季節は春――
出会いと別れの季節
今年、高校2年生になった男にも、出会いがあった。
後輩「ねぇ、男先輩、僕の話を聞いてくれません?」
男「だが断る。この男のもっとも――」
後輩「それじゃあ話しますね」
男「あれぇ!?」
※このSSはフィクションです
登場する人物、団体、地名、一部の都市伝説などの名称はたぶんすべて架空のものです
また、物語の進行上、現実に存在する都市伝説の設定を一部変えているので、そこら辺ご了承くださいまし。
あと、文章や内容変でも大目に見てやってください(切実)。
606: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:25:44 ID:h4F3elAXVw
友「な、何で!?」
男「そいつがお前に頼まれた的なことをバラしたぞ」
友「解し屋だけにってか?やかましいわ!」
男(何をこいつは一人で騒いでるんだろう。騒がしい)
友「解し屋アマンのことを話すから、騒がしいとか思うなよ」
男「え、何?俺の心が読まれるのって大家が異常なんじゃなくて俺が読まれやすいだけなの?……電話越しで!?」
607: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:10:57 ID:HPGj8KGTJE
〜解し屋アマン〜
とある電話番号に電話をかけると、あるところに繋がります
そこは解し屋アマン
彼女に頼めば、誰でも一人だけならバラバラにしてくれるそうです
ただしそれには条件が
それは自分と最も親しい人の死です
じゃあ、もし最も親しい人を解すようにお願いしたら、どうなるんでしょうね?
608: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:12:15 ID:yan9zBwNCM
〜解し屋アマン part2〜
さて、頼んだ後に勝手ですが、やっぱ死なないで!と思うことがあるかもしれません
そういう時は、
609: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:13:31 ID:5t2.GNY3vw
男「おい、続きは?」
友「…ごめん、忘れた」
男「肝心なところを」
友「まあ、後は頑張れよ」
男「お前のせいで鏡は解されそうだったんだぜ?」
友「男、場所を教えてくれ!」
男「自然公園」ツー…ツー…
610: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:14:45 ID:wuqsecO6N.
男「切りやがった」
男「あいつ、今から北海道来るつもりか?いや、そもそも自然公園だけじゃ北海道かどうかすら分からんか」
男(…そういえば、何であいつは俺を解すように依頼を……?)
男(流石に利子が多すぎたかな?少し減らしてやるか)
メリー「お金だけとは限らないんじゃない?」
男(まさかメリーにまで読まれるとは思わなかった)
611: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:16:13 ID:kl8E2gL2EM
男(しかし、もしも金じゃないとして)
男(他に何がある?)
男(そういえば、何故鏡だけは解さないよう頼んだんだ?)
源十郎「暇だからツイッターでもしてるかな」
男(何か今、機能とか関係なしにしゃべった、っていうか呟いてるのを見た気がするが、非常に気になるがそれは置いといて……ツイッター?)
男は、あの春のことを思い出した
612: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:17:44 ID:pfIgd/X5YY
『後輩「おや、男先輩じゃないですか。今日は紫乃先輩と一緒に帰らないんですか?」
男「あいつと一緒に帰ったことないんだけど」
後輩「ああ、そういえば登校でしたね。一緒に行ってるのは」
男「貴様、見ているな!?」
後輩「いえ、友先輩のツイッターです」』
613: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:20:02 ID:0VQbs4Y8tE
男(ああ、なんとなく分かっちまった)
男(たぶんおそらく友は鏡に惚れていたとして)
男(それで俺と鏡が一緒に登校したりしてるのを見て)
男(付き合っていると勘違いして、嫉妬した!)
男(あくまでこれは仮定だが、もし本当にそうだったら)
男(五万円ぐらい、追加だな)
614: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:18:53 ID:1a9ezyriWs
〜解し屋アマン part2〜
さて、頼んだ後に勝手ですが、やっぱ死なないで!と思うことがあるかもしれません
そういう時は、彼女の秘密をバラしましょう
彼女の秘密、それは彼女の名前にあります
アマンとは英語で愛人
そう、彼女は愛人との間に生まれた娘だったのです
だからこう言うのです
愛人の娘のくせに、と
さて、この話を聞いて□□□である友さんは、誰かを解そうと思いましたか?
それとも、解されそうな誰かを守ろうと思いましたか?
