男「だって普通逆じゃない?主人が前でメイドとか使用人は後ろにいるもんだろ」
メイド「それ、いつの時代の常識ですか?」
男「いや、最近だけど」
メイド「ご主人様、もう使用人が後ろで控えているという時代は終わったのです」
男「どんな時代だよ」
477: 1:2012/3/27(火) 12:48:42 ID:LOCAJgflOc
男「そういや、普段は従順?っていうのか?だけど、チェスになると鬼畜になるよな」
メイド「そうですかね」
男「絶対そうだって、お前がチェスやるときの顔って、獲物を追い詰める獣みたいだぜ?」
メイド「そんな顔しませんよ」
男「なんつーか、もうちょい優しくしてくれればな…」
メイド「優しく…」
メイド「なるほど、言葉責めですか」
男「なんでそういう結論に達しちゃったの!?」
メイド「だって優しくって…」
男「お前の中では厳しくは暴力が出るのか!?」
メイド「とりあえず蹴ります」
男「蹴んな!!」
478: 1:2012/3/27(火) 12:54:33 ID:LOCAJgflOc
男「あ、そういやお前やたら強いけどなんでだ?」
メイド「護身術をベースに様々な格闘技の足技を組み合わせた結果ですね」
メイド「女性が殴っても力というのはたかがしれてますし、寧ろ小柄で小回りがきく足技の方がかえって殺りやすいですし」
男「すっげぇ物騒な単語が聞こえたんだけど」
男「そっか…その割りには足綺麗だよな…」
メイド「・・・変態ですか?」
男「今の話の流れで!?」
メイド「いや…足綺麗とか、変態の極みじゃ…」
男「世の中には足フェチの人もいるんだよ!!」
メイド「じゃあ男さんは何フェチですか?」
男「俺!?・・・特にないな」
メイド「なるほど、女性ならなんでもいいと」
男「そういう意味じゃない」
479: 1 番外編:2012/3/27(火) 12:58:47 ID:LOCAJgflOc
男「なんか…お前変わったよな…」
メイド「立場を気にせず遠慮無く発言できますからね」
男「でも…うん、その方がお前らしくていいな」
メイド「っ!!」
メイド「本当…天然なんですから…」
男「なんか言ったか?」
メイド「なんでもありません」
480: 1 番外編:2012/3/27(火) 21:04:06 ID:qNUcx.7liA
男「しかし…急に手持ちぶさたになったな…」
メイド「チェ…」
男「・・・お前は俺を泣かせたいのか?」
メイド「(泣き顔を見るというのならば)上等です」
男「なにこの子怖い」
男「しかしなぁ…お前ってあんまり感情とかを表に出さないよなぁ」
メイド「そんなことありませんよ」
男「うーん…まあ、俺としてはお前の色んな一面を知っておきたいし…」
メイド「そういうものなんですか?」
男「そういうもんだ」
481: 1 番外編:2012/3/27(火) 22:18:36 ID:KiY5PTKIcc
メイド「・・・例えば、どんな状況ですか?」
男「(食いついた!?)えーと…まあ…色々だな」
メイド「だから、どんな」
男「うーん、プレゼントしたりとか、どっかに一緒に行ったりとか、後は二人っきりでしか見せないような顔とか」
メイド「・・・」
男「変に愛想振り撒くよりかはマシだけど、やっぱり笑顔を独占したいってのは、我が儘なのかな…」
メイド「少しだけ席を外します」
男「ん?わかった…」
バタン
482: 1 春休み:2012/3/27(火) 22:24:23 ID:KiY5PTKIcc
メイド「やっぱり無表情なのがあまりお好きではないみたいですね…」
メイド「でも…私は自分で自覚するくらい…表情が変わりませんし…」
メイド「男さんはいいと言っていますが…寂しいんでしょうか…」
メイド「・・・どうすれば」
母「お困りのようね」スッ
メイド「お母様!?」
母「全くもう…メイドちゃんったら可愛い悩みごとを抱えてるんだから…」
メイド「可愛くなんかありませんよ、結構死活問題です」
母「ふふ、果たしてそれはどうかしらね…」
メイド「?」
483: 1 春休み:2012/3/27(火) 22:29:50 ID:qNUcx.7liA
母「いらっしゃい、女同士話せる事もあるわよ」
メイド「ですが…」
母「・・・やっぱり似るものねぇ」
メイド「?」
母「私が昔おんなじ悩み事を抱えてたって言ったら聞く?」
メイド「!?」
母「結構昔の話だけどね、話す気になった?」
メイド「・・・はい」
484: 1 番外編:2012/3/27(火) 22:36:29 ID:qNUcx.7liA
