サンジ×ロビン
【エロスの島から】ワンピース8【やって来た】
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12 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:02:45 ID:7jjnNler
『守ってあげたい』 サンジ×ロビン
麦藁の一味と行動を共にするようになって、ゆるやかな日々を送っていたある日。
小さな島に立ち寄った一行はそこで宿をとることとなり、買い物へと散り散りになった。
私は船に残っていたけれど、それを咎められぬくらいには 一味に馴染んできていた。
月の綺麗な夜更け。
私は独り、月を見ていた。
蒼白い光を放つそれは満月にはほんの少し足りなくて、不完全な模様を際立たせて輝いていた。
いつもなら満天の星空のはずなのに、仄白い雲に遮られて目につく光は数える程だったので
猶のこと月から目が離せずにいた。
「綺麗だね、月もあなたも」
いつの間にか戻ってきた船番のコックさんが、ゆらゆらと煙草の煙を燻らせながら話し掛けてきた。
「お上手ね」
苦笑まじりに言葉を返す。
「でも、そうね。あの月は綺麗だわ。泣きたくなるくらいに」
「こんな胸でよければ、お貸ししますけど?」
片方だけ覗いた碧い瞳が、悪戯っぽく覗き込む。
「ごめんなさい、お気持ちだけ頂いておくわ」
だって……。
「私、泣けない女なのよ」
13 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:03:39 ID:7jjnNler
ずっとひとりで生きてきた。
悔しくて情けなくて耐えきれずに零した涙なら、いくつかある。
この船に乗り込む前にも。
けれど月を眺めながら零れてくれる都合の良い涙など、私には無縁な代物だ。
自分の感情を抑えることに慣れてしまって、
知らず知らずのうちにそういった細やかな思いを面にだせなくなっていた。
抱かれることさえも生きてゆく術のひとつとなってゆき、欲望の捌け口としての仕打ちにも慣らされ、
私自身、駆け引きのためのカードとして扱うようにさえなっていた、そんな日常。
抱(いだ)かれて眠ったことなどなく、慰めを受けたこともない。
欲望と快楽だけの行為に流されて、抱き合うことの意味など知らずにいた。
心を押し殺す日々の中で、それは悔しさ故に流れるものだと、泣くことは負けることなのだと、
唇を噛み締めながら生きてきたように思う。
「可愛くないでしょう」
だからほおっておいて…と仄暗く揺れる波に目を遣って答える。
「そんなあなたが、とても可愛く思えるんだけどね」
気障な台詞をさらりと投げかけてきた。
きっとこの人は誰に対してもこういう風に接するのだろう。
過去を探るでもなく、同情めいた言葉を口にすることもなく、背中からそっと私を抱き寄せる。
「泣きたいと感じるだけでも、充分だよ」
耳元から忍びこんだ言葉は心の奥底をちりり、と締めつけた。
14 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:04:41 ID:7jjnNler
どうかしていたのだ、私は。
私よりも先に、他の女の名を零す男に身を委ねて、一体どうなるというのだろう。
気紛れの優しさに縋ってもしようがないというのに。
それでも ちくりと胸に刺さった棘に惹かれた私は、
どこまで本気なのかわからない男の、その抱きしめられた腕の中に沈み込んだ。
今宵限りでも構わないと、つまらない言い訳をしながら。
一度きりの抱擁だった。
もちろん涙をみせることもなく、その後の彼の態度も変わらない。
彼の航海士さんへの賛辞も相変わらずだ。
所詮そんなものなのだ。それでいいはずなのに。
年下の男の気紛れに、気を遣ってはいけないのだと思いながらも
柔らかな眼差しで話し掛けられると、つい胸がざわめいてしまう。
どうしてなのだろう。
彼に抱かれた時、自分を被っている全てのものが解かされてゆくような気がした。
