男「だって普通逆じゃない?主人が前でメイドとか使用人は後ろにいるもんだろ」
メイド「それ、いつの時代の常識ですか?」
男「いや、最近だけど」
メイド「ご主人様、もう使用人が後ろで控えているという時代は終わったのです」
男「どんな時代だよ」
63: 1:2012/3/2(金) 20:52:46 ID:x/WheDfGzA
中年「あれれ〜おじさん外しちゃった〜」
男「な、なんなんだよあんた!?」
中年「いいじゃないか、これからお互いのこt」
男「う、うわあああ!!」ダッ
中年「・・・逃がさないよ〜」スタスタ
男「はあ…はあ…!!」
男「くそっ!!わけわかんねーよ!!」
男「路地か!!一体どっちに…」
男「ええい、左だ!!」
タタタタタタタ
64: 1:2012/3/2(金) 20:57:32 ID:x/WheDfGzA
男「っ!?行き止まり!?」
男「どうする!!どうする!!」
男「相手はナイフを持ってる…こっちは学生鞄」
男「駄目元で振り回してみるか?案外当たるか…」
中年「鬼ごっこは終わりかな?」
男「!!」
中年「逃げられるとへこむな…おじさんはただ男君を捕まえたいだけなのに…」
男「誰だって逃げるわ!!」
中年「だから…」スラリ
男「!!」
中年「ほんの少しだけ、大人しくしててね」
男「や、やめろ…来るな」
中年「・・・」ジリジリ
男「来るなぁ!!」
バキッ!!
男「!!」
中年「いたっ!?」
65: 1:2012/3/2(金) 21:05:27 ID:x/WheDfGzA
メイド「遅れてしまい申し訳ありません、ご主人様」
男「・・・メイド?」
メイド「なんですか、人の顔を忘れ…あ」
メイド「変装、してましたね」
中年「ちょっと〜いきなり蹴るなんて非常識じゃないの?」
メイド「ナイフをちらつかせて脅す貴方に言われたくはありませんね」
男「・・・メイド、逃げろ」
メイド「ご主人様?」
男「俺が、隙を作るから…その内にお前だけでも逃げるんだ」
メイド「何をおっしゃってるのかよくわかりませんが」
男「相手はナイフを持ってるんだ!!さっきのはたまたま不意討ちが上手く入ったけど…勝てる筈がない!!」
男「だから…俺が…隙を作るから…」ガタガタ
メイド「・・・」
66: 1:2012/3/2(金) 21:08:55 ID:Wg71gy3ljY
メイド「ご主人様は馬鹿でいらっしゃいますか?」
男「な!?」
メイド「貴方は私のご主人様なんです、貴方に死なれたりしたら給料が無くなるどころかクビですよ」
男「ここにきて金の問題かよ…」
メイド「それに…私は貴方のメイドですし、貴方は私のご主人様です」
メイド「貴方はただ後ろで堂々としてればいいんです。貴方をお守りするのは」
メイド「このメイドの仕事ですから」
男「で、でも…」
メイド「面倒臭い人ですね、そんなに私が信じられませんか?」
男「・・・わかった」
67: 1:2012/3/2(金) 21:14:27 ID:x/WheDfGzA
中年「話終わったー?おじさん退屈だよ〜」
メイド「お待たせして申し訳ありません」
中年「メイドさん美人さんだけど…見られたからには生きて帰すわけにはいかな…」
ヒュン!!
中年「へ?」
メイド「私、こう見えても体術の心得がありまして」
メイド「次は…当てますよ?」
中年「は、はは、そんなば…」
ゲシッ!!
