季節は春――
出会いと別れの季節
今年、高校2年生になった男にも、出会いがあった。
後輩「ねぇ、男先輩、僕の話を聞いてくれません?」
男「だが断る。この男のもっとも――」
後輩「それじゃあ話しますね」
男「あれぇ!?」
※このSSはフィクションです
登場する人物、団体、地名、一部の都市伝説などの名称はたぶんすべて架空のものです
また、物語の進行上、現実に存在する都市伝説の設定を一部変えているので、そこら辺ご了承くださいまし。
あと、文章や内容変でも大目に見てやってください(切実)。
596: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/20(月) 23:34:49 ID:yHp6xpyjuo
鏡「ハァ……ハァ……!」
鏡は恐怖のため、ガクン、と膝をつく
テケテケ「鏡!」
アマン「あなた達もぉ、邪魔をしないでくださいぃ」
メリー「うぅ……」
テケテケ「…邪魔しないわけ、ないじゃない!男の命がかかってるんだよ!だからあなたには、負けられない!」
597: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/20(月) 23:36:24 ID:Cv0uaM0rFg
口裂「そうね、負けてはダメよ、鏡ちゃん」
大家「口裂けさん!」
男や大家のいる後ろから、口裂け女がやって来た
口裂「私やテケテケがいるのよ?」
メリー(あれ、あたしは?)
口裂「鏡ちゃんは恐怖に負けてないで、安心してそこのチェーンソー持ってる奴が無様に倒れるとこを見ていなさい」
598: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/20(月) 23:37:51 ID:gdsRLqBUn.
アマン「また邪魔ですかぁ」
口裂「残念ね。ここでの邪魔者はあなた一人だけよ。ま、本来は無視するんだけど今回は特別に」
口裂け女は、コートに仕込んでいるナイフを取り出す
口裂「この都市伝説最強である私が、殺して解して並べて揃えて晒してあげるわ」
アマン「解すのはぁ、私の仕事ですけどねぇ!」
599: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:12:54 ID:1.mlIeKsPs
Prrr……
男(何故出てこないんだ?友!)
大家「まだ午前4時だからね。寝てるんじゃないかな?」
男(今、さらっと心を読まれた気がするが、なるほど、普通ならこの時間帯は寝てるな)
男(だが、早く友に話をつけないと、いくら都市伝説最強とはいえ、ナイフとチェーンソーじゃあ戦力に差がありすぎる)
大家「そんなこともないみたいだよ」
600: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:14:02 ID:JlaWwk8fx.
男(何故そんな当然のように心を読めるんだ!?)
男「って、え?そんなこともない?」
男が見たのは、チェーンソーを持っていながらも、口裂け女に推されて涙目になっているアマンの姿だった
大家「やっぱ口裂けさんは強いねー」
男「どういうことだってばよ」
601: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:15:26 ID:6G.p9Oyn4E
アマン「何で、何で私の攻撃が当たらないんでぇぇすかぁ!?」
口裂(恩恵状態でもない私に負けそうになるなんて、何この子超弱い!)
アマンはチェーンソーを振り回し、口裂け女に突進する
しかし、口裂け女はそれを軽々と避け
口裂「足元がお留守ですよ」
逆に足を引っかけてアマンを転ばせる
602: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:16:50 ID:s5bmV8mIXM
チェーンソーは転んだ際に手から離れた
口裂「あら、惜しかったわね。そのまま持ってればあなたの体のどこかが切断されたのに」
アマン「ハァ……ハァ……あ、あぁ……!」
アマンの心境は、先程の鏡と同じだった
男「圧倒的だな」
603: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:18:46 ID:AY51fdUhxg
説明しよう!
解し屋アマンは、今回が初めての仕事なのだ!
だから、いろいろと慣れていないのだ!
慣れていないから男を一撃で解しそこねたのだ!
そもそももっと解しやすい時があったはずなのに、慣れていないから安直に夜寝込みを襲ったのだ!
そして慣れていないから、自分の仕事を邪魔する者も解そうとしてしまうのだ!
別に男だけを狙えばいいにも関わらず
さらに邪魔者を解すにしてもさっさと解してしまえばいいのに、邪魔者とのおしゃべりを楽しんでしまっているのだ!
まあ、これは慣れとは関係ないけどね!