耳元に流れ込む彼の甘い声は私の躰に染み入り、
掴まれた腰へ繰り返される抽挿は、私の心をゆらゆらと揺らした。
規則正しく繰り返される漣のような動きに、拒むことなく漂えたのは
彼の持つ温かさ故だと、そう思えた。
優しくされることに免疫のない私には、それだけで充分だった。
彼は優しい。全てを委ねてしまいたくなる。
けれど誰にでも優しくするから、それだけ私が離れてしまうのだ。
私に対する言動は、他の人に向かうものと然して変わらないのだ。
わかっている。わかってはいるのだけれど。
抑えても抑えても、ざわざわと押し寄せてくるこの感情を、
私はどうすればいいのだろう。
15 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:06:33 ID:7jjnNler
月を見ていた。蒼白い光はあの時ととてもよく似ていた。
「綺麗だね」
「そうね。泣きたくなるくらい」
隣に立つ男と覚えのある言葉を交わす。
髪に差し込まれた手に、くいっと引き寄せられて 彼の肩に頭を預けた。
彼に染み付いた煙草の香りが漂ってきて、私は大きくひとつ、息をついた。
ぽたりとシャツを滲ませた雫に、初めて自分が泣いていることに気がついた。
縋ることのできる人がいるから、泣けるのかもしれない。
髪を梳く指と肩の温もりに、こういうのも悪くないと感じていた。
彼の顔が近づいてくる。
顎に軽く手を添えられて、目を閉じる。
唇が目尻にそっと寄せられ、柔らかな舌がちろっと掠めていった。
「なにを泣いているのかな」
「わからないわ……。あなたの所為じゃないかしら」
「そりゃ光栄だね」
ふふっ、と笑いあって口づけた。
腕を首に絡め、唇を強く吸う。互いに舌を侵食し合い、引き込みあう。
甘やかな感触。絡めあった舌を伝って、混ざり合った唾液が流れ込む。
もう一度、蕩けたくて。
互いのシャツに手を掛け、もどかしげにボタンを外し合った。
肌蹴たシャツの間から覗いた胸板に唇を寄せる。
「駄目だよ、ロビンちゃん」
両肩を掴まれて、くいっと引き剥がされた。
「それじゃあ、見えない」
フロントのホックを外されたブラとともに、シャツを引き下げられる。
取り去ってくれればいいのに、肘下のあたりで後ろ手にくしゃくしゃと巻かれ、腕の自由が利かなくなった。
開放された胸が、彼の前に突き出されたように揺れている。
16 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:07:37 ID:7jjnNler
「美味そう」
にっこりと笑った彼は私の胸にそっと触れ、首にキスを落としながら軽く釘を刺す。
「能力を使うのはなし、だからね」
そう言って華を咲かせることを禁じた後、彼はその右の手のひらをゆっくりと動かした。
期待と羞恥で躰が火照ってゆくのがわかる。
触れられたその手の中で早まってゆく鼓動を気づかれたくなくて、私はすっと躰を落として跪いた。
少し膨らんだ彼のズボンのジッパーに顔を近づけ、舌をやる。
前歯で挟むとチキッと、少し嫌な音がした。
ぎくしゃくしながら、それを少しずつ下げてゆく。
開いた箇所へと舌を差し入れて。なかから僅かに覗いた布の隙間を探り、尚も舌を忍ばせる。
私の望むものは硬く舌を押し返し、布の中でとても窮屈そうに押し遣られていた。
「ねえ、やっぱり手を使ってはいけない?」
「だめ」
「ずるいわ、それじゃ外せない…」
くいくいっと彼の腰に巻かれたベルトの端を咥えて引っ張りながら、上目遣いに彼を見る。
「外してどうするのさ?」
意地悪だわ。そんなこと訊かなくとも判っているでしょうに。
恨めしげに見遣っても、知らぬ顔でいる。
「…ほしいのよ…」
眼を伏せて、ぽつりと零した。
「なにが?」
促すような眼差しを楽しげに投げかけられて、軽く睨んでしまう。
「酷いわ。どうしても言わせたいのね」
やんわりと見つめられて、観念した。
「……いいわ」
耳元にそっと彼の望む言葉を告げた。