中年「げふぅ!!」
メイド「お立ちなさい、ご主人様を怖がらせた罪、こんなものじゃすみませんよ」
中年「ひ、ひぃ!!わ、悪かった、た、助けてくれ!!」
メイド「・・・」ニッコリ
中年「!!」
メイド「だが断る」
中年「うぎゃああああ!!」
68: 1:2012/3/2(金) 21:27:41 ID:x/WheDfGzA
メイド「もう終わりですか…意外に脆いですね」
男「いや…手加減してやれよ」
メイド「ナイフで脅されて腰をガタガタ震えてた人に言われたくはないですね」
男「全く…うおっ」ポスッ
メイド「どうなされました?」
男「腰…抜けた」
メイド「・・・」ヒョイ
男「な、何を!?」
メイド「見ればわかるじゃないですか、運んでるんです」
男「ひ、姫様抱っこはないだろ!!」
メイド「おんぶ抱っこが面倒なだけです」
69: 1:2012/3/2(金) 21:30:46 ID:Wg71gy3ljY
男「お、降ろしてくれ!!もう立てるから!!」
メイド「本当ですか?」
男「大丈夫だから!!」
メイド「・・・」
男「・・・」プルプル
メイド「生まれたての小鹿…」
男「うるせぇ!!」
メイド「わかりました」
メイド「・・・ご無事でよかったです」ボソッ
男「なんか言ったか?」
メイド「いいえ、何も」
70: 1:2012/3/2(金) 21:42:22 ID:Wg71gy3ljY
男「しっかし…全く気がつかなかったな…」
メイド「ご主人様を欺ける程度の変装能力ということですね」
男「いや…まあ、それもあるけど」
メイド「?」
男「普段のメイド服姿のお前を見慣れてるからさ、今の格好だと落ち着かないと言うか、緊張するというか」
メイド「・・・」
男「そいや、弁当旨かったよ、ご馳走さま」
メイド「喜んでいただけたなら光栄です」
メイド「・・・バレてましたか」
男「ん?」
メイド「何も、さあ屋敷に帰りましょう」
男「そうだな」
71: 1(投下終了):2012/3/3(土) 02:20:08 ID:1skTqWjWmM
〜〜〜屋敷〜〜〜
父「男君!!大丈夫!?無事!?怪我はない!?」
男「ああ、うん大丈夫」
父「ごめんね!!僕のせいで迷惑かけちゃって!!」
男「いや…大丈夫だって」
父「男君が疲れてるだろうから、寝室で休ませてあげて、警護には必ず三人くらいつけて」
メイド1「かしこまりました」
父「それからメイドさんは少し残ってくれる?」
メイド「かしこまりました」
父「男君…今日は色々あって疲れたと思うからゆっくり休んでね」
男「・・・わかった」
72: 1:2012/3/3(土) 16:01:40 ID:uAZokJ0pgM
メイド「お茶でございます」
父「ありがとう、ご苦労様メイドさん」
メイド「いえ、与えられた役割をこなしたまでですから」
父「・・・男君を狙う手口は相変わらずだな」
メイド「ご主人様を狙ったのは恐らく一般中年男性…金で雇った者かと」
父「資金が足りなかったのか?それとも…」
メイド「特定を困難にさせる狙いがあるかもしれません」
父「うん、その手の人を呼ぶ場合契約金は高いし、そんな事を出来る企業は数少ないからね」
メイド「特定を困難にさせるか、純粋に資金が足りなかったのか…」
父「いずれにせよ、男君の守りを固めないとね…」
73: 1:2012/3/3(土) 16:06:55 ID:uAZokJ0pgM
父「メイドさん、申し訳ないけど男君にくっついてあげてくれない?」
メイド「元よりそのつもりでございます」
父「・・・さて、ちょっと出掛けてくる」
メイド「一応確認しますが、どちらへ?」
父「ちょっとそこまで」
メイド「・・・かしこまりました」
バタン
メイド「・・・」
74: 1:2012/3/3(土) 16:11:21 ID:VdOxi.lFPU
メイド長「ちょっとそこまで…旦那様はお怒りのご様子ですね」
メイド「メイド長」
メイド長「まあ無理もないですわね…男様が狙われたのはこれで二度目ですし」
メイド「やはり、前回と同じ企業なんでしょうか」
メイド長「それはないですわね、旦那様が潰して国外追放になさいましたし」
メイド「・・・」
メイド長「メイド、男様の元に行ってください」
メイド「わかりました」