604: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:20:18 ID:zaTV1AxVlc
男「出たな、源十郎」
メリー「そう!皆ご存知源十郎の機能の一つ!ウィキテディベアだよ!」
大家「僕は知らなかったけどね」
テケテケ「あの人の名前、アマンっていうんだ」
鏡「今思えば名前知らなかったよな。ってか何で源十郎は知ってんだい?」
メリー「……え?さあ?」
今ここに、新たな都市伝説が生まれた
605: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:22:23 ID:Kkh511QEhI
ブチョウ、オクサマカラオデンワデース
男「電話、友から!」
大家「今の着信音!?恥ずっ!」
友「何だよー、こんな朝っぱらから」
男「おい友、解し屋アマンって何だ?」
606: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:25:44 ID:h4F3elAXVw
友「な、何で!?」
男「そいつがお前に頼まれた的なことをバラしたぞ」
友「解し屋だけにってか?やかましいわ!」
男(何をこいつは一人で騒いでるんだろう。騒がしい)
友「解し屋アマンのことを話すから、騒がしいとか思うなよ」
男「え、何?俺の心が読まれるのって大家が異常なんじゃなくて俺が読まれやすいだけなの?……電話越しで!?」
607: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:10:57 ID:HPGj8KGTJE
〜解し屋アマン〜
とある電話番号に電話をかけると、あるところに繋がります
そこは解し屋アマン
彼女に頼めば、誰でも一人だけならバラバラにしてくれるそうです
ただしそれには条件が
それは自分と最も親しい人の死です
じゃあ、もし最も親しい人を解すようにお願いしたら、どうなるんでしょうね?
608: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:12:15 ID:yan9zBwNCM
〜解し屋アマン part2〜
さて、頼んだ後に勝手ですが、やっぱ死なないで!と思うことがあるかもしれません
そういう時は、
609: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:13:31 ID:5t2.GNY3vw
男「おい、続きは?」
友「…ごめん、忘れた」
男「肝心なところを」
友「まあ、後は頑張れよ」
男「お前のせいで鏡は解されそうだったんだぜ?」
友「男、場所を教えてくれ!」
男「自然公園」ツー…ツー…
610: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:14:45 ID:wuqsecO6N.
男「切りやがった」
男「あいつ、今から北海道来るつもりか?いや、そもそも自然公園だけじゃ北海道かどうかすら分からんか」
男(…そういえば、何であいつは俺を解すように依頼を……?)
男(流石に利子が多すぎたかな?少し減らしてやるか)
メリー「お金だけとは限らないんじゃない?」
男(まさかメリーにまで読まれるとは思わなかった)
611: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:16:13 ID:kl8E2gL2EM
男(しかし、もしも金じゃないとして)
男(他に何がある?)
男(そういえば、何故鏡だけは解さないよう頼んだんだ?)
源十郎「暇だからツイッターでもしてるかな」
男(何か今、機能とか関係なしにしゃべった、っていうか呟いてるのを見た気がするが、非常に気になるがそれは置いといて……ツイッター?)
男は、あの春のことを思い出した
612: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:17:44 ID:pfIgd/X5YY
『後輩「おや、男先輩じゃないですか。今日は紫乃先輩と一緒に帰らないんですか?」
男「あいつと一緒に帰ったことないんだけど」
後輩「ああ、そういえば登校でしたね。一緒に行ってるのは」
男「貴様、見ているな!?」
後輩「いえ、友先輩のツイッターです」』
613: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:20:02 ID:0VQbs4Y8tE
男(ああ、なんとなく分かっちまった)
男(たぶんおそらく友は鏡に惚れていたとして)
男(それで俺と鏡が一緒に登校したりしてるのを見て)
男(付き合っていると勘違いして、嫉妬した!)
男(あくまでこれは仮定だが、もし本当にそうだったら)
男(五万円ぐらい、追加だな)
614: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:18:53 ID:1a9ezyriWs
〜解し屋アマン part2〜
さて、頼んだ後に勝手ですが、やっぱ死なないで!と思うことがあるかもしれません
そういう時は、彼女の秘密をバラしましょう
彼女の秘密、それは彼女の名前にあります
アマンとは英語で愛人
そう、彼女は愛人との間に生まれた娘だったのです
だからこう言うのです
愛人の娘のくせに、と
さて、この話を聞いて□□□である友さんは、誰かを解そうと思いましたか?
それとも、解されそうな誰かを守ろうと思いましたか?
615: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:20:10 ID:p/GRFYV3vs
自然公園までの道にて
友(本当は分かっていた。きっとこんなことをしても、鏡は俺の所には来ないのだろうと)
友(だって転校してきた時、まるで俺と初対面のように話したから)
友(なのに、本当に初対面のあいつの家に住んだ)
友(それを見て数日後に、俺は鏡に選ばれなかったのだと諦めた)
友(だけど、誰でも一人殺してくれると聞いて、もしそれであいつが死んで鏡が戻ってくると考えたら)
友(そんな希望があったら、無理だと分かっていても試さずにはいられなかった)
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