「おっけー、喜んで♪」
単純な坊やは満面の笑みで、私を抱きしめた。
17 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:08:34 ID:7jjnNler
拘束を解かれて自由になった両手がベルトを捉える。
急く思いが金具の音を響かせる。
下着とともに一気に布を引き下げると、解放された肉棹が目の前に現れた。
「素敵だわ…」
いきいきと聳り立ったものに、思わず見惚れてしまった。
躊躇いがちにそっと手を添えながら、先端に唇を寄せ 優しくちゅっと吸い上げる。
軽く握った手の中でぴくりと動く彼の陰茎に、くるくると舌を纏わりつかせながら、
少しずつ喉奥へと含み進めてゆく。
棹を咥え窄めた唇を押し返す弾力。絡めた舌への引っ掛かり。それらをひとつずつ味わってゆく。
髪を掴まれることも無理やりに抑えつけられることもなく、
自らこの人が欲しいと感じ、その肉塊を口一杯に頬張った。
先だって彼から受けた分、私も彼を好くしてあげたい。
そんなふうに感じたことも初めてだった。
根元まで含んだまま、舌先を遊ばせる。
「…んふっ…ぅっく……」
溢れそうになる唾液を啜る。中には彼から滲みでたものが微かに混じっている。
喉奥を鳴らしながら、ひたすらに彼をしゃぶり続けた。
含んだ肉茎が膨張し、熱くなってゆく。
「くっ……ごめっ、ロビンちゃん」
彼が低く呻くと、軽く震えたそこから生暖かい粘液が流れ込んだ。
「ぐぅっ!」
喉元に注ぎ込まれたものを、躊躇いなく飲みくだす。
「ぁあっ……」
掠れた声で息をつくと、背後にまわった彼にそっと抱きかかえられた。
18 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:09:53 ID:7jjnNler
「…大丈夫?」
「ん…」
「おいで」
腕を引かれてそのまま彼の腿に腰を下ろす。
「これは邪魔だよね」
そう言って、彼は私の半身を被っていた布を器用に下ろしてゆく。
しっとりと湿った最後の一枚が引き下げられると、微かな糸がすぅっと細く伝い光った。
「ふ〜ん…」
にやにやとしている彼を背に、顔が赤くなる。
「…ぃやっっ」
「かぁ〜わいい、ロビンちゃん♪」
歌うように囁き、耳朶を食む。
包み込むように後ろからまわされた手が、張りつめた胸と閉ざされた太腿の間に伸びてきた。
「んっ」
ふにふにと乳房を掴む柔らかな手の動き。その指が先端をつっと掠める度に、ぐっと息を呑む。
腿の間に捻じ込まれた彼の膝が少しずつ開いてゆき、自然と私の脚も拡げられる。
一度萎えてしまった肉茎が、私の下で硬さを取り戻してゆく。
しなやかな彼の指が私の股間に忍び込む。
陰唇を軽く撫でるだけの指先に、その先まで進んで欲しくて、腰が浮き上がってしまう。
どうしようもなく濡れているのが、自分でもわかる。
襞を割ってじわりと潜り込んでくる指。
クリトリスは触れられたくて じんじんと疼き、花芯は蜜が今にも溢れそうになっている。
愛液を絡ませ滑らせながら侵入してきた指が、くちゅくちゅと湿った音をたてながら掻き回す。
膣壁を擦る指先が敏感な場所を探りあて、執拗にそこを責めたてる。
「んんっ、くっ…」
声を上げそうになり、思わず唇を噛んだ。
くぐもった喘ぎ声が、喉の奥でぐうっっと鳴っている。
19 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:10:45 ID:7jjnNler
「声…」
「んっっ…な…に…?」
「抑えなくて、いい…」
何故? いつだって耐えてきたのに。
「構えないで…」
すとん、と腑に落ちた。
そうね。堪えなくとも良いのだわ。蕩け合いたいと望んだのは私……。
ぎゅっと瞑っていた眼をそっとあけて振り返ると、甘やかな眼差しがそこにあった。
ふっと余計な力が抜けて、彼の手を探ろうとしたとき、
開かれた花芯へと彼自身が押し入ってきた。
「あぅぅんっっ!」
