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男「俺、影薄くね?」メイド「仕様です、ご主人様」
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1: :2012/2/28(火) 17:29:20 ID:zrmPsL1RCc
男「だって普通逆じゃない?主人が前でメイドとか使用人は後ろにいるもんだろ」

メイド「それ、いつの時代の常識ですか?」

男「いや、最近だけど」

メイド「ご主人様、もう使用人が後ろで控えているという時代は終わったのです」

男「どんな時代だよ」



367: :2012/3/22(木) 19:12:08 ID:upUyOZQyEI
社員「ところで、男君は菅野さんに何の御用かな?」

男「え?」

社員「ごめんね、立場上菅野さんは狙われやすいからさ、君なら大丈夫だろうけどね」

男「実は…投資の件で…」

社員「!!」

男「父が本格的に菅野さんに投資を決定したみたいで、契約書を持ってきて、確認の為に…」

社員「オーケイ、君のお父さんは英断をしたね」

男「菅野さんには俺も返しきれない恩がありますし、父も交流があったので」

社員「うんうん、義理堅いねぇ…」
368: :2012/3/22(木) 19:17:05 ID:upUyOZQyEI
男「・・・あれ?」

社員「どうしたんだい?」

男「あの扉…妙に硬そうな金属ですね」

社員「・・・ああ、あの部屋ね」

男「なんの部屋ですか?」

社員「うーん…言っていいのかな…まあ、君ならいいか」

社員「あまり大きな声では言えないんだけど…あの部屋には麻薬使用者が収監されているんだ」

男「麻薬使用者!?」

社員「しーっ!!声が大きいよ!!頼むよ…僕の首がかかってるんだから」

男「す、すいません」
369: :2012/3/22(木) 19:22:41 ID:a/MzvaxcXo
社員「まあ、麻薬っていうのは聞こえが悪いかな…」

社員「正確にはわが社が開発した薬で、一時的に筋肉が増長する作用を持つんだ」

社員「でも、急激な筋肉の増長で体に負担がかかるから、あまり大っぴらに使えなくてね…あの部屋に薬を飲ませて経過を観察してるんだ…」

男「それって…人体実験じゃ…」

社員「まあ、そうなるね…ここで聞いたことは誰にも言っちゃ駄目だよ?」

男「わかりま…」

ドゴーン!!

社員「!!」

男「今の音は!?」
370: :2012/3/22(木) 19:25:43 ID:upUyOZQyEI
社員「あの部屋から…侵入者か!!」

男「どういう事ですか!?」

社員「あの部屋は菅野さんの部屋に直結してて、侵入者が一番通りやすい通路なんだ」

男「つまり…番人」

社員「尋常じゃない筋肉増長した人だからね…守るのにはうってつけなのさ…」

男「じゃああの音は…」

社員「中で被験者と侵入者が戦ってるね…」
371: :2012/3/22(木) 19:29:08 ID:a/MzvaxcXo
男「鍵は!?」

社員「へ?」

男「あの部屋に入る為の鍵ですよ!!」

社員「こ、ここにあるけど…」チャラ

男「貸して下さい!!」

社員「入る気かい!?危険だよ、何かあったら…」

バチィ!!

社員「あ…ぐ…」ドサッ

男「すいません…でも迷ってる時間は無いんです!!」

男「メイド…今行くからな!!」

ゴゴゴゴゴ
372: :2012/3/22(木) 19:31:15 ID:upUyOZQyEI
男「なんだ・・・あれ」

「フシュー…」

男「に、人間じゃない…あれは化け物だ…」

メイド「う…く…」ヨロヨロ

男「メイド!?」

メイド「ご主…人様」

男「一体…何があったんだ…?」
373: :2012/3/22(木) 19:59:38 ID:upUyOZQyEI
〜〜〜15分前〜〜〜

メイド「おかしいですね…」

メイド「先程の襲撃以来何も来ない…」

メイド「罠も無いみたいですし…これは、誘い込まれてる?」

メイド「なんにせよ…私には進むしかありませんし、構いませんが…」

メイド「ご主人様は…心配して下さるでしょうか…」

メイド「・・・自意識過剰ですね」
374: :2012/3/22(木) 20:02:58 ID:upUyOZQyEI
メイド「何やら広い部屋に出ましたが…」

メイド「・・・あの扉、いかにもって感じがいたしますが、きっと罠ですね」

メイド「やはりどこかに鍵が…!?」

ドゴン!!

