季節は春――
出会いと別れの季節
今年、高校2年生になった男にも、出会いがあった。
後輩「ねぇ、男先輩、僕の話を聞いてくれません?」
男「だが断る。この男のもっとも――」
後輩「それじゃあ話しますね」
男「あれぇ!?」
※このSSはフィクションです
登場する人物、団体、地名、一部の都市伝説などの名称はたぶんすべて架空のものです
また、物語の進行上、現実に存在する都市伝説の設定を一部変えているので、そこら辺ご了承くださいまし。
あと、文章や内容変でも大目に見てやってください(切実)。
509: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/21(土) 16:58:22 ID:kCJ7IWQLus
季節は秋――
運動、読書、食欲などなどに満ち溢れる季節
だが秋も深まった頃、友には殺意が満ち溢れていた
第三部 友編 START
510: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/21(土) 16:59:52 ID:rcYVC/WIFc
?「もしもぉし、こちらお客様の解したい人間を私が解す、解し代行の"解し屋アマン"でぇぇす」
友(本当に繋がった!)
友「誰でも、殺すのか?」
アマン「失礼でぇぇすがお客様、"殺す"ではなく"解す"でございまぁぁす」
友「どう違うんだ?」
アマン「違いは別にありませぇぇん。強いて言うなら、言葉の響きでぇぇすかねぇ」
511: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/21(土) 17:01:24 ID:LDvZZ1bmmI
アマン「あと、どうやら私達の業界では"殺す"とは使ってはいけないみたいで。"ぶっ殺した"なら使ってもいいみたいでぇぇすよぉ」
友「……それで、質問に答えてもらおうか?」
アマン「誰でも解しますよぉ。本当に、誰でも」
アマン「ただし、それ相応の代償は失ってもらいますけどねぇ」
友「代償……俺と最も親しい人物の魂か」
アマン「正解でぇぇす。ま、今回は初めてのお仕事なので、お客様は特別にタダにしてあげまぁぁす」
512: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/21(土) 17:03:00 ID:1uPHLrvNvI
友「男、という人物を解してほしい」
アマン「了解でぇぇす」
アマン「あ、日時は私が勝手に決めますのでぇ」
友「分かった。最後に一ついいか?」
アマン「何でぇぇすかぁ?」
友「そのしゃべり方、ウザいぜ」ピッ
友(電話しちまった後であれだが、本当にこれでよかったんだよな?)
友「あいつが死ねば、俺のところに来てくれるよな、鏡……」
513: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/21(土) 17:05:44 ID:7sLdf6eHp.
家にて
男「北海道へ旅行?」
鏡「そ。あたいら人間同盟だけでね」
男「ああ、その話聞かれたくないからトリックを女の家に泊めたのか」
口裂「そういうことになるわね」
514: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/21(土) 17:07:29 ID:cV1AHLUmO.
男「明日の連休から北海道ね。いいんじゃねーの?俺も久々に家でゴロゴロできるし」
テケテケ「男は来るんだよ」
男「何でだよ?俺は人間同盟じゃねーぞ」
テケテケ「いや、男はもう20%ぐらいは人間同盟だね」
男「それほとんど人間同盟に含まれてねーじゃねーか」
男「それに、急に俺来たら予定狂うだろ」
515: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/21(土) 17:09:48 ID:OtPuZtNxN6
口裂「大丈夫よ。元々あんたも来る予定だったから」
口裂(というかそのための旅行だし)
メリー「というわけで来なよ、男!」
メリー(というかこの旅行の目的はテケテケと男をくっつけるためだし)
男「そうか?何か気を使ってもらって悪いな」
鏡(あたいらの気はテケテケに使ってるけどね)
516: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/21(土) 17:12:12 ID:F2cjRmPnz6
男「でも、どうやって行くんだ?車はないし、バスや電車で行くにしてもテケテケが目立つだろ?」
大家「そこら辺は大丈夫。都市伝説のことを知ってる知り合いに車を出してもらうから」
男「大家さん……いたんですか?」
大家「そのセリフは予想できてたよ。とりあえず、移動手段は大丈夫だと思っていてくれ」
男「まあ、分かりました」
517: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/21(土) 17:14:24 ID:uQPO4zle2c
部屋にて
男「北海道、か」
男(俺の両親は四年前、北海道に行く途中に事故にあった)
男(そこは事故るような道でもない、むしろどうやって事故ったんだと思えるような場所)
男(でも何故か、事故多発地帯)
男(というのを、四年前警察の人達が話していたのを思い出したな)
男「……寝よう」
518: 名無しさん@読者の声:2012/1/21(土) 20:28:01 ID:gbWhdOcPAg
>>508
東方で全部取得したが……これでは不満か?