ゆっくりと埋められてゆく肉茎。絡みつく肉襞。
彼でいっぱいになったあそこから、ちゅるりと湿った音がする。
「んあ、ぁあ…」
根元まで彼を咥えこんだそこは、奥へ奥へと取り込もうと蠢き、彼を締め付けていた。
「ほら、もういっぱいだ」
手を掴まれて、繋がっている部分へと導かれる。
陰茎を捻じ込まれいっぱいに拡がった花唇は、ふっくりと熱を帯び
突き刺さった幹の根元は、蜜を纏ってぬめっていた。
「んっ…ぃや…あぁっっ…」
溢れかえった蜜で滑った彼の指が肉芽を掠め、大きく腰が跳ねた。
瞬間、彼を強く締め付ける。
「ああっっ、だめぇぇっ!」
彼を捉えたまま、私は声にならない想いを叫ぶ。
私を望んで欲しい。今は私だけのもの。私だけを見ていて……。
20 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:11:39 ID:7jjnNler
「あうっ、ん…ねぇっ、触っ…て…」
彼の上で揺れながら、気がつくと私はその手首を押さえ、導き、ねだっていた。
「あっ、あんっ、もっ…と…」
くちくちと捏ねられ、押し潰される肉芽。
指先から与えられた痺れは漣のように躰中を畝り、子宮目指して押し寄せてくる。
そこに含まれた熱い幹を強く引き込み、飛沫へと変わる。
全てが溢れ出して、嬌声となって氾濫する。
「んっ…ぁあ、あ…。いっ、いいっっ! んんっっ……」
私は彼の腕の中で躰を弾ませ、喘ぎ続けた。
蕩けきった肉襞は彼に絡みつき、吸いついて離そうとしない。
突き上げられて躰が跳ねる度に覗く陰茎に、淫らな愛液がとろりと纏わり伝っている。
彼の動きが激しくなる。
全ての意識がそこに集中する。
「あっ、ああっ…、来てっっ! おねが…いぃっっ…!!」
強く、ぐんっと突き刺し貫かれ、躰が弓なりに大きく撓った。
逃げるように仰け反り震える私を、両腕でぎゅっと抱え押さえ込んだ彼から、迸り流れ込む熱い粘液。
奥深くに注ぎ込まれているそれを感じながら、彼に絡みついた花びらはまだ ひくひくと蠢いていた。
力なく倒れこんだ私の肩を抱え込み、彼はそっと髪を撫で梳く。
「あんまり月ばかりみているからさ」
掬いあげられた髪に寄せた唇が、小さく声を響かせた。
「そのうち引き寄せられて、ロビンちゃんが居なくなってしまうんじゃないかと不安になっちまうんだ」
剣士さんの国のお伽噺にあるお姫さまのようだと言う彼は、ほんの少し幼くみえた。
「…お馬鹿さんね。なぜそんな風に思うの」
月明かりに蒼ざめて見えるその頬に、そっと手を添えキスをした。
「私はここにいるわ」
そう私は答えたはずだった。
21 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:12:52 ID:7jjnNler
あれからいくつもの月をふたりで眺めた。
溢れる想いが零れてしまいそうな時は、いつも煙草の香りが傍にあった。
涙という媚薬を、包まれるという贅沢を、知ってしまった私。
凭れかかったその肩の心地よさを、支えてくれたその腕の強さを、
受け止められたその胸の暖かさを、私は決して忘れはしない。
耐えなくともよい涙を知ることができたことを、こんな風に涙を流せる自分と出会えたことを、
心から感謝しているの。
独りで見上げる今宵の月は、あの日のものとは異なるけれど
柔らかな光は同じように、優しく私へと降りそそぐ。
優しかったあの肩はもう、ここにはない。
崩れてしまった仄白い月の光は、私をどこへ誘(いざな)っていこうとしているのか。
月の輪郭が歪んでみえる。
あの時 抱きしめられて零した涙を、包まれた温もりを覚えているから
瞳を濡らすこの涙は、きっと意味のあるものなのだろう。
そして私は嘘を吐く。再び仮面を被ってみせる。
優しい人と、大切な仲間のために。
他にはなにもできなくてもいい。他になにも望まない。
誰かを想って流す涙の苦さも甘さも知ってしまったから
弱さを見せた分だけ、きっと私は強くなれる。
きっとあなたを守ってみせる。
― End ―
