季節は春――
出会いと別れの季節
今年、高校2年生になった男にも、出会いがあった。
後輩「ねぇ、男先輩、僕の話を聞いてくれません?」
男「だが断る。この男のもっとも――」
後輩「それじゃあ話しますね」
男「あれぇ!?」
※このSSはフィクションです
登場する人物、団体、地名、一部の都市伝説などの名称はたぶんすべて架空のものです
また、物語の進行上、現実に存在する都市伝説の設定を一部変えているので、そこら辺ご了承くださいまし。
あと、文章や内容変でも大目に見てやってください(切実)。
655: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/16(金) 06:35:40 ID:gJJmjmSKaM
男「で、テケテケ達を学校に呼んでみたものの……」
一人目、男
二人目、女
三人目、友
四人目、鏡
五人目、テケテケ
六人目、メリー
七人目、口裂け女
八人目、トリック
九人目、大家
男「一人足りねー!」
656: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/16(金) 06:36:50 ID:0KIaSY0dT.
口裂「何、その怪談」
大家「皿よりかは重大な一足りないだけどね」
女「まあ、最初に気付くべきだったよね」
友「適当にモブ連れてくるか?」
?「おい、誰か忘れてないか?」
男「お、お前は……!」
657: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/16(金) 06:38:09 ID:OV6VKvhVKQ
十人目、源十郎
男「源十郎!」
鏡「最近目立ちすぎじゃないかい?」
口裂「というか、結局こいつはいったい何なの?」
トリック「まさか、同じタイプのスタンド……!」
男「ねぇよ、ねぇ」
658: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/16(金) 06:39:39 ID:tZenqkdHEI
メリー「実は、源十郎は1人かくれんぼに使用されたぬいぐるみらしいよ」
口裂「へぇーそう。さっさと怪人アンサーを喚びましょうか」
男「自分から聞いといてスルー!?」
テケテケ「じゃあ、みんな携帯用意して!」
メリー「せーのっで隣の人に電話してね!」
女「じゃあ、いくよ。せーのっ!」
659: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/16(金) 06:41:25 ID:Crz6xJC852
Prrr…
アンサー「やあ、君達が我輩を喚ぶことは知っていたよ」
電話からではなく、九人と一体の目の前から響く声
男「……こいつがッ!」
鏡「そうさ、こいつが奇人、変人、怪人アンサー」
口裂「私達都市伝説の間では、バラバラ紳士とも呼ばれているわ」
660: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/16(金) 06:43:02 ID:ssZq/TH9Vg
長さの違う十本の腕
生えてるところは肩に背中に腹部に腰に
長さの違う六本の足
生えてるところは下半身にも上半身にも
大きさの違う口五つ
声が違うのは仕様です
いろんな形の目鼻眉
顔には一切ついていない
シルクハットに特注品の燕尾服
その中身は禁即事項
彼の正体怪人アンサー
奇人変人怪人アンサー
自分に足りないものを求め
今日も体を奪います
661: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/16(金) 06:44:35 ID:tZenqkdHEI
アンサー「という紹介文を我輩自ら作ったんだが、こいつを聞いてどう思う?」
大家「すごく…長いです…」
メリー「覚えきれないね」
テケテケ「最大の特徴である何でも知ってるっていうのがないしね」
アンサー「そういう感想をもらえることは、知っていたよ」
男(何故聞いたし)
662: 名無しさん@読者の声:2012/3/17(土) 01:14:24 ID:SRJWFPMCbs
>>647実はこっちも恩恵を利用したやり方でwwとりあえず待ってる
紫燕
663: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/19(月) 12:43:05 ID:2r75fYVaHg
>>662支援ありがとー!
怪人アンサー編はもう終わるので、恩恵回避方法聞かせてくださいね!
664: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/19(月) 12:43:30 ID:sdOKoiAXn.
アンサー「紹介文はまた考えるとして、さて、今回質問に答えてもらえる幸運な人間は、君だ」
そう言って指をさしたところには、男がいた
アンサー「さて、何を聞く?我輩は何でも答えてやるぞ。と言っても」
アンサー「我輩はもう、何を聞かれるかは知っているのだがな」
男「都市伝説の全てを教えてくれ」
アンサー「よろしい。答えてやろう。都市伝説の全てを」
665: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/19(月) 12:44:52 ID:CxAn0VppZI
〜都市伝説〜
都市伝説の全て、と言っても、具体的には何から話そうかな?
そうだな、やはり
初めは、始まりこそが相応しい
君は死神を信じるかな?
……今、卍解の方を想像したね?