メイド「っ!?床が割れた!?」

「フシュルルル…」

メイド「デタラメですわね、その筋肉…さぞかしボディービルの成果が出ている事で」

メイド「・・・鬼瓦?」

鬼瓦「ガァァァァ!!」ブン
375: :2012/3/22(木) 20:07:06 ID:upUyOZQyEI
メイド「・・・」ヒラリ

メイド「異様なまでに発達した筋肉…数日でどうにかなるとは思えない…」

メイド「薬品投与、人体実験…」

メイド「叩けば埃が出まくりですわね…全く」

鬼瓦「ガァァ!!」ブン

バゴン!!

メイド「鉄で出来た壁がめり込む…まともに当たったら大変な事になりますわね…はっ!!」

鬼瓦「グルル…」

メイド「意に介さないですか…結構力入れたつもりなんですけど…」

メイド「手加減…する必要は無さそうですね」ニコ
376: :2012/3/22(木) 20:11:44 ID:upUyOZQyEI
鬼瓦「ガァ!!」ブン

ゴガン!!ドゴン!!

メイド「くっ!!早くなっている!?」

鬼瓦「グァアア!!」

ドゴーン!!

メイド「動きは単調でも、緩急をつけられると咄嗟に反応しきれませんわねっ!!」バキッ!!

鬼瓦「グルル」ガシッ

メイド「しまった!!掴まれた!!」

鬼瓦「ガァァァァ!!」ビタン!!

メイド「あぐ…!!」

鬼瓦「ガァァァ!!」ブン

バキッ!!

メイド「かはっ!!」


377: :2012/3/22(木) 20:15:19 ID:a/MzvaxcXo
メイド「油断…しましたか…」

鬼瓦「・・・」ズンズン

メイド「体が…上手く動かない…」

鬼瓦「・・・」ズンズン

ゴゴゴゴゴ

鬼瓦「?」クルッ

メイド「う…く…」ヨロヨロ

男「メイド!?」

メイド「ご主…人様」

378: :2012/3/22(木) 20:17:30 ID:upUyOZQyEI
男「メイド!!しっかりしろ!!」

メイド「なん…で…」

男「血が!?大丈夫か!?」

メイド「なんで…来たんですか…」

男「決まってるだろ!!お前を一人でいかせるかよ!!」

メイド「・・・」

男「・・・鬼瓦?」

鬼瓦「フシュー」


379: :2012/3/22(木) 20:19:59 ID:a/MzvaxcXo
メイド「お下がり下さい…ご主人様」

メイド「あれは…勝てる相手ではありません…」

男「お前こそ、ボロボロじゃないか、休んでろ」

メイド「そうは、まいりません」

男「いいから休んでろっての!!」グイ

メイド「きゃっ」

男「・・・なんでそんな声出すかな」

メイド「ご主人様が出させたんです」

男「あのなぁ…」

鬼瓦「ガゥ!!」
380: :2012/3/22(木) 20:24:36 ID:a/MzvaxcXo
男「おっと…待たせたな」

男「ゲームじゃよくやるけど、人を狙うのは初めてかな?」カチャ

メイド「ご主人様!!」

鬼瓦「!?」

男「安心しろ、一瞬だ」

パシュ!!

鬼瓦「グ、ゥウウウウ」フラフラ

ズシーン!!