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12 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:02:45 ID:7jjnNler
『守ってあげたい』 サンジ×ロビン
麦藁の一味と行動を共にするようになって、ゆるやかな日々を送っていたある日。
小さな島に立ち寄った一行はそこで宿をとることとなり、買い物へと散り散りになった。
私は船に残っていたけれど、それを咎められぬくらいには 一味に馴染んできていた。
月の綺麗な夜更け。
私は独り、月を見ていた。
蒼白い光を放つそれは満月にはほんの少し足りなくて、不完全な模様を際立たせて輝いていた。
いつもなら満天の星空のはずなのに、仄白い雲に遮られて目につく光は数える程だったので
猶のこと月から目が離せずにいた。
「綺麗だね、月もあなたも」
いつの間にか戻ってきた船番のコックさんが、ゆらゆらと煙草の煙を燻らせながら話し掛けてきた。
「お上手ね」
苦笑まじりに言葉を返す。
「でも、そうね。あの月は綺麗だわ。泣きたくなるくらいに」
「こんな胸でよければ、お貸ししますけど?」
片方だけ覗いた碧い瞳が、悪戯っぽく覗き込む。
「ごめんなさい、お気持ちだけ頂いておくわ」
だって……。
「私、泣けない女なのよ」
13 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:03:39 ID:7jjnNler
ずっとひとりで生きてきた。
悔しくて情けなくて耐えきれずに零した涙なら、いくつかある。
この船に乗り込む前にも。
けれど月を眺めながら零れてくれる都合の良い涙など、私には無縁な代物だ。
自分の感情を抑えることに慣れてしまって、
知らず知らずのうちにそういった細やかな思いを面にだせなくなっていた。
抱かれることさえも生きてゆく術のひとつとなってゆき、欲望の捌け口としての仕打ちにも慣らされ、
私自身、駆け引きのためのカードとして扱うようにさえなっていた、そんな日常。
抱(いだ)かれて眠ったことなどなく、慰めを受けたこともない。
欲望と快楽だけの行為に流されて、抱き合うことの意味など知らずにいた。
心を押し殺す日々の中で、それは悔しさ故に流れるものだと、泣くことは負けることなのだと、
唇を噛み締めながら生きてきたように思う。
「可愛くないでしょう」
だからほおっておいて…と仄暗く揺れる波に目を遣って答える。
「そんなあなたが、とても可愛く思えるんだけどね」
気障な台詞をさらりと投げかけてきた。
きっとこの人は誰に対してもこういう風に接するのだろう。
過去を探るでもなく、同情めいた言葉を口にすることもなく、背中からそっと私を抱き寄せる。
「泣きたいと感じるだけでも、充分だよ」
耳元から忍びこんだ言葉は心の奥底をちりり、と締めつけた。
14 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:04:41 ID:7jjnNler
どうかしていたのだ、私は。
私よりも先に、他の女の名を零す男に身を委ねて、一体どうなるというのだろう。
気紛れの優しさに縋ってもしようがないというのに。
それでも ちくりと胸に刺さった棘に惹かれた私は、
どこまで本気なのかわからない男の、その抱きしめられた腕の中に沈み込んだ。
今宵限りでも構わないと、つまらない言い訳をしながら。
一度きりの抱擁だった。
もちろん涙をみせることもなく、その後の彼の態度も変わらない。
彼の航海士さんへの賛辞も相変わらずだ。
所詮そんなものなのだ。それでいいはずなのに。
年下の男の気紛れに、気を遣ってはいけないのだと思いながらも
柔らかな眼差しで話し掛けられると、つい胸がざわめいてしまう。
どうしてなのだろう。
彼に抱かれた時、自分を被っている全てのものが解かされてゆくような気がした。
耳元に流れ込む彼の甘い声は私の躰に染み入り、
