男「だって普通逆じゃない?主人が前でメイドとか使用人は後ろにいるもんだろ」
メイド「それ、いつの時代の常識ですか?」
男「いや、最近だけど」
メイド「ご主人様、もう使用人が後ろで控えているという時代は終わったのです」
男「どんな時代だよ」
102: 1:2012/3/4(日) 17:59:42 ID:9sGKXaBDYg
〜〜〜カフェ〜〜
男「・・・というわけです」
菅野「ふむ…」
菅野「察するにその襲ってきた中年は一般人だろうな」
男「そうなんですか?」
菅野「ああ、腕に自信があるなら路地に追い詰めるように動くはずだ、まあ君が路地に突っ込んだこともあるが」
男「・・・」
菅野「そして、君の話を聞く限り…その中年は金で雇われたか…もしくは薬か」
男「薬?」
菅野「様子がおかしかったのだろう?恐らく薬を服用したことによる一時的な恍惚状態、最近の言葉でラリってる、と言うのかな?」
男「ああ…」
103: 1:2012/3/4(日) 18:05:08 ID:AeHidzNwG.
菅野「だが…金か薬かである程度絞れるな…」
男「え?」
菅野「金の場合、資産があまり少ない企業がとりそうな手段だが、自分の資産額を隠す為にあえて一般中年を雇ったという二つの過程がある」
菅野「しかし、薬の場合あまりにもローリスクハイリターン、用が済んだら捨てればいいし、役目を果たせなくてめ捨てる」
菅野「薬は意外に高額だが、その分取得できる企業も少ない…さらに大っぴらには売買出来ないから自然と水面下での売買となる」
菅野「そんな汚い真似が出来るのは…数社しかない」
104: 1:2012/3/4(日) 18:14:17 ID:AeHidzNwG.
菅野「男君、もしよかったらでいいから、私の部下に君を警護させてくれ」
男「・・・」
菅野「・・・まだ信用はしきれてないかい?」
男「少し…」
菅野「わかった…」
菅野「一つだけいいことを教えてあげよう…」
男「?」
菅野「私達は今囲まれている」
男「!?」
105: 1:2012/3/4(日) 18:18:54 ID:9sGKXaBDYg
菅野「意識しないで、警戒してるのがバレるからね」
男「…いつ気づいたんですか?」
菅野「最初から…かな、こういう立場上敏感なんだ」
男「根拠は?」
菅野「そうだね、例えば向かいの席にいる男性」
菅野「一件誰かと連絡しながら他愛もない会話をしてるように聞こえるけど…会話の節目に用語が聞こえる」
菅野「恐らく仲間をあつめてるんだろうね…ちなみに私達が入ってから入店してきた、二人組もグルだ」
男「つまり…三人」
菅野「向かいに一人、後ろのカウンターに二人だね」
106: 1:2012/3/4(日) 18:21:14 ID:AeHidzNwG.
男「この会話は?」
菅野「恐らく聞こえてないよ、聞こえてたらなんらかのアクションを出すはずだ」
男「冷静ですね」
菅野「物事には柔軟に対処しなくては…じゃあいくよ?」
男「いくって…何に?」
菅野「もちろん、会計にさ」
男性「!!」
二人組「!!」
107: 1:2012/3/4(日) 20:15:32 ID:/aRvBdX2pI
男「(会計の部分だけ強く言ったって事は…)」
菅野「…そんなに構えなくてもいいよ」ボソ
男「え?」
菅野「頼れる味方の登場だ」
男性「菅野大地!!男!!覚悟!!」バッ
男「っ!!」
メイド「ご主人様!!」
バキッ!!
男性「ぐあっ!!」ドサッ
男「メイド!?」
菅野「beautiful」
108: 1:2012/3/4(日) 20:19:42 ID:MWknQI/4i.