519: 名無しさん@読者の声:2012/1/22(日) 03:51:36 ID:jD7cUAyoro
よし追い付いた!!
花子さんはきっと胸が成長してると信じてる…しかし骸骨さんも好きだハァハァ
あ、これ置いときますね
っCCCC
520: 名無しさん@読者の声:2012/1/22(日) 11:29:52 ID:EDf04Jpibk
友人キャラ変わったな…
男頑張れ!成長しろ!
CCC
521: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/22(日) 16:29:06 ID:rcYVC/WIFc
>>518東方はあまりよく分からないので……
ちなみに元ネタは竹取物語です
>>519支援ありがとー!
ちょ、ガイコツさんでハァハァすんなww
花子ちゃんが巨乳かどうかは想像にお任せします
>>520支援ありがとー!
友はシリアスな時はシリアスに
ギャグな時はギャグにキャラチェンジします
男は……
駄目だ!まるで成長していない!
あと、またまた皆様のおかげでランクインすることができました!ありがとうございます!
7位。ラッキーセブンです。結構好きな数字です!
522: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/22(日) 16:30:54 ID:Hwuqpvf2x2
朝にて
男「三十八度四分か」
鏡「うぅ…」
テケテケ「男、メリーちゃんも熱出てるよ!」
男「それじゃあ、今回は止めとk」
鏡「いやダメだ!行ってこい!あたい達のせいで旅行に行けないなんてことになったら、あたい達が気を使っちまうだろ」
523: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/22(日) 16:32:50 ID:.cEX9H328w
鏡「それに、看病でトリックを呼んどいたからね。心配なんて無用だよ」
男「そうか?じゃあ、そこまで言うなら行ってくるよ」
テケテケ「お土産は期待しててね!」
鏡「頼んだよ」
メリー「おいしいのお願いね!」
524: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/22(日) 16:34:04 ID:/0856AJwQo
鏡「……行ったか」
メリー「作戦成功だね!」
鏡「本当、事前にカイロを脇に挟んどいて正解だったよ」
メリー「あと成功するには」
鏡「テケテケ次第、だね」
525: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/22(日) 16:35:28 ID:NX2Wz2rkgY
外にて
男「あ、もしもし、大家さん?」
大家「やあ、男君」
男「実は鏡とメr」
大家「僕も君に電話しようとしてたところでね。実は口裂けさんが熱出しちゃってね。悪いけど僕らは今日は行けないよ」
男「そうなんですか?実はかがm」
大家「ああ、でも安心してくれよ。車はちゃんと出せるから、君達は楽しんできてくれ。じゃあね」ピッ
男「電話切らないで!俺にもしゃべらせて!」
526: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/22(日) 16:37:12 ID:KYav5sRe9I
男(とりあえず、迎えの車が来たら理由を話して今日は行きませんよと言っておこう)
テケテケ「あれじゃない?」
男「早いな。……あれ」
男「あれ、リムジンだ!」
テケテケ「長いねー」
男「しかも黒塗りだ!何、マジであの大家さん何者なの!?」
527: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/22(日) 16:39:07 ID:w1YC/L5Ruc
黒人「Hey!! Are you OTOKO?」
男「い、YES!!」
男(な、何なんだ!?リムジンから降りてきたこのガタイのいい黒人さんはぁ!?)
運転手「リチャード、止めなさい。その子怖がってるわ」
黒人「Oh…sorry」
528: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/22(日) 16:41:12 ID:R7VUO775j2
運転手「初めましてね。私が今回の旅行の運転を勤めさせてもらいます」
運転手「そしてこっちの人が私の夫のリチャードよ。今回のボディーガードを勤めるわ」
男(ただの旅行に、ボディーガード!?)
