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承太郎×ミドラー

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Part2
646 :承太郎×ミドラー:2010/12/21(火) 21:02:34 ID:085N1PiQ
「もうそこらへんにしとけ……くすぐったいのは嫌いなんでな」
「『くすぐったい』? ほんとにそれだけ? ここまでしてピクリともしないなんて17にして枯れ過ぎよ〜?」
ミドラーが悪戯っぽく承太郎の下腹部に手を伸ばすと、彼女の努力の成果である確かな手応えがあった。
「あまりなめた態度とるんじゃあねーぜ おれはやるといったらやる男だぜ」
「きゃー☆承太郎に襲われるぅー!!」
わざとらしく黄色い声を上げるミドラーを『星の白金』に持ち上げさせ、ベッドに放り投げた。
クイーンサイズのベッドは承太郎が上がっても十分に広く、糊のきいたシーツの手触りが心地よかった。
トレードマークの帽子はそのままに学ランを脱いだ承太郎の肩の星形のアザを目にした途端、ミドラーははっとした顔になった。
まるで以前別のところで見た事があるような反応だったが、当然承太郎には覚えがない。
「どうした」
「な……何でもないわ」
取り繕うさまを不審に思いながらも、承太郎はミドラーの首すじに唇を落とした。
ミドラーは愛撫を受けながら、おずおずと相手の逞しい首に腕を回し、星形のアザにその美しい指先で触れた。
「あんっ」
視線を下にやると、承太郎はミドラーご自慢の豊満な胸に顔を埋め、その大きな手で包み込んでいる。
(やっぱり男ってみんなおっぱいが好きなのねぇ……)
そう思いながらも、承太郎が興味を示してくれたのが嬉しく、ミドラーは承太郎の手に自分の手を重ね、愛撫を催促した。
湯上がりでしっとりしたもち肌は男の掌に吸い付くようで、むにゅ、と手の中で柔らかく変形してはまたすぐ元の形に戻った。
もちろん承太郎の手はただ単調に揉みしだくだけではなく、先程までバスタオルに隠れていた頂点も指先で捉える。
「きゃ……!」
いつも胸を見せびらかしているくせに、そこがミドラーの特に弱いところだった。
承太郎の指に触れられる前からつんと固くなっており、ずっと弄られたくてたまらなかったのだ。
指の腹で軽く押しつぶすようにされ、ミドラーは承太郎の身体の下で裸身をよじらせた。
ミドラーの肌が汗ばんで情欲の色に染まっていくのにつれて、色の薄いやや大きめの乳輪も花が色づくようにうっすらと染まり始めた。
特に言葉で嬲るような事はせず無言のままの承太郎は、手つきの淫靡さに比べて表情は心臓マッサージで救命処置を行う時のように、
この上なく真剣だった。
「だめっ、そこばっかり……!」
今日一日承太郎を振り回していた態度とはうってかわって、ミドラーは相手にされるがままになっていた。
仕事の都合で、身体を使って標的に接近するときは内心の退屈を堪えて媚態を作る事もあるが、本当に好いた男とベッドにいて
演技などできるはずもない。
ミドラーが承太郎の指戯に悶えて首を振るたびにシーツに広がった黒髪が波打ち、曲線模様を描いた。
ミルクがたっぷり詰まっているような乳房は絶えずぷるぷると揺れて弾み、執拗に責められている乳首の先までじんじんと熱い。

647 :承太郎×ミドラー:2010/12/21(火) 21:03:41 ID:085N1PiQ
「はぁ……あ……」
「辛いか」
「あんたこそ、おっぱいだけで満足しちゃったの?」
責められながらも、ミドラーは挑発的に微笑み、承太郎の指をむっちりした腿の間へと誘導する。
指先に濡れた感触が伝わり、承太郎はミドラーの意図を察して温かく潤った奥へと指を進ませた。