死神というのは、いわば魂の回収業者
自ら生命を殺す存在ではない
死神が捕らえた魂は、神々の腹に入り浄化され、新たに生まれる生命に宿る
……数千年前のことだった
その年は、魂が集まりにくかった
魂が集まりにくいということは、新たな生命が生まれにくいということ
これを危惧した死神達は一人の子供を拐い、都市伝説の生みの親、カタリヤに造り上げた
666: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/19(月) 12:46:31 ID:ElXyDhEUa6
〜都市伝説 part2〜
カタリヤの話した都市伝説は現実に現れる
その時は都市伝説という呼び名ではなく、妖怪というものだったがね
しかしカタリヤは、死神達の予想に反して強すぎた
そのためその年のカタリヤは、死神達のワガママにより殺された
次にカタリヤが造られたのは、四年前
その時も、魂はなかなか集まらなかった
新しい世代の死神達は、カタリヤの恐ろしさを知らず、造ってしまった
初めはいいものを手に入れたと思い、更に二人の女の子を拐いカタリヤに仕上げた
だが、すぐに間違いだと気付く
カタリヤの強さを目の当たりにした死神達は、すぐに彼女を殺しにいった
667: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/19(月) 12:48:58 ID:exvtmU8mFk
〜都市伝説 part3〜
誘拐してしまった二人の少女は、すでにカタリヤ
もちろん、人里に返すわけにはいかず、かといって実害が出てないのに殺すわけにもいかず、仕方なく死神達は二人の少女を監禁することにした
だが今年、2028年
ある一人の死神のミスのせいで、一人のカタリヤがこっちに来てしまった
彼女はカタリヤの本能である殺すための都市伝説を言い続け、そして今、死神達に追われている
そうそう、もう予想はついているだろうが、我輩達都市伝説の存在理由は、人間を殺すため
人間を殺し、死神が魂を多く回収するため
ま、中には例外もいるがね
だから本来、人間同盟など場違いな存在なのだよ
ま、我輩は別にあっても構わないと思うがね
我輩の話は、ここで終了しておこう
何故なら、我輩は今から起こることを知っているのだからね
668: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/19(月) 12:50:49 ID:m39nCD4Sqo
男「今から起こること?」
アンサー「ああそうだ。心して聞いておけ」
『今学校に残っている皆さん、聞こえているでしょうか?』
男「後輩の放送……?」
――強いて言えば、皆からは語りやと呼ばれてます
男「まさか……まさか!」
『時間がないので聞こえているかどうかは分かりませんが、語りましょう』
『僕が語る百物語の最後、都市伝説の第99話、カタリヤ!』
669: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/23(金) 02:31:14 ID:OV6VKvhVKQ
〜カタリヤ〜
知っていますか?
カタリヤを
都市伝説が途切れずに語り継がれているのはカタリヤが語っているからです
一度語ってしまえば、どんな都市伝説でも話を変えることができます
カタリヤは割とどこにでも現れ、約百個の都市伝説を語り継ぎます
何故カタリヤが片仮名か、ご存知ですか?
……ご存知、ないのですか?
670: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/23(金) 02:32:28 ID:xlrEqSLHSs
〜カタリヤ part2〜
別に語りやでもいいと思いませんか?
片仮名なのは、あの世ではカタリヤを潟裏弥と書くみたいでしてね
その意味は
『深い深い海の中の死神の嘆き』
だそうです
カタリヤは死神により造られました
死神のその嘆きにより、僕の……カタリヤの語った都市伝説は実体を持ちます
671: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/23(金) 02:33:44 ID:8EzdbQEYJk
〜カタリヤ part3〜
とまあ、ここまでがカタリヤの都市伝説なんですが、正直、このまま死神にいいように扱われるのは癪でしてね
カタリヤの都市伝説の内容を変えます
百話目の物語は、あなたに任せます
あなたの言ったことが、真実になります
と言っても、条件がありますがね
条件は、この放送を聞いていて、都市伝説と十人以上出会った人間が、僕に語ることです
それでは、待っていますよ
672: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/23(金) 02:34:50 ID:fCrP/vAiJc
モブJ「何だ?今の放送」
モブW「さあwwイタズラじゃねww」
ざわ… ざわ…
まだ部活中の体育館や部室棟から大きなざわめき声が、男達のいる教室まで聞こえてくる
口裂「大変なことになったわね」
673: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/23(金) 02:36:05 ID:xfBBVlgUSU
『あなた達は!』
放送はまだ繋がっていた
『鍵が締まっていたはずです!いくらあなた達でm』
『うっせェぞ、カタリヤのガキィ!』
『止めろ、スペード。まだ、放送は聞こえている。カタリヤを殺すのは、この放送を止めてからだ』
『だが、こっちの世界の機械は少々ややこしい。止めるまで、スペードとハートは見張りをやっていてくれ』
『ちッ、しャァねェな』
『分かりました。兄上』
674: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/23(金) 02:37:36 ID:MjTo0WShvc
男「何だよ、この会話。カタリヤを、後輩を殺すってどういうことだよ!」
アンサー「あの世の上層部は、死神がミスをしてカタリヤを解放したことをまだ知らない。だから知られる前に、死神はカタリヤを殺し、なかったことにするつもりだ」
男「そんな……」
アンサー「彼女を助けたければ、放送室に行くんだな。まだ間に合うかも……いや、絶対に間に合う。何故なら我輩は、それを知っているからな」
怪人アンサーの話を半ばに、勢いよく走り出す男
274.80 KBytes
[4]最25 [5]最50 [6]最75
[*]前20 [0]戻る [#]次20
【うpろだ】
【スレ機能】【顔文字】