運転手「ああ、リチャードと話したかったら、これを食べてね」
男「何ですかこれ?こんにゃく?」
運転手「ほんやくこんにゃくよ。あの大家が作った」
男(二十二世紀の道具を一人で作った!?だから何者なんだよあの大家!)
529: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/22(日) 16:46:49 ID:R7VUO775j2
今回はここまで!
前に影君あたりが言ってましたが、明日から一週間は俺の未来がかかった重要な資格試験がありますので、おそらく更新できないと思います。本当にすみません!
530: 名無しさん@読者の声:2012/1/22(日) 18:41:24 ID:wfm2.VqjDI
構わん。しっかり受けてしっかり受かってこい!!
っCCCCCCCCCCCCC
531: 名無しさん@読者の声:2012/1/22(日) 19:54:55 ID:CtXxZyuyE.
頑張ってくださいね!
皆カワユス(;´д`)ハァハァ
っCCCCCC
532: 名無しさん@読者の声:2012/1/24(火) 14:44:32 ID:TAPoUxc0hM
支援あげ!
この機会にもう1度最初から読んだけど、やっぱ1番好きだわ
これからの展開気になる!
533: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 13:50:35 ID:08xWFNoxq6
やっと終わったー!
筆記は余裕でしたが、実技がちょっとイマイチだたね
>>530支援ありがとー!
しっかり受けてきましたよ!
しっかり受かるかは置いといて
>>531支援ありがとー!
柄にもなく頑張っちゃいましたよ!
これからはあまり可愛いキャラが増えないから、今のうちに堪能しといてね!
>>532支援ありがとー!
最初から読んでくださったうえに一番好きと言ってくださりありがとうございます!
これからの展開は割とシリアスになります
534: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 13:52:10 ID:T2kk9rvpGo
車内にて
男(結局断れずに乗ってしまった…)
テケテケ「わあ!ジュース出てきた!お菓子も!」
男(まあ、テケテケが楽しそうならいいか)
テケテケ「男も飲みなよー!おいひいよー!」
男「テケテケ?何かお前変……これ、酒じゃねーか」
テケテケ「えへへー」
535: 名無しさん@読者の声:2012/1/29(日) 13:52:49 ID:1aFvdodAX.
おかえりー!!!ヽ(´∀`*)ノ
そして おつかれー!!!
536: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 13:53:31 ID:26sb4Yo6GA
運転席にて
運転手「どう?リチャード。あの子達の様子は」
黒人「ああ、楽しそうにしてるよ」
運転手「そう。それならいいわ」
黒人「ところで、先程から我々を追ってきている奴は何者だ?」
運転手「追ってきている奴ですって?」
後部カメラの映像を映す画面には、首のない人間がバイクに乗って走っている姿が映っていた
537: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 13:54:44 ID:pAumUGRTew
〜首なしライダー〜
とある道を走るときは注意が必要です
車を走らせていると突然後ろに現れるライダー
そのライダーには首がなく、追い越されると死亡事故を起こしてしまうという
もちろんこの首なしライダーにも由来があります
彼はその昔、そこらじゃ有名な暴走族のヘッドをやっていた
ある日、彼は敵対していた暴走族にとある勝負を持ち掛けられた
その内容は、どちらが先にバイクでゴールまでたどり着けるか
いわゆる、レース勝負というやつです
538: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 13:56:04 ID:F2cjRmPnz6
〜首なしライダー part2〜
勝負が始まってすぐは、敵対していた暴走族のヘッドが勝っていましたが、中盤に差し掛かり彼が追い抜いていきました
何だ、遅いじゃないかと彼は思いましたが、それは敵対していた暴走族の狙いでした
ゴール直前、敵対していた暴走族があらかじめセットしていたワイヤーに、彼は当たってしまった
それは彼の首にちょうど当たり、彼の首は跳んでいった
それからです
チームのために負けられない彼が、前に走る車を相手と勘違いして追い抜いていくようになったのは
彼がちゃんと負ければ、彼は落ち着くかもしれません
運転手さん、あなたにそれができますか?