母「とりあえず、どこから話しましょうか」
メイド「同じ悩み事を抱えてた事を」
母「ん…あれはねあの人と付き合い始めたばかりの頃だったわ」
母「当時の私は何事にも無関心でね…自分に関係なければどうでもいいと思ってたくらいなのよ」
メイド「今からは想像もつきませんね」
母「でしょ?そして大学を出て、たまたま入社した会社に偶然来たあの人に一目惚れされて…半ば強引にメアドと番号交換されて…」
メイド「随分と積極的なんですね」
母「もう本当にね、お出かけというなのデートは週一回、大変だったわ…」
485: 1 番外編:2012/3/27(火) 22:43:57 ID:IhahHQBcW2
母「最初はね、お得意のどうでもいいで済ませてたんだけど」
母「会う度にまるで犬のように喜んではしゃぐあの人を可愛く見えてきちゃってね」
母「それも好きになった要因だけど、一番はやっぱりあの人の表情の多才さね」
母「あの人、コロコロ表情が変わるのよ?」
母「普通の顔、怒った顔、はしゃぐ顔、喜んだ顔、嬉しそうな顔、泣きそうな顔、悲しそうな顔、ふて腐れてる顔」
母「見てて飽きなかったわね、でも最初はそれがコンプレックスだった」
母「自分に出来ない事を、あの人は平気でやってのける…羨ましいって」
メイド「・・・」
486: 1 番外編:2012/3/27(火) 22:49:31 ID:WM9IHNRxY2
母「一回だけあの人と大喧嘩しちゃった事があるの、理由はわかる?」
メイド「・・・感情が表に出なかったからですか?」
母「んー、半分正解ね」
母「あの人の知人の葬儀に参列したの、あの人ったらいい大人なのにオンオン泣いちゃって…恥ずかしかったわ」
母「ただ、案の定私は泣けなくて…面識ないから仕方ないって思うかもしれないけど表情を一切変えない鉄仮面ぶりに周りの人から変な目で見られちゃってね、妙な噂もたったわよ」
母「血も涙もない冷徹人間だーって、ふふ、おかしいでしょう?」
メイド「あまり他人事ではありませんね…それで?」
487: 1 番外編:2012/3/27(火) 22:54:25 ID:IhahHQBcW2
母「そしたらあの人が噂を流した人をグーで殴っちゃって…なんて言ったと思う?」
メイド「?」
母「僕の未来のお嫁さんに妙な噂流すな!!って」
母「思えばあの人が人に暴力を振るった数少ない事例ね…」
母「そんなこともあって、式場を追い出されたのよ、まあ当然ね」
母「そしたらあの人はごめんって私に謝ってきたの、ここから私の発言で喧嘩勃発」
メイド「・・・なんて?」
母「あの人の言ってる事は正しいから気にしなくていい、私には涙なんて無いのかもしれない…って」
488: 1 番外編:2012/3/27(火) 23:00:41 ID:IhahHQBcW2
母「あの人は大激怒、そんなこと言うなって!!凄い剣幕だったわ」
母「でも、私だってその時はどんな顔をしていいかわかんなくて…つい、あの人に強く言っちゃったのよね」
母「じゃあ、あの状況でどういう顔をすればいいのか教えてって」
母「あの人は静かに言ったわ、今でも覚えてる」
母「そんなの知らないよ、僕が決める事じゃなく君が決める事だ。僕は君が好きだから、君の全てが好きだから、無表情な所も、無関心な所も、自分をしっかり保ってる所も」
母「君は君のままでいてくれていいんだ、周りがなんと言おうと君は最高のお嫁さんなんだから…って」
母「まあ、この時はまだ結婚してないんだけどね…」
メイド「嫁宣言がしたかったんですよ、きっと」
母「可愛い顔して酷い事言うわね…」
489: 1 番外編:2012/3/27(火) 23:06:53 ID:WM9IHNRxY2
母「でも、そんなことがあった翌日でも気まずくなるどころかより一層なついてくるあの人についに根負け」
母「顔真っ赤にしながら指輪差し出して…結婚してください…」
母「ベタにも程かあったわね…でも、変に飾るよりはよっぽどあの人らしいわ…」
母「それから色々あって…貴女も知ってる通り、一度離婚して…またこの位置にいる」
母「居心地がいいのよ、他では味わえない安らぎって言うのかしら?」
メイド「・・・」
490: 1 番外編:2012/3/27(火) 23:14:51 ID:IhahHQBcW2
母「少しは参考になったかしら?」
メイド「一つだけいいですか?」
母「どうぞ?」
メイド「女としての視点と、母親としての視点からみて、私に足りない物はわかりますか?」
母「無いわね」
メイド「即答ですか」
母「だって、男を見れば一目瞭然よ」
メイド「男さんを?」