75: 1:2012/3/3(土) 16:14:28 ID:VdOxi.lFPU
〜〜〜男の寝室〜〜〜
男「・・・うーむ」
男「メイドにはかっこ悪い所見せちまったな…」
男「まあ、元来そんなに力は強い訳じゃないし、運動神経はそこそこある方だと自負してるけど」
男「俺も性別学上は雄なわけだし…女の子の影に隠れてるってのもな…」
コンコン
男「どうぞ?」
メイド「失礼します」
76: 1:2012/3/3(土) 16:22:32 ID:uAZokJ0pgM
男「なんだ、お前か」
メイド「そのわりには安心したような顔をしてらっしゃいますね」
男「そりゃあな、見知った顔なら安心するだろ」
メイド「そうですか」
男「父さんとは何を話したんだ?」
メイド「ご主人様の警護を固めてくれと、そして今日はご苦労と仰られました」
男「父さんは?」
メイド「・・・ちょっとそこまでだそうです」
男「そこまでってどこまでだよ」
メイド「ご主人様、明日は出来れば真っ直ぐお帰り頂きたいのですが」
男「そうだな…またいつ狙われるとも限らないし」
メイド「まあ、それもありますが」
男「?」
77: 1:2012/3/3(土) 16:25:14 ID:uAZokJ0pgM
メイド「私にとって…ご主人様のお側にいることが仕事で、ご主人様がお近くにいらっしゃらないと安心出来ませんので」
男「・・・」
メイド「・・・」
男「せめて無表情は止めろよ」
メイド「仕事上しょうがありません」
男「まあ…ありがとう」
メイド「いえ、それでは向かいの部屋で待機してますので、何かありましたらなんなりと」
バタン
男「・・・」
78: 1:2012/3/3(土) 16:28:20 ID:VdOxi.lFPU
男「側にいないと安心出来ない…か」
男「裏を返せば側にいると安心出来るって事だよな」
男「そんなこと言われたら普通なら大歓喜なんだろうけど…いかんせん無表情だからなぁ…」
男「でも美人だし…あいつはあいつのままでいいのかな…」
男「でも俺としてはもうちょい表情変わってもいいと思うんだがな…」
男「・・・寝よ」
79: 1:2012/3/3(土) 16:38:45 ID:uAZokJ0pgM
〜〜向かいの寝室〜〜
メイド「・・・」
メイド「人のいない所でそんな身悶えするような事を言わないでいただきたいですね…って、それは私もか」
メイド「いつからだろう…表情をあまり変えなくなったのは」
メイド「ご主人様に仕える事が決まって…当時六歳だっけな」
メイド「産まれたばかりのご主人様を一生懸命お世話しましたね…」
メイド「あの時は…笑えてたかな…」
80: 1:2012/3/3(土) 22:01:00 ID:Eck057iku.
メイド「でも…どんなに無表情と言われても、冷徹だと言われても…」
メイド「私は…ご主人様を守る」
メイド「それが今のベスト」
メイド「・・・ご主人様はお眠りになられたようですね」
メイド「少し…休みますか」
81: 1:2012/3/3(土) 22:04:22 ID:Eck057iku.
メイド「・・・」スースー
メイド「・・・気配」
メイド「何者ですか!!」
バタン!!
男「うおっ!?」
メイド「ご主人様!?」
男「おま…押さえつけるなよ」
メイド「も、申し訳ありません!!」
男「(あ、慌てた顔可愛いな)」
メイド「な、何か御用でしょうか?」
男「とりあえずこの体制なんとかしない?押し倒されてるみたいなんだけど…」
メイド「す、すいません!!」
82: 1:2012/3/3(土) 22:09:03 ID:rxns9WfAOs
メイド「それで…どういったご用件でしょうか?」
男「いや…珍しく朝なのにお前が起こしにこないから気になってな」
メイド「え?」
メイド「(っ!?もう朝!?)」
メイド「・・・メイド、失格ですね」
男「いや、そんな真剣に捉えるなよ」
メイド「そうは言われましても、私のミスのせいでご主人様が遅刻なさったら…」
男「今日は起きれたし、いいだろそれで」
メイド「しかし…」
男「人間なんだから誰だって失敗はある…完璧な奴なんていないんだ」
メイド「申し訳ありません」
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