615: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:20:10 ID:p/GRFYV3vs
自然公園までの道にて
友(本当は分かっていた。きっとこんなことをしても、鏡は俺の所には来ないのだろうと)
友(だって転校してきた時、まるで俺と初対面のように話したから)
友(なのに、本当に初対面のあいつの家に住んだ)
友(それを見て数日後に、俺は鏡に選ばれなかったのだと諦めた)
友(だけど、誰でも一人殺してくれると聞いて、もしそれであいつが死んで鏡が戻ってくると考えたら)
友(そんな希望があったら、無理だと分かっていても試さずにはいられなかった)
616: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:21:26 ID:tkBS9rLKlY
自然公園にて
大家「まずいね」
男「何がですか?口裂けさんが勝ってるし、別に問題はない気がしますけど」
大家「いや、時間だよ。このままアマンが消えずにいたら、いずれ人が来る」
大家「アマンの見た目は、一応普通の女の子だ。もしもこんなシーンを見られでもしたら」
大家「僕ら、捕まってもおかしくはないね」
友「どこの誰かは知らないけどよ。そんな心配はいらないぜ」
617: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:23:12 ID:p3vEpZeNwk
男「友!お前どうやってここに?ってかいつの間に北海道に?」
友「北海道には昨日から!ここには愛の力で!」
男「きめぇ!」
友「うるせーよ!あ、おいアマン!お前鏡を解そうとしたらしいな!しかも依頼主の名前まで言いやがって!」
友「さらにその女の子も傷つけて!」
男「違う違う。そっちがアマン」
友「負けてんのかよ!」
友「そんな奴には、お仕置きだべぇ!」
618: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:24:41 ID:mnXuUV.EGc
友「愛人n」
アマン「ああああぁぁぁぁ!」
友「!?」ビクッ!
アマン「そこから先を、言うなぁ!」
アマンは口裂け女を無視し、チェーンソーを友に向かって投げつける
友「え、あ、あ…」
619: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:26:12 ID:wfet.hi7A.
次の瞬間、友の目に映ったのは、赤色
鮮血の、赤い色
だが、その赤色は友のものではなく
友「あ、ああ…」
友の近くにいて、とっさに友を庇った
友「鏡…鏡ィィィー!」
鏡のものだった
620: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:27:45 ID:jvh.yzQUbQ
テケテケ「鏡!」
口裂「鏡、ちゃん…」
メリー「うそ…うそだよね……?」
鏡「そう、騒がないでおくれよ……傷に、響く」
友「鏡、鏡!」
鏡「あたいは、大丈夫だから」
男(くっ…大丈夫な、わけがねー。電源は止まってるが、あいつにはまだチェーンソーが刺さってるのに!)
621: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:29:19 ID:.DgffcOXqc
大家「もしもし、医者!急患だ!…は?眠い?ふざけてんじゃねーぞ!一分以内に来い!じゃないとお前の病院、潰すぞ!」
男(あの大家が、焦って……!)
友「鏡…ごめん、俺のせいで…」
鏡「友のせいじゃ、ないさ。あたいのことはいいから、早く言うんだ」
アマン「言わせるかぁぁぁ!」
友「お前は」
アマン「あああぁぁぁぁ!」
友「愛人の娘のくせに!」
622: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:31:40 ID:p3vEpZeNwk
アマン「あ、あああぁぁぁぁ!ああああぁぁぁぁ!!」
アマンは動きを止め、膝から崩れ落ちる
アマン「止めて、殴らないで、お父さん」
アマン「痛いよ、お義母さん」
アマン「痛い、痛いよ、私の体を、切らないで、お義姉ちゃん」
鏡に、いや、鏡に刺さったチェーンソーに手を伸ばし
アマン「助けて、お母さん――」
解し屋アマンは、消えた
救急車が到着したのは、それから約十秒後のことだった
623: 名無しさん@読者の声:2012/2/29(水) 22:35:36 ID:AY/cxQo99Q
楽しみに待ってるよー
つC
624: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/5(月) 06:55:39 ID:uXoiEP5.4c
病院にて
医者「無事手術は成功じゃ。あと数時間で目を覚ますじゃろ」
大家「ありがとう。君にはずいぶんと無理を言ってしまった、すまないな」
医者「別にいいんじゃよ。JKの生パイを触れたしの」
大家(あ、僕が潰すまでもなく潰れるわ、この病院)
625: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/5(月) 06:56:54 ID:ilecF7ct8.
鏡「……」パチクリ
テケテケ「鏡!鏡が目を開けたよ!」
メリー「これも源十郎の機能の一つ、手当てディベアのおかげだね!」
口裂「落ち着きなさい。大丈夫?鏡ちゃん」
鏡「あ、ああ、あたいは大丈夫だよ」
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