掴まれた腰へ繰り返される抽挿は、私の心をゆらゆらと揺らした。
規則正しく繰り返される漣のような動きに、拒むことなく漂えたのは
彼の持つ温かさ故だと、そう思えた。
優しくされることに免疫のない私には、それだけで充分だった。
彼は優しい。全てを委ねてしまいたくなる。
けれど誰にでも優しくするから、それだけ私が離れてしまうのだ。
私に対する言動は、他の人に向かうものと然して変わらないのだ。
わかっている。わかってはいるのだけれど。
抑えても抑えても、ざわざわと押し寄せてくるこの感情を、
私はどうすればいいのだろう。
15 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:06:33 ID:7jjnNler
月を見ていた。蒼白い光はあの時ととてもよく似ていた。
「綺麗だね」
「そうね。泣きたくなるくらい」
隣に立つ男と覚えのある言葉を交わす。
髪に差し込まれた手に、くいっと引き寄せられて 彼の肩に頭を預けた。
彼に染み付いた煙草の香りが漂ってきて、私は大きくひとつ、息をついた。
ぽたりとシャツを滲ませた雫に、初めて自分が泣いていることに気がついた。
縋ることのできる人がいるから、泣けるのかもしれない。
髪を梳く指と肩の温もりに、こういうのも悪くないと感じていた。
彼の顔が近づいてくる。
顎に軽く手を添えられて、目を閉じる。
唇が目尻にそっと寄せられ、柔らかな舌がちろっと掠めていった。
「なにを泣いているのかな」
「わからないわ……。あなたの所為じゃないかしら」
「そりゃ光栄だね」
ふふっ、と笑いあって口づけた。
腕を首に絡め、唇を強く吸う。互いに舌を侵食し合い、引き込みあう。
甘やかな感触。絡めあった舌を伝って、混ざり合った唾液が流れ込む。
もう一度、蕩けたくて。
互いのシャツに手を掛け、もどかしげにボタンを外し合った。
肌蹴たシャツの間から覗いた胸板に唇を寄せる。
「駄目だよ、ロビンちゃん」
両肩を掴まれて、くいっと引き剥がされた。
「それじゃあ、見えない」
フロントのホックを外されたブラとともに、シャツを引き下げられる。
取り去ってくれればいいのに、肘下のあたりで後ろ手にくしゃくしゃと巻かれ、腕の自由が利かなくなった。
開放された胸が、彼の前に突き出されたように揺れている。
16 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:07:37 ID:7jjnNler
「美味そう」
にっこりと笑った彼は私の胸にそっと触れ、首にキスを落としながら軽く釘を刺す。
「能力を使うのはなし、だからね」
そう言って華を咲かせることを禁じた後、彼はその右の手のひらをゆっくりと動かした。
期待と羞恥で躰が火照ってゆくのがわかる。
触れられたその手の中で早まってゆく鼓動を気づかれたくなくて、私はすっと躰を落として跪いた。
少し膨らんだ彼のズボンのジッパーに顔を近づけ、舌をやる。
前歯で挟むとチキッと、少し嫌な音がした。
ぎくしゃくしながら、それを少しずつ下げてゆく。
開いた箇所へと舌を差し入れて。なかから僅かに覗いた布の隙間を探り、尚も舌を忍ばせる。
私の望むものは硬く舌を押し返し、布の中でとても窮屈そうに押し遣られていた。
「ねえ、やっぱり手を使ってはいけない?」
「だめ」
「ずるいわ、それじゃ外せない…」
くいくいっと彼の腰に巻かれたベルトの端を咥えて引っ張りながら、上目遣いに彼を見る。
「外してどうするのさ?」
意地悪だわ。そんなこと訊かなくとも判っているでしょうに。
恨めしげに見遣っても、知らぬ顔でいる。
「…ほしいのよ…」
眼を伏せて、ぽつりと零した。
「なにが?」
促すような眼差しを楽しげに投げかけられて、軽く睨んでしまう。
「酷いわ。どうしても言わせたいのね」
やんわりと見つめられて、観念した。
「……いいわ」
耳元にそっと彼の望む言葉を告げた。
「おっけー、喜んで♪」
単純な坊やは満面の笑みで、私を抱きしめた。