初めのうちは遠慮がちな指づかいでもぞもぞと輪郭をなぞっていたが、次第に指の動きは大胆になり、
ミドラーが自分で慰めるとき以上に的確にポイントを刺激してきた。
「ん、うふっ……上手よ」
特に、花園の中の固い小さな蕾を探り当ててからはそこばかりを嬲り、ミドラーがもう少しでイきそうになるとそれを勘付いたように
意地悪く指を止めてしまう。
「やぁ、もっと……じらさないで……」
全身に玉の汗を浮かばせ、腰を捩っておねだりをするミドラーを、承太郎は自分も欲情しているとは思えない冷静さで責め続けていた。
秘部から滴るほどの蜜はそのままミドラーの淫蕩さを示しており、承太郎にとっては汁気の多い果実の中をかき回しているようなもので、
探っている指がふやけてしまうほどだった。
「指、だめっ、ふあぁっーーー!!」
ミドラーは何も考えられなくなるほどの快感を堪えながら、真っ赤に茹だった顔を承太郎の裸の肩に埋め、すがりついてきた。
容赦のない指使いに美しい女刺客はあっけなく絶頂へ追い上げられ、小さく震えてベッドにくずおれた。
なおも続く余韻に悩ましく息をつきながら、自分にこんな痴態を演じさせた憎い男を潤んだ眼で見上げる。
「あたし、あんたの指だけでイかされちゃったわ……やってくれるわね」
年下の男の手ですっかり発情させられたミドラーは、気怠い身体に鞭打ってベッドに横たわった半身を起こした。
「あんた、誰にこんな技術教わったの……? 誰か年上の女? ひょっとして同じ学校の女教師とか?」
承太郎の手で同じように愛撫された女が他にいると思うと悔しくて、ミドラーはわざと無粋な質問を投げかけた。
「今やりながら覚えてる最中だ、一回でも経験があるんならこんなに手間取ったりしてねーよ」
「……なんですって?」
「二度言う必要はないぜ」
一瞬耳を疑ったミドラーだったが、承太郎の淡々とした口調からは嘘やごまかしは感じられず、まだ女を知らないのを
特に恥じる事でもないと考えているようだった。
ミドラーはしばし戸惑ったような顔で相手の顔を見つめていたが、やがて押し倒すような勢いで承太郎の胸に飛び込み、
顔中にキスの雨を降らせた。
「承太郎ーーーッ! 好き好き好きっ! もう大好きッ!」
「おいおい、一体なんなんだ」
ミドラーは承太郎の初めての相手が自分だという喜びに有頂天になっていたが、承太郎はミドラーがいきなりハイになったわけが
わからなかった。
(それにしても、童貞って呼び方がこれほど似合わない男もいないわよね……まあもうすぐ失くなるんだけどね)
処女に拘る男を馬鹿みたいだと思っていたミドラーだが、今はそういう気持ちも分からないこともない。
常にクールで高潔な精神を持ち、どんな相手にも決して屈しないこの承太郎の最初の女になるのだと思うと、余計に目の前の男が
愛しく思えてきた。

648 :承太郎×ミドラー:2010/12/21(火) 21:04:33 ID:085N1PiQ
「あたしが上に乗ってもいい? あんた重いから潰されそうだわ」
「勝手にしな」
「うふふっ、そうだ、せっかくだからここ、じっくり見てみる?」
ミドラーは承太郎の腹の上に膝立ちになって腰を突き出し、ヘアの薄い恥丘の下の性器が奥までよく見えるよう、
自分の指で拡げてみせた。
「ほら、こうなってるのよ。 あんたがさっきたっぷり弄った大事なところ、よーく拝みなさい」
甘い蜜をたっぷり含んで桃色に濡れた花襞も、弄られて一回り育った蕾もあからさまに露出された、この上なく扇情的な姿に
流石の承太郎も目を見張った。
承太郎自身は焦らされていっそう角度が鋭くなり、まるで催促するように上に跨ったミドラーの尻を小突いた。
「あらっ、もう我慢できないのね……いいわよ」
この無言の訴えを聞いてやり、ミドラーは承太郎と合わせた視線を外さないまま、ゆっくりと真下にある直立した肉棒へと腰を沈めていった。