母「男はね、かなりの自己中で我が儘で見栄張りでどうしようもないくらい子供思考なのよ」
母「でも、最近は必ず貴女の事を気にかけてる…」
母「貴女をとても大切にしてるのね」
メイド「・・・」
母「そうねぇ…強いて言うならもっと甘えなさいな」
メイド「甘える?」
母「そう、頼ってあげて…男を」
491: 1 番外編:2012/3/27(火) 23:23:44 ID:WM9IHNRxY2
メイド「それはどういう…」
ガチャ
男「母さん、頼まれた本持ってき…メイド?」
メイド「男さん!?」
男「なんでいるんだ?」
メイド「それはこちらの台詞です!!どうして?」
男「母さんが急に本を読みたいとか言い出すから適当に見繕ってきたんだよ」
メイド「っ!?」クルッ
母「・・・」ニヤニヤ
母「さーて、私はすこし別の場所で読んでこようかしら〜」
男「なんだよ、持ってこさせた意味って…」
母「何か…言った?」
男「なんにも」
母「じゃあ、ごゆっくりぃ〜」
バタン
492: 1 番外編:2012/3/27(火) 23:29:10 ID:IhahHQBcW2
男「・・・」
メイド「・・・」
男「母さんと、なに話してたんだ?」
メイド「過去の出来事を」
男「過去?なんでまた…」
メイド「相談に乗っていただいてもらってました」
男「相談?」
メイド「はい」
男「なんで言ってくれなかったんだ、って言いたい所だが女の子にしかわからない事もあるし…しょうがねーか」
男「で、解決したのか?」
メイド「・・・もう少しです」
男「そっか…まあ、いつでも相談には乗るからさ、遠慮しないでいつでもいいからな?」
メイド「はい」
493: 1 番外編(投下終了):2012/3/27(火) 23:34:45 ID:IhahHQBcW2
メイド「あ、じゃあ…少しだけ頼っていいですか?」
男「おう」
メイド「抱いてください」
男「ぶふっ!?」
メイド「?」
男「おまっ!?もうちょい場所て時間をだなぁ!!」
メイド「どういう意味で取ったんですか?私はただ抱きしてめくれと言ったんですが」
男「ああ…そう」
メイド「やっぱり男さんは変態なんですね」
男「お前が誤解を招くような発言するからだろが!!」
メイド「ふふ、冗談です」
男「お、ようやく笑ったな…」
メイド「・・・あ」
男「やっぱりお前はお前らしくでいいや、下手に感情だすよりよっぽどいいし」
メイド「・・・」
男「おいで」スッ
メイド「・・・はい」
番外編 fin
494: 1 番外編:2012/3/28(水) 07:33:31 ID:lfTh.vEXUs
友「つまり、機会はこの日しかないわけなんだよ」
男「ふーん、あ、それダウト」
メイド「外れでございます」
男「またか…」
友「でな、やっぱりここは苦楽を共にしたお前に協力を仰ぎたい訳で」
男「へー、9」
メイド「ダウト」
男「・・・くそっ」
友「人の話聞いてる!?」
メイド「ちなみにこんな状況になったのは、数時間前の出来事でございます」
友「わかりやすいあらすじの導入ありがとうございますメイドさん」
495: 1 番外編:2012/3/28(水) 07:44:22 ID:EuhTDj6Ga6
〜〜〜数時間前〜〜〜
男「暇だな〜」
メイド「貴方は口を開けばそれですね」
男「だって…」
メイド「私だって…満足したいです…」
男「何か言ったか?」
メイド「なんでもありません」
男「・・・そういや、婚約してからまだキスもしてないな」
メイド「!!」ドキドキ
男「ま、そんな焦んなくてもいいか…」
メイド「・・・」
男「どうした?メイ…」
メイド「男さんのばかぁ!!」
男「なんで!?」
496: 1 番外編:2012/3/28(水) 07:52:50 ID:XwPswQ0f5w
メイド「だって…たった数日しか経ってないとはいえ…未だに手を繋ぐ、抱き締めるしかしてくれないじゃないですか!!」
男「いや…それは…」
メイド「こんな風に扱われたら…私には魅力が無いのかな…って、思いますよ…」
男「メイド…」
男「・・・ごめん」ギュ
メイド「・・・」
男「お前に魅力が無いわけでも、まして嫌いでも無いんだ…」
男「ただ…少しだけ怖いんだ…拒絶されたらどうしようって…」
メイド「男さん…」
メイド「大丈夫です、私は貴方になら何をされてもいいですから…」
男「メイド…」
メイド「男さん…」
友「リア充の空気を嗅ぎ付け俺乱入!!」バーン!!
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