17 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:08:34 ID:7jjnNler
拘束を解かれて自由になった両手がベルトを捉える。
急く思いが金具の音を響かせる。
下着とともに一気に布を引き下げると、解放された肉棹が目の前に現れた。
「素敵だわ…」
いきいきと聳り立ったものに、思わず見惚れてしまった。
躊躇いがちにそっと手を添えながら、先端に唇を寄せ 優しくちゅっと吸い上げる。
軽く握った手の中でぴくりと動く彼の陰茎に、くるくると舌を纏わりつかせながら、
少しずつ喉奥へと含み進めてゆく。
棹を咥え窄めた唇を押し返す弾力。絡めた舌への引っ掛かり。それらをひとつずつ味わってゆく。
髪を掴まれることも無理やりに抑えつけられることもなく、
自らこの人が欲しいと感じ、その肉塊を口一杯に頬張った。
先だって彼から受けた分、私も彼を好くしてあげたい。
そんなふうに感じたことも初めてだった。
根元まで含んだまま、舌先を遊ばせる。
「…んふっ…ぅっく……」
溢れそうになる唾液を啜る。中には彼から滲みでたものが微かに混じっている。
喉奥を鳴らしながら、ひたすらに彼をしゃぶり続けた。
含んだ肉茎が膨張し、熱くなってゆく。
「くっ……ごめっ、ロビンちゃん」
彼が低く呻くと、軽く震えたそこから生暖かい粘液が流れ込んだ。
「ぐぅっ!」
喉元に注ぎ込まれたものを、躊躇いなく飲みくだす。
「ぁあっ……」
掠れた声で息をつくと、背後にまわった彼にそっと抱きかかえられた。
18 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:09:53 ID:7jjnNler
「…大丈夫?」
「ん…」
「おいで」
腕を引かれてそのまま彼の腿に腰を下ろす。
「これは邪魔だよね」
そう言って、彼は私の半身を被っていた布を器用に下ろしてゆく。
しっとりと湿った最後の一枚が引き下げられると、微かな糸がすぅっと細く伝い光った。
「ふ〜ん…」
にやにやとしている彼を背に、顔が赤くなる。
「…ぃやっっ」
「かぁ〜わいい、ロビンちゃん♪」
歌うように囁き、耳朶を食む。
包み込むように後ろからまわされた手が、張りつめた胸と閉ざされた太腿の間に伸びてきた。
「んっ」
ふにふにと乳房を掴む柔らかな手の動き。その指が先端をつっと掠める度に、ぐっと息を呑む。
腿の間に捻じ込まれた彼の膝が少しずつ開いてゆき、自然と私の脚も拡げられる。
一度萎えてしまった肉茎が、私の下で硬さを取り戻してゆく。
しなやかな彼の指が私の股間に忍び込む。
陰唇を軽く撫でるだけの指先に、その先まで進んで欲しくて、腰が浮き上がってしまう。
どうしようもなく濡れているのが、自分でもわかる。
襞を割ってじわりと潜り込んでくる指。
クリトリスは触れられたくて じんじんと疼き、花芯は蜜が今にも溢れそうになっている。
愛液を絡ませ滑らせながら侵入してきた指が、くちゅくちゅと湿った音をたてながら掻き回す。
膣壁を擦る指先が敏感な場所を探りあて、執拗にそこを責めたてる。
「んんっ、くっ…」
声を上げそうになり、思わず唇を噛んだ。
くぐもった喘ぎ声が、喉の奥でぐうっっと鳴っている。
19 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:10:45 ID:7jjnNler
「声…」
「んっっ…な…に…?」
「抑えなくて、いい…」
何故? いつだって耐えてきたのに。
「構えないで…」
すとん、と腑に落ちた。
そうね。堪えなくとも良いのだわ。蕩け合いたいと望んだのは私……。
ぎゅっと瞑っていた眼をそっとあけて振り返ると、甘やかな眼差しがそこにあった。
ふっと余計な力が抜けて、彼の手を探ろうとしたとき、
開かれた花芯へと彼自身が押し入ってきた。
「あぅぅんっっ!」
ゆっくりと埋められてゆく肉茎。絡みつく肉襞。
彼でいっぱいになったあそこから、ちゅるりと湿った音がする。