かなり立派なもので、熟練のミドラーでも少し圧迫感を覚えるほどだったが、抵抗なく収まった。
これ以上入らないところまで突き当たり、承太郎は呑み込まれていく間中ずっと詰めていた息をようやく吐いた。
「…………」
「どう? ご感想は」
面白そうに訊いてくるミドラーだったが、承太郎は何も言わなかった。
弾力ある肉の器に丸ごと根本まで包まれ、承太郎は初めて味わう感覚に、意志の強さを示す濃い眉をしかめ、唇を噛み締めている。
その表情に征服欲のようなものさえ感じ、淫奔なミドラーはいっそう情欲を燃やした。
「承太郎の、すごく硬いわ……初体験で緊張してるせいかしらね?」
口ではそう言ってからかいながらも、いかにもこの男らしいと思いながら、ミドラーは亀頭が抜け落ちる寸前まで腰をゆっくり上げて、
硬質な肉の根をもう一度奥までくわえ込んだ。
それだけの動作だったが、女体の奥に備わった細かな襞々に男根をくまなく舐め上げられるような感覚が走り、承太郎は低く呻いた。
「んんっ……んっ……」
ミドラーも硬い肉に奥を突かれ、軽く息をつめる。
熱い血の通った肉棒が滑るように出入りする感触に黒い瞳を潤ませ、耳まで桜色に染めて夢中で腰を使うミドラーの姿態を、
貪られながら承太郎は見上げていた。
小玉メロンのように張り切った二つの乳白色の膨らみが、身体の動きに合わせて魅惑的に揺れ、頂に色づく乳首は触られてもいないのに
さっきから勃ちっぱなしになっている。
承太郎のやや緑がかった澄んだ眼にその艶めかしい姿が映り、普段の明晰な思考を追いやっていく。
「はぁっ……ねえ、気持ちいい? もう出ちゃいそう?」
言葉でも煽られ、本能に火が点いたのか承太郎はおもむろにミドラーの腰を両手でがっしりと掴んで固定した。
自分のものでいっぱいに拡げられている結合部をまじまじと眺める。
すぐに見つけた蕾を指で捉え、あくまで優しい動きで、小さく円を描くように指の腹で転がした。

649 :承太郎×ミドラー:2010/12/21(火) 21:05:20 ID:085N1PiQ
「きゃあんっ!?」
「なるほど、ここを弄られてヒイヒイ言ってたわけか」
「こ、こんな時にそんなところ……ひあぁんっ!!」
不良のレッテルを貼られているが、知らない事を学ぶのは嫌いではない承太郎はこの機会を逃さず、先ほどの前戯で学習した内容を
ミドラーの肉体できっちりと復習していた。
ベッドに肘を突いて上体を起こし、繋がったままミドラーと向かい合った承太郎は女体を載せたままの腰をぐっと突き上げた。
「あっ! あ、んんっ!」
強靱な腰の突き上げは二度、三度と続き、ロデオのように上下に激しく揺らされてミドラーは舌を噛みそうになった。
ついさっきまで童貞だったとは思えない凶暴な肉根が、ミドラーの肉襞を奥の奥までこじ開け、子宮口に頭を擦り付けている。
体勢においても場数においてもミドラーの方が優位なはずだが、承太郎に圧倒され、まるで逆に犯されているようだった。
こんなに短時間で女の扱いを学習し、反撃に移る承太郎を改めて侮れない奴だと思ったが、それも一瞬だけで、ミドラーにとっては
今感じるものだけが全てだった。
激しい情交に全身を汗で光らせたミドラーの、真珠色の光沢を帯びた双乳が承太郎の身体に挟まれて柔らかくつぶれている。
貪欲な女刺客はさらに快感を得ようとその先端を承太郎の胸に擦り付け、小さいくせに敏感な突起から伝わる性感に濡れた声を上げ続けた。
「あ、あぁ、だめぇっ、奥にきてるぅっ……!」
もう昇り詰めつつあるミドラーは、承太郎にすがりついて甘く熟れた唇を押し付けた。
承太郎も拒まず、唇を受け入れて最後の一突きを送り込む。
上でも下でも深く重なったまま、ミドラーの締め付けに、若い肉は堪えきれないようにびくっ、びく、と大きく震え、
新鮮な精を惜しげもなく吐き出した。