メイド「ご無事ですか!?ご主人様!!」
男「なんでお前ここに!?」
メイド「申し訳ありません…しかし、今はこの状況をどうにかするのが先決です」
男「・・・」
二人組A「動くな」カチャ
二人組B「少しでも動いたら…撃つわよ」
男「け、拳銃!!」
メイド「(ご主人様だけはなんとしてもお守りしなければ…)」
菅野「・・・」ツカツカ
男「菅野さん!?」
109: 1:2012/3/4(日) 21:37:57 ID:MWknQI/4i.
菅野「なるほど…これはまずいですね…と、言って欲しいですか?」
二人組A「何!?」
菅野「つまり…こういう事です」
パチン
ガタガタ、ガシャ、ジャコン!!
二人組「!?」
男「特殊工作員!?」
菅野「貴方達は既に袋の鼠というわけです…加えて」
警察官「警察だ!!銃を捨てろ!!」
男「警察!?なんで!?」
菅野「予め外の部下に手配させておきました…さあ、無駄な抵抗はやめて下さい」ニコ
110: 1:2012/3/4(日) 21:42:08 ID:MWknQI/4i.
菅野「因みにあの警察も私の部下です」ヒソヒソ
男「!?」
二人組A「くそ…」
二人組B「ここまでのようね…」
菅野「その二人を連れていって下さい」
警察官「はい」
菅野「なんとかやり過ごせましたね…お二人とも、屋敷までお送りいたします」
男「え!?いや…」
メイド「それではお願いします」
男「メイド!?」
菅野「かしこまりました、車へ」
111: 1(投下終了):2012/3/4(日) 21:48:00 ID:MWknQI/4i.
菅野「種明かしをすると、あのファミレスは私の寝かしていた店でね」
男「だからあんなに落ち着いてたんですか」
菅野「備えあれば憂いなしと言うし、部下を置いておいたからね」
菅野「とにかく、今回の一件もあります。私に出来る事ならなんでもお申し付け下さい」
菅野「必ず君を守ってみせる」
男「あ、ありがとうございます」
メイド「・・・」
112: 1:2012/3/5(月) 14:32:40 ID:R.vx/UJ16E
〜〜〜屋敷〜〜〜
メイド長「お帰りなさいませ」
男「ああ…ただいま」
メイド長「本日は少々遅くなりましたが、どうなさいました?」
男「・・・別に」
メイド長「そうですか」
男「メイド」
メイド「・・・はい」
男「後で、部屋に来い」
メイド「かしこまりました」
113: 1:2012/3/5(月) 14:38:28 ID:keeuXLFMzw
メイド「・・・」
メイド長「不安ですか?」
メイド「・・・ご主人様の部屋に行ってきます」
メイド長「行かせた方としてはかなり罪悪感ですね」
メイド長「男様のご決断を待ちますか…」
114: 1:2012/3/5(月) 18:47:07 ID:natgQ1jqzA
〜〜〜男の寝室〜〜〜
メイド「失礼します」
男「おう、入れ」
メイド「・・・」
男「とりあえず座ってくんない?」
メイド「それはできま…」
男「座れ、また命令違反するつもりか?」
メイド「・・・はい」
男「今日さ、俺は屋敷で待ってるようにって言ったよね?」
メイド「・・・」
男「助けてくれた事は凄く感謝してるけど…屋敷にいててくれよ」
メイド「申し訳…ありません」
115: 1:2012/3/5(月) 18:59:33 ID:EuhTDj6Ga6
男「お前には昨日色々世話になったし、あんなこともあったから心配するのはわかるけどさ…」
メイド「・・・私は、ご主人様のメイドです」
メイド「ご主人様の命令は絶対ですが…ご主人様の命をお守りするのも私の仕事です」
男「・・・」
メイド「ですから…いかなる罰でもお受けいたします…ですが、どうか解雇だけは!!」
男「俺はさ…お前を解雇する気はないし…ただお前が屋敷にいて帰りを待ってくれるだけでいいんだよ…」
男「もしもお前がいなくなったら…って考えたらさ…怖いんだよ…」
