季節は春――
出会いと別れの季節
今年、高校2年生になった男にも、出会いがあった。
後輩「ねぇ、男先輩、僕の話を聞いてくれません?」
男「だが断る。この男のもっとも――」
後輩「それじゃあ話しますね」
男「あれぇ!?」
※このSSはフィクションです
登場する人物、団体、地名、一部の都市伝説などの名称はたぶんすべて架空のものです
また、物語の進行上、現実に存在する都市伝説の設定を一部変えているので、そこら辺ご了承くださいまし。
あと、文章や内容変でも大目に見てやってください(切実)。
542: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 14:01:44 ID:hp6EhyVi/I
運転席にて
黒人「おい、隣に来てるぞ!」
運転手「分かってる」
黒人「もっとスピード出さないt」
運転手「分かってるってば!」
運転手「要は抜かれなければいいんでしょ」
運転手「男君、テケちゃん、聞こえるかしら?ちょっと振動くるから、何かに掴まっときなさい」
そう言うとリムジンを横にし、長い車体で首なしライダーの行き先を塞いだ
543: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 14:05:06 ID:8vWoWZFDA.
今回はここまで!
>>535ただいまー!
ホント疲れたので今から寝ます
できれば今日の夜にまた更新したいです
544: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 21:39:08 ID:lFfB67AY/A
後部座席にて
男「掴まるもの?」
テケテケ「じゃあ男に掴まるー!」
男「いや、そんなことやってる場合じゃ…」
男「うわっ!」
少しの振動のその後、何かがリムジンにぶつかった
545: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 21:41:06 ID:iVrzPrlVFw
少し前、運転席にて
首なしライダーは、バイクを犠牲にして跳んだ
例)ヨッシー
運転手「うそ…抜かれた!」
黒人「お、おい!あっちから車が来た!」
モブA「ブレーキがきかないぃぃぃ!」
546: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 21:43:22 ID:5NcIsSSwMw
そこには、大破した車とバイク、前方の形を歪めたリムジンがあった
ライダー「今日はラッキーだ。二台も仕留めた」
ライダー「これで、明日は走らなくていい」
ライダー「ハハハ、ハーハッハッハ!」
その声は、首なしライダーの着ているジャケットのドクロから聞こえた
547: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 21:44:56 ID:HRQ8xIAunA
リムジンにて
男「うぅー…痛っ」
テケテケ「……」
男「おい、テケテケ!大丈夫か!?」
テケテケ「……」スヤスヤ
男「寝てるだけか、よかった」
548: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 21:47:19 ID:lFfB67AY/A
運転手「どうやら、無事のようね」
男「運転手さん……!酷い、ケガだ」
運転手「私はまだ大丈夫よ。けど、私を庇ったリチャードは結構ヤバイわね。あと、ぶつかってきた車の人は、たぶんもう……」
男「何で、こんな…」
運転手「それは、あそこで高笑いしてる奴に聞く…のね」バタン
男「運転手さん?運転手さん!」
549: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 21:49:14 ID:JmyCuwL9V2
男(テケテケ、運転手さん、リチャードさん、知らない人……何で、こんなことに)
ライダー「ハーハッハッハ!」
男「おい、そこの首なし野郎!」
ライダー「ハーハッハッハ!」
男「…おい、そこの首なし野郎!」
ライダー「ハーハッハッハ!」
男「ちょ、ちょっと待って。そういうナチュラルな無視止めて!」
550: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 21:50:37 ID:CO20nL.cqw
ライダー「お?小僧、あの事故で無傷だったか?運のいい奴め」
ライダー「む、小僧、お前見覚えがあるな」
男「は?」
ライダー「そうだ、四年前だな。事故を起こした車の中にあった家族写真」
ライダー「四年前なのに、小僧、お前全然変わってないな」
551: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:45:40 ID:EDf04Jpibk
男「どういう、ことだよ?」
ライダー「俺は恩恵関係なく生まれつき完全記憶能力というものがあってな」
男「そうじゃねーよ。俺の両親は、お前が殺したのかよ!」
ライダー「間接的な原因は俺かもしれないが、直接的な原因はただの事故だ」
男「うるさい!黙れ!」
ライダー「小僧、お前から聞いてきたくせに理不尽だな」
552: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:46:50 ID:4bhoiYs27A
男「返せよ、たった二人の両親なんだ!」
ライダー「そりゃ大抵がそうだろ」
男「うるさい!」
男は、首なしライダーに殴りかかる
ライダー「怒りで我を忘れているな」
ライダー「さらに、弱いパンチだ」
首なしライダーは男の胸ぐらを掴み、持ち上げる
553: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:48:08 ID:7sLdf6eHp.