539: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 13:57:21 ID:tjzieSylDQ
運転手(へぇ、あれが)
運転手「リチャード、狙撃して」
黒人「了解」
リチャードはあっという間にライフルを組み立て
黒人「Target lock on」
照準を首なしライダーに合わせ
黒人「Fire!!」
540: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 13:58:46 ID:Hwuqpvf2x2
黒人「命中だ」
運転手「そう。流石ね」
黒人「…いや、命中したが、無傷だ」
運転手「何ですって?」
首なしライダーは少しよろけたものの、何事もなかったかのように追いかけてくる
運転手「幽霊に銃弾は無意味ってわけね。いいわ、スピードで相手してあげる」
541: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 14:00:20 ID:82B4MVQ.gk
後部座席にて
男「何だ、今の音……銃声?」
テケテケ「ねぇ男ー、外に変な人いるよー!」
男「それは酒の飲み過g」
男(あ、なんか首ない人いる)
542: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 14:01:44 ID:hp6EhyVi/I
運転席にて
黒人「おい、隣に来てるぞ!」
運転手「分かってる」
黒人「もっとスピード出さないt」
運転手「分かってるってば!」
運転手「要は抜かれなければいいんでしょ」
運転手「男君、テケちゃん、聞こえるかしら?ちょっと振動くるから、何かに掴まっときなさい」
そう言うとリムジンを横にし、長い車体で首なしライダーの行き先を塞いだ
543: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 14:05:06 ID:8vWoWZFDA.
今回はここまで!
>>535ただいまー!
ホント疲れたので今から寝ます
できれば今日の夜にまた更新したいです
544: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 21:39:08 ID:lFfB67AY/A
後部座席にて
男「掴まるもの?」
テケテケ「じゃあ男に掴まるー!」
男「いや、そんなことやってる場合じゃ…」
男「うわっ!」
少しの振動のその後、何かがリムジンにぶつかった
545: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 21:41:06 ID:iVrzPrlVFw
少し前、運転席にて
首なしライダーは、バイクを犠牲にして跳んだ
例)ヨッシー
運転手「うそ…抜かれた!」
黒人「お、おい!あっちから車が来た!」
モブA「ブレーキがきかないぃぃぃ!」
546: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 21:43:22 ID:5NcIsSSwMw
そこには、大破した車とバイク、前方の形を歪めたリムジンがあった
ライダー「今日はラッキーだ。二台も仕留めた」
ライダー「これで、明日は走らなくていい」
ライダー「ハハハ、ハーハッハッハ!」
その声は、首なしライダーの着ているジャケットのドクロから聞こえた
547: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 21:44:56 ID:HRQ8xIAunA
リムジンにて
男「うぅー…痛っ」
テケテケ「……」
男「おい、テケテケ!大丈夫か!?」
テケテケ「……」スヤスヤ
男「寝てるだけか、よかった」
548: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 21:47:19 ID:lFfB67AY/A
運転手「どうやら、無事のようね」
男「運転手さん……!酷い、ケガだ」
運転手「私はまだ大丈夫よ。けど、私を庇ったリチャードは結構ヤバイわね。あと、ぶつかってきた車の人は、たぶんもう……」
男「何で、こんな…」
運転手「それは、あそこで高笑いしてる奴に聞く…のね」バタン
男「運転手さん?運転手さん!」
549: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 21:49:14 ID:JmyCuwL9V2
男(テケテケ、運転手さん、リチャードさん、知らない人……何で、こんなことに)
ライダー「ハーハッハッハ!」
男「おい、そこの首なし野郎!」
ライダー「ハーハッハッハ!」
男「…おい、そこの首なし野郎!」
ライダー「ハーハッハッハ!」
男「ちょ、ちょっと待って。そういうナチュラルな無視止めて!」
550: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/29(日) 21:50:37 ID:CO20nL.cqw
ライダー「お?小僧、あの事故で無傷だったか?運のいい奴め」
ライダー「む、小僧、お前見覚えがあるな」
男「は?」
ライダー「そうだ、四年前だな。事故を起こした車の中にあった家族写真」
ライダー「四年前なのに、小僧、お前全然変わってないな」
551: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:45:40 ID:EDf04Jpibk
男「どういう、ことだよ?」
ライダー「俺は恩恵関係なく生まれつき完全記憶能力というものがあってな」
男「そうじゃねーよ。俺の両親は、お前が殺したのかよ!」
ライダー「間接的な原因は俺かもしれないが、直接的な原因はただの事故だ」
男「うるさい!黙れ!」
ライダー「小僧、お前から聞いてきたくせに理不尽だな」
552: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:46:50 ID:4bhoiYs27A
男「返せよ、たった二人の両親なんだ!」
ライダー「そりゃ大抵がそうだろ」
男「うるさい!」
男は、首なしライダーに殴りかかる
ライダー「怒りで我を忘れているな」
ライダー「さらに、弱いパンチだ」
首なしライダーは男の胸ぐらを掴み、持ち上げる
553: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:48:08 ID:7sLdf6eHp.