「んあ、ぁあ…」
根元まで彼を咥えこんだそこは、奥へ奥へと取り込もうと蠢き、彼を締め付けていた。
「ほら、もういっぱいだ」
手を掴まれて、繋がっている部分へと導かれる。
陰茎を捻じ込まれいっぱいに拡がった花唇は、ふっくりと熱を帯び
突き刺さった幹の根元は、蜜を纏ってぬめっていた。
「んっ…ぃや…あぁっっ…」
溢れかえった蜜で滑った彼の指が肉芽を掠め、大きく腰が跳ねた。
瞬間、彼を強く締め付ける。
「ああっっ、だめぇぇっ!」
彼を捉えたまま、私は声にならない想いを叫ぶ。
私を望んで欲しい。今は私だけのもの。私だけを見ていて……。
20 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:11:39 ID:7jjnNler
「あうっ、ん…ねぇっ、触っ…て…」
彼の上で揺れながら、気がつくと私はその手首を押さえ、導き、ねだっていた。
「あっ、あんっ、もっ…と…」
くちくちと捏ねられ、押し潰される肉芽。
指先から与えられた痺れは漣のように躰中を畝り、子宮目指して押し寄せてくる。
そこに含まれた熱い幹を強く引き込み、飛沫へと変わる。
全てが溢れ出して、嬌声となって氾濫する。
「んっ…ぁあ、あ…。いっ、いいっっ! んんっっ……」
私は彼の腕の中で躰を弾ませ、喘ぎ続けた。
蕩けきった肉襞は彼に絡みつき、吸いついて離そうとしない。
突き上げられて躰が跳ねる度に覗く陰茎に、淫らな愛液がとろりと纏わり伝っている。
彼の動きが激しくなる。
全ての意識がそこに集中する。
「あっ、ああっ…、来てっっ! おねが…いぃっっ…!!」
強く、ぐんっと突き刺し貫かれ、躰が弓なりに大きく撓った。
逃げるように仰け反り震える私を、両腕でぎゅっと抱え押さえ込んだ彼から、迸り流れ込む熱い粘液。
奥深くに注ぎ込まれているそれを感じながら、彼に絡みついた花びらはまだ ひくひくと蠢いていた。
力なく倒れこんだ私の肩を抱え込み、彼はそっと髪を撫で梳く。
「あんまり月ばかりみているからさ」
掬いあげられた髪に寄せた唇が、小さく声を響かせた。
「そのうち引き寄せられて、ロビンちゃんが居なくなってしまうんじゃないかと不安になっちまうんだ」
剣士さんの国のお伽噺にあるお姫さまのようだと言う彼は、ほんの少し幼くみえた。
「…お馬鹿さんね。なぜそんな風に思うの」
月明かりに蒼ざめて見えるその頬に、そっと手を添えキスをした。
「私はここにいるわ」
そう私は答えたはずだった。
21 :サンロビ@よむこ:2005/08/28(日) 01:12:52 ID:7jjnNler
あれからいくつもの月をふたりで眺めた。
溢れる想いが零れてしまいそうな時は、いつも煙草の香りが傍にあった。
涙という媚薬を、包まれるという贅沢を、知ってしまった私。
凭れかかったその肩の心地よさを、支えてくれたその腕の強さを、
受け止められたその胸の暖かさを、私は決して忘れはしない。
耐えなくともよい涙を知ることができたことを、こんな風に涙を流せる自分と出会えたことを、
心から感謝しているの。
独りで見上げる今宵の月は、あの日のものとは異なるけれど
柔らかな光は同じように、優しく私へと降りそそぐ。
優しかったあの肩はもう、ここにはない。
崩れてしまった仄白い月の光は、私をどこへ誘(いざな)っていこうとしているのか。
月の輪郭が歪んでみえる。
あの時 抱きしめられて零した涙を、包まれた温もりを覚えているから
瞳を濡らすこの涙は、きっと意味のあるものなのだろう。
そして私は嘘を吐く。再び仮面を被ってみせる。
優しい人と、大切な仲間のために。
他にはなにもできなくてもいい。他になにも望まない。
誰かを想って流す涙の苦さも甘さも知ってしまったから
弱さを見せた分だけ、きっと私は強くなれる。
きっとあなたを守ってみせる。
― End ―
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