男「お前のせいで、お前のせいで!」
ライダー「そう喚くなよ、小僧。俺はここに存在するために一日一台車を追い抜かなきゃならんのだ。ここら辺は車通りが少ないし、お前の両親は運がなかったな」
男「何が運がなかっただ!お前が存在しなきゃいいじゃないか!」
ライダー「それは無理な話だ。車を追い越してなかったら、俺の体は勝手に動くんでな」
ライダー「それに"見えてるくせに"などの都市伝説と比べれば、俺はだいぶ公平だぜ。何せ、勝負に勝てばいいんだからな」
男「じゃあ、じゃあ俺と、勝負しろ!」
554: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:49:22 ID:iVrzPrlVFw
道路の中央線上に置かれている二本のポール。その間、ちょうど100m
ライダー「ハハハ!死後の俺にケンカを売ったのは小僧、お前が初めてだ」
ライダー「この勝負でお前が負ければ、おそらく小僧、お前は事故死だ。後悔すんなよ」
男「こっちのセリフだ」
勝負の内容は100m走。命懸けの、レース勝負
555: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:50:34 ID:Y3jQYCeSEs
黒人「くっ……!」
リチャードは銃を構える
黒人(手が震えて、照準がブレる)
黒人(せめて一発、奴に!)
黒人「当たれぇぇ!」
リチャードの願い虚しく、銃弾は、惜しくもポールを直撃した
そして、この発射音が100m走のスタート合図となった
556: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:51:49 ID:EX/HMkcDGw
-残り90m-
ライダー(突然の銃声に戸惑ったか、小僧よりも俺の方がスタートダッシュは速い)
ライダー(あの黒人、俺に当てるつもりだったんだろうが、俺を助ける形になったな)
-残り50m-
ライダー(流石にバイクばっかり乗ってたせいか、俺の方が足が遅いな)
ライダー(横に並ばれたか)
557: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:52:56 ID:x6L/rRQKLU
-残り10m-
ライダー(互角、いや、小僧の方が一歩前に出ている)
ライダー(だが悪いな小僧、俺は負けられないんだよ)
首なしライダーは手を伸ばす
後ろから、男を引っ張るために
558: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:54:09 ID:mTdLBohn9A
しかしふと、あの時のことを思い出した
敵対していた暴走族の罠に引っ掛かった時のことを
ライダー(ああ、ダメだ。これじゃあ、あのクソッタレ共と同じじゃねぇか)
首なしライダーは手を戻す
-残り2m-
-残り1m-
-残り0m-
559: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:55:22 ID:XsHBS5fZCU
男「勝っ…た」バタン
気が抜けたのか、男は倒れる
ライダー「これが、負けか。ハハハ、ハーハッハッハ!」
ライダー「初めて正々堂々と負けたが、なかなかいいものだな、こういうのも」
ライダー「…小僧、お前達とお前の両親を事故にあわせて、すまなかったな」
そう言い残し、首なしライダーは消えた
560: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:56:35 ID:Mn/3Knfxbg
男「最後にいい奴ぶりやがって、勝手に消えてんじゃねーよ」
男「くそっ、ちくしょう…」
たとえ勝負に勝っても、たとえ首なしライダーが消えても、もう両親は戻ってこない
だが、首なしライダーはただ、運命に抗えなかっただけでいい奴なのだと男は気づいた
やり場のない怒りをどうすればいいのか悩むが答えが出ないので、そのうち男は、考えるのを止めた
561: 名無しさん@読者の声:2012/1/31(火) 22:55:02 ID:HRQ8xIAunA
カーズ様ww
首なしライダーのキャラが好きだったから寂しいな…
CCC
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