メイド「ご主人様…」
116: 1:2012/3/5(月) 19:08:31 ID:IkYx9owoHI
メイド長「自然に臭い台詞を吐くのは旦那様譲りなんですかね」
メイド「!?」
男「メイド長さん!?」
メイド長「男様、このままではメイドが可哀想なので二、三点補足をしても?」
男「ど、どうぞ」
メイド長「まず、メイドを男様の元に向かうよう指示したのは私ですので、お叱りになるなら私に」
メイド長「それと、メイド長を任せられた身として屋敷内のメイドに指示が出来る権利をいただきました」
男「でも…俺はメイドに屋敷から出るなって命令を」
メイド長「私はメイドを屋敷内から出すなと指示はされてませんので」
男「あっ…」
117: 1:2012/3/5(月) 19:42:47 ID:FAS1GetzUI
メイド長「まあ、そういうわけですから、今後彼女をどうしても屋敷から出したくない場合は私にもお申し付けすると確実ですわよ」ニコ
メイド「・・・」
男「別に…そんなことどうだっていいんだよ」
男「ただ…メイドが無事ならそれで…」ボソ
メイド長「因みに男様」
男「ん?」
メイド長「先程メイドがいなくなったらと仰られてましたが…それはメイドも同じですよ」
メイド長「男様がいなくなられたら…多分彼女は」
男「父さんがいるから働き口には困らないだろ、対して損害はな…」
メイド長「それは…」
メイド「違います」
118: 1:2012/3/5(月) 20:14:33 ID:iVakDA.HWg
メイド「私はご主人様が小さい頃からずっとお仕えしております」
メイド「ご主人様の存在こそが私の生きる意味といっても過言ではありません」
男「んな、大袈裟な」
メイド長「あら、私も旦那様が生きる意味ですが?」
男「へ!?」
メイド「私はご主人様だけが全てなのです。ご主人様がいらっしゃって…お世話をさせていただければもう何も望まないのです」
男「・・・」
119: 1:2012/3/5(月) 23:09:12 ID:yy8uT.WIIA
メイド長「お互いいい感じに惚気たところで」
メイド「誰が惚気ましたか!!」
メイド長「男様、申し訳ありませんが…今日、菅野大地に接触なさいましたね?」
男「あ…うん」
メイド長「差し支えなければ、お話いただいてもよろしいですか?」
男「ああ…構わないですけど…」
男「一言で表すなら用意周到って人でしたね」
男「どこにでも部下を忍ばせて、自分の身の安全を確保して…俺やメイドまで守ってくれて」
メイド「私は別に守られなくても大丈夫でした」
男「あほ、相手は銃を持ってんだぞ?」
メイド「あの状況でも対処は可能でした」
120: 1:2012/3/5(月) 23:16:34 ID:yy8uT.WIIA
メイド長「話が拗れるのでメイドは変な対抗心を燃やさないで下さい」
メイド「なっ!?」
メイド長「嫉妬は見苦しいですよ」
メイド「誰が嫉妬なんか!!」
メイド長「話を戻しましょう、他に気になる点はございましたか?」
男「特に無かったですよ」
メイド長「ありがとうございます…私はお邪魔みたいですし、後はごゆっくり」
バタン
121: 1(投下終了):2012/3/5(月) 23:28:26 ID:yy8uT.WIIA
男「・・・」
メイド「・・・」
男「とにかく…あれだ、うん」
男「お前とは付き合い長いし、ただのメイドじゃなくて、こう…信頼出来るくらいっていうか…よくわかんねーな…」
男「頭の中、ゴチャゴチャだな…」
メイド「ご主人様、一度お休みになられたほうがいいかと」
男「そうだな…」
男「なぁ…その…」
メイド「?」
男「俺が眠るまで…ついててくれるか?」
メイド「・・・かしこまりました、ご主人様」ニコ
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