胎内で熱い奔流が迸る感覚にミドラーは悩ましく眉を寄せた。
「はぁっ……すごい、いっぱいになっちゃう……」
射精が終わっても、しばらく二人は抱き合ったままで離れなかった。
身体から熱が引いても、承太郎と繋がったところだけがいつまでも熱く、ミドラーは満たされた表情でなんとも色っぽく溜め息をついた。
「承太郎、熱いのいっぱい出したわね……そんなに気持ちよかった?」
女の殺し屋にとって妊娠は最も避けたい事態であるが、ミドラーがあえてゴムの類を使わなかったのは、せっかくの初体験なのだから
承太郎に直接感じさせてやりたいと気遣ったからだった。
まったく余計なお節介だが、この悪女には珍しい事だった。
「だいぶ汗をかいたな」
「洗ってほしいの? バスルーム行く?」
ミドラーが思いついた悪戯を知る由もなく、承太郎は頷いた。

650 :承太郎×ミドラー:2010/12/21(火) 21:06:06 ID:085N1PiQ
「あ……ふあぁ……」
広々としたバスルームに、ほとんど吐息のような艶めかしい声が響いていた。
生まれたてのヴィーナスのように、裸身に泡だけをまとったミドラーは膝立ちで壁に寄りかかり、尻だけを突き出した
なんとも卑猥な格好で年下の男に後ろから責められていた。
膝の下にはバスマットが敷かれて痛くはないが、前に張り出した形のいい乳房はタイル壁にむにゅっと押し付けられ、窮屈そうに歪んでいる。
しかし全身が火照って仕方ないミドラーにはタイルの冷たさが心地よく、陶酔した表情をしていた。
暖色の灯りに照らされて艶々している桃尻を押さえつけ、承太郎の肉根が長いストロークで出入りしている。
抜ける寸前まで腰を引き、また深くまで突き込んでミドラーの複雑な内部を繰り返し味わっていた。
「あはぁっ」
ずんっ、と奥に突き当たったのを感じ、耳まで真っ赤に紅潮させたミドラーが蕩けた声を上げる。
全身に泡をまとって承太郎に抱きつき、直接身体を洗ってやろうとしたのだが気付けばこんな状況になっていた。
泡まみれの手で愛撫して、またその気にさせてしまったのが不味かったのかもしれない。
初めてのくせにすぐ二回戦だなんてさすが若いわね、と言う余裕ももうなかった。
感じ過ぎてとめどなく溢れるミドラーの蜜で濡れ、一層滑りが良くなった太い肉根が何の引っかかりもなくぬるぬると潜り込んでいく。
女の部分を残らず暴かれている事に我を忘れ、ミドラーは自分が童貞を頂いた相手に懇願した。
「承太郎っ、あんたのすごくいいわ……壊れちゃうぐらいに突いてぇ……!」
「やれやれ、こき使いやがって」
ミドラーの乱れぶりに呆れたような口調とは裏腹に、承太郎は貪欲な肉体へと力強く腰を打ち付け続けた。
「はんっ、あぁ、あんっ!」
貫かれるたびにミドラーは黒髪を振り乱し、海から上がった人魚のような肢体をのた打たせて淫らな踊りを演じた。
シャボンの香りの湯気に混じって漂う、むせ返りそうに甘ったるい女の匂いがいっそう濃くなったようだった。
一番感じるところを何度も擦り上げられ、たまらなくなったミドラーは訴えるように承太郎の名を呼んだ。
「承太郎っ、承太郎……あたし、また、いっちゃうっ……!」
ただ名前が口をついて出てくるだけで、それ以上の意味はなかったが、承太郎は呼びかけに応えるように、後ろから繋がったまま
ミドラーの華奢な身体が折れるほど強く抱き締めた。
その腕の中でミドラーの肢体が跳ね、淫蕩な器官が男の精を吸い尽くそうと締め上げてくる。
幾重にも重なった襞々に嬲られ、いかに強い意思をもってしても堪えようのない衝動が走り、熱くたぎっていた精を噴き上げた。

651 :承太郎×ミドラー:2010/12/21(火) 21:08:58 ID:085N1PiQ
翌朝、同ホテルのラウンジでミドラーと承太郎は朝食を摂っていた。
