夜
ゲームとかしていて何の気もなく振りかえるとベットの
毛布が人の形に盛りあがっていることが何度もあった。
それを見てビクッとすると、すぐにすぅっと毛布はもとに戻る。
ほかには耳鳴りがして窓の外を見ると、だいたいあの魚男がスっと
通るところだったりした。

見えるだけならまだいいが、毛布が実際に動いているのは精神的に
きつかった。
もうゲッソリして師匠に泣きついた。
しかし師匠がいうには、あれは人の霊じゃないと。
人の霊なら何がしたいのか、何を思っているのか大体わかるが
あれはわからない。
単純な動物霊とも違う。
一体なんなのか、正体というと変な感じだがとにかくまったく
何もわからないそうだ。
時々そういうものがいるそうだが、絶対に近寄りたくないという。
頼りにしている師匠がそう言うのである。
こっちは生きた心地がしなかった。
こっくりさんで呼んでしまったとしか考えられないから、またやれば
なんとかなるかと思ったけど、「それはやめとけ」と師匠。
結局半月ほど悩まされた。
時々見える魚男はうらめしい感じでもなく、しいて言えば興味
本意のような悪意を感じたが、それもどうだかわからない。
人型の毛布もきつかったが、夜締めたドアの鍵が朝になると開いて
いるのも勘弁して欲しかった。

夜中ふと目が覚めると、暗闇の中でドアノブを握っていたことがあった。
自分で開けていたらしい。
これはもうノイローゼだと思って、部屋を引っ越そうと考えてた
時、師匠がふらっとやってきた。
3日ほど泊めろという。
その間、なぜか一度も魚男は出ず怪現象もなかった。
帰るとき「たぶんもう出ない」といわれた。
そしてやたらと溜息をつく。体が重そうだった。
何がどうなってるんですか、と聞くとしぶしぶ教えてくれた。

「○○山の隠れ道祖神っての、あるだろ」
結構有名な心霊スポットだった。かなりヤバイところらしい。
うなずくと、
「あれ、ぶっこわしてきた」
絶句した。
もっとヤバイのが憑いてる人が来たから魚男は消えたらしい。
半分やけくそ気味でついでに俺の問題を解決してくれたという。
なんでそんなもの壊したのかは教えてくれなかった。
師匠は「まあこっちはなんとかする」と言って力なく笑った。

怖い系の人気記事

本当に危ないところを見つけてしまった

スレタイの場所に行き知人が一人行方不明になってしまったHINA ◆PhwWyNAAxY。VIPPERに助けを求め名乗りでた◆tGLUbl280sだったが得体の知れないモノを見てから行方不明になってしまう。また、同様に名乗りでた区らしき市民 ◆34uqqSkMzsも怪しい集団を目撃する。釣りと真実が交差する物語。果たして物語の結末は・・・?

短編シリーズ

毒男の怖い話とか音楽とか雑談とか

音楽をお供に、上質な怪談を味わってみませんか?

百物語

師匠シリーズ

唯一の友達の性癖が理解できない。

唯一の友達に唾液を求められ、VIPPERに助けを求める>>1。しかし運が悪いことに安価は「今北産業」で、スレの存在を友達に知られてしまう。そして事は予想だにしなかった展開に…!!

守護霊「ゴルゴマタギ」

かのゴルゴそっくりなマタギの守護霊が憑いている友人を持つ報告者。そしてたびたび危機に巻き込まれるが、そのゴルゴよって救われる友人。愉快な心霊話に終わるかと思いきや、事態は予想外に大きくなっていき、そして…

屋根裏から変な音する。獣害に詳しいやつ来てくれ

いっそ獣害だった方が救いはあった。

笑い女

あなたは最近いつ人に笑われましたか?その声は耳に残ってはいませんか?居た。居た。居た。

卒業式で一人の女子生徒にギョッとした

記憶違い?勘違い?スレ内のやりとりで固まりかけた>1の結論。しかし>287の書き込みで再び謎がよみがえる。