メイド「一体…何を…」

男「麻酔を撃ち込んだ、鯨を眠らすくらい強力なやつだ、多分二日は起きないだろ」

男「ほら、傷見せてみろ」

メイド「・・・」

男「メイド?」

メイド「触らないでくれる?」

男「!?」
381: :2012/3/23(金) 00:08:09 ID:0HxDtJds0Y
メイド「私がどんな思いで一人で来たか分かってるの?」

男「そんな言い方無いだろ!!心配したのに」

メイド「心配?本気?」

男「な、なにがだよ…」

メイド「私より弱くて、考え無しで、そのくせ虚栄心だけは高くて、意地っ張りで、自分の事を考えない」

メイド「そんな…貴方が心配?馬鹿も休み休み言って」

男「いや…最後は関係無いだろ…」
382: :2012/3/23(金) 00:10:39 ID:0HxDtJds0Y
メイド「ここからは貴方の出番はありません、早く帰りなさい」

男「何言ってんだよ!?俺も行く…」

メイド「男」

男「!!」

メイド「帰って…お願いだから…」

男「お前…それ…」

メイド「・・・」クルッ

スタスタスタスタ
383: :2012/3/23(金) 00:14:21 ID:0HxDtJds0Y
男「・・・」

男「メイドが名前を呼び捨てにしたって事は…契約破棄の証…」

男「なんで…だよ」

男「俺は…あいつを一人で行かせるのが嫌で…あいつは俺に来てほしくなくて…」

男「俺が…ここに来たから…契約破棄をした…」

男「なんだよ…俺、結局何も出来てないじゃねーか…」

男「それどころか…メイドを…契約破棄…」

男「・・・」
384: 1(投下終了):2012/3/23(金) 00:17:53 ID:.zQQ4y5jKw
メイド「・・・」

メイド「契約破棄、ご主人様は気づきましたよね…」

メイド「もう、あの人を、ご主人様とお呼びできない…」

メイド「・・・泣かないって決めたのに、後悔しないって決めたのに」

メイド「どうして?何故涙が止まらない?」

メイド「・・・好きです、ご主人様」

メイド「世界中の誰よりも、貴方を愛しています」

メイド「・・・今となっては、無意味ですけどね」

メイド「もう後戻りは出来ません」

メイド「菅野…覚悟をしてもらいます」
385: :2012/3/23(金) 15:48:29 ID:YGdwWja6oE
〜〜〜菅野の部屋〜〜〜

菅野「おや、可愛らしいメイドさんですね、なんの用ですか?」

メイド「貴方の罪を暴きに」

菅野「これはこれは…あまり怖いことを言わないように」

メイド「冗談だと思いますか?」

菅野「ここまで来たなら本気なんでしょうね」

菅野「それで?私をどうするおつもりですか?」

メイド「警察に引き渡します」

菅野「証拠も無いのにつき出されるのは御免ですよ、名誉毀損で訴え…」

メイド「人体実験、麻薬精製、誘拐拉致」

菅野「・・・」

メイド「捜査の手が入ったら…ふふ、どうなりますかね…?」


386: :2012/3/23(金) 15:56:52 ID:YGdwWja6oE
菅野「人体実験、麻薬精製は確かに認めよう、だが誘拐拉致に関しては否定せざるを得ないな」

メイド「確かに貴方はしてませんね、ですが指示はした」

菅野「・・・」

メイド「共犯どころか黒幕ですからね」

菅野「なるほど…これは八方塞がりかな?」

菅野「しかしながら、僕が君を捕まえれば僕は捕まらないどころか、君のご主人様達に名誉毀損で訴えられて、大金をふんだくり更に一生これをネタに脅す事も出来るね」

メイド「残念ながら…私にはもうご主人様はいません」

菅野「何?」

メイド「先程、契約破棄をいたしました、仮にこの場にご主人様がいらっしゃっても、声高々に仰るでしょう」

メイド「こんなメイド…知らない、と」
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sage:


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