豊かな黒髪を結い上げたいつもの髪型に、今日は黒いドレスの深いスリットからガーターを覗かせ、まるでギャングの情婦のような格好で
ミドラーはコーヒーカップを口に運んでいる。
「ゆうべはわざわざベッドまで運んでくれたなんて……承太郎、優しいのね」
「風呂場に放っておくわけにもいかねーだろ」
朝から上機嫌で肌を艶々させているミドラーとは対照的に、承太郎はいつもと変わらない仏頂面だった。
こんな美女相手に童貞を捨てた翌朝ともなればもう少し舞い上がりそうなものだが、感情を表に出さない承太郎が
内心どう思っているかはミドラーにも分からなかった。
「しかし、寝言でDIOの名前を呼ばれるとは思わなかったぜ、あの野郎と間違われるとはな」
「えッ!? う、嘘よ!! そんなつもりじゃ……」
「ああ嘘だぜ」
「!!」
承太郎に一杯食わされたと知ったミドラーは、顔を真っ赤にして怒りだした。
「何よッもう! 乙女の純情を何だと思ってるの!! 承太郎のバカ! ドサンピン!」
「悪かったな」
「もっとまじめに謝れッ! クキィーッ!!」
憎らしいほど落ち着いた承太郎の顔を見て、こうなったら本当にあたしの手でぶっ殺してやろうかしら、とミドラーは思った。
昨夜ホテルに入る前と比べてずっと打ち解けた二人のやりとりは、周りからは(かなり風変わりな)カップルの痴話喧嘩と
思われているに違いない。
「……っていうか、あたしはDIO様を愛してはいたけど、死んだ男の事をいつまでも引きずったりしないわよ。
今更あんたに復讐して何になるって感じよね」
刺客として、というより女として徹底した現実主義のミドラーらしい考え方だった。
「むしろ危ないのは、DIO様に心底忠誠を誓っていたような奴らね……こんな風な」
何気なくカップを下げに来たウェイターの手に、ミドラーのスタンド『女教皇』が食らいついていた。
ウェイターが懐から出そうとして、取り落とした拳銃が音を立てて足下に落ちた。
弾丸を空中で摘み取る『星の白金』の前には銃など役には立たないが、不意打ちでの暗殺を狙ったのだろう。
ミドラーは悠々と脚を組み、椅子から立ち上がりもせずにその男を視線だけで射抜いた。

652 :承太郎×ミドラー:2010/12/21(火) 21:10:05 ID:085N1PiQ
「ミドラー、貴様……標的に寝返る気か!?」
「うるさいわね! あたしはいつもいい男のほうに付くのよ!」
清々しいほど自分勝手な言い分と共に、ウェイターに扮した刺客を『女教皇』の鋭い爪で血祭りに上げる。
日常から一気に修羅場へ変貌した店内を後にし、二人は『女教皇』が変化した黒塗りの車に飛び乗った。
「まったく、野暮な連中ばっかりで困るわ」
ミドラーは勢い良くアクセルを踏み、発車させた。
車に揺られながら、承太郎はゆうべ、ホリィに外泊すると連絡していなかった事を今になって思い出した。
「ああそうだ、忘れてたわ、はい承太郎……」
車を運転、もといスタンドを操縦しながらミドラーがこちらを向き、唇を突き出してきた。
その不可解な仕草に承太郎の思考は中断された。
「何のまねだ、ちゃんと前見て運転しろよ」
「おはようのキスよ、まだしてなかったでしょ?」
「…………やれやれだぜ」
どうやら彼女はジョースター一族が乗った乗り物は必ず大破するジンクスをDIOに聞かされていなかったらしい。
そうでなければ自分と同じ車に乗っていてこんなに注意散漫でいられるものか。
承太郎は運転手の甘い唇を味わう代わりに、煙草を一本くわえてスタープラチナに火をつけさせた。
朝一番の心地よい紫煙が肺に染み渡る。
それが気に入らない様子で、ミドラーは承太郎の唇を占領する煙草を強引に奪い取り、わき見運転も構わず今日はじめての口付けをした。
(End)

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