男「お前のせいで、お前のせいで!」
ライダー「そう喚くなよ、小僧。俺はここに存在するために一日一台車を追い抜かなきゃならんのだ。ここら辺は車通りが少ないし、お前の両親は運がなかったな」
男「何が運がなかっただ!お前が存在しなきゃいいじゃないか!」
ライダー「それは無理な話だ。車を追い越してなかったら、俺の体は勝手に動くんでな」
ライダー「それに"見えてるくせに"などの都市伝説と比べれば、俺はだいぶ公平だぜ。何せ、勝負に勝てばいいんだからな」
男「じゃあ、じゃあ俺と、勝負しろ!」
554: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:49:22 ID:iVrzPrlVFw
道路の中央線上に置かれている二本のポール。その間、ちょうど100m
ライダー「ハハハ!死後の俺にケンカを売ったのは小僧、お前が初めてだ」
ライダー「この勝負でお前が負ければ、おそらく小僧、お前は事故死だ。後悔すんなよ」
男「こっちのセリフだ」
勝負の内容は100m走。命懸けの、レース勝負
555: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:50:34 ID:Y3jQYCeSEs
黒人「くっ……!」
リチャードは銃を構える
黒人(手が震えて、照準がブレる)
黒人(せめて一発、奴に!)
黒人「当たれぇぇ!」
リチャードの願い虚しく、銃弾は、惜しくもポールを直撃した
そして、この発射音が100m走のスタート合図となった
556: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:51:49 ID:EX/HMkcDGw
-残り90m-
ライダー(突然の銃声に戸惑ったか、小僧よりも俺の方がスタートダッシュは速い)
ライダー(あの黒人、俺に当てるつもりだったんだろうが、俺を助ける形になったな)
-残り50m-
ライダー(流石にバイクばっかり乗ってたせいか、俺の方が足が遅いな)
ライダー(横に並ばれたか)
557: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:52:56 ID:x6L/rRQKLU
-残り10m-
ライダー(互角、いや、小僧の方が一歩前に出ている)
ライダー(だが悪いな小僧、俺は負けられないんだよ)
首なしライダーは手を伸ばす
後ろから、男を引っ張るために
558: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:54:09 ID:mTdLBohn9A
しかしふと、あの時のことを思い出した
敵対していた暴走族の罠に引っ掛かった時のことを
ライダー(ああ、ダメだ。これじゃあ、あのクソッタレ共と同じじゃねぇか)
首なしライダーは手を戻す
-残り2m-
-残り1m-
-残り0m-
559: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:55:22 ID:XsHBS5fZCU
男「勝っ…た」バタン
気が抜けたのか、男は倒れる
ライダー「これが、負けか。ハハハ、ハーハッハッハ!」
ライダー「初めて正々堂々と負けたが、なかなかいいものだな、こういうのも」
ライダー「…小僧、お前達とお前の両親を事故にあわせて、すまなかったな」
そう言い残し、首なしライダーは消えた
560: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/31(火) 21:56:35 ID:Mn/3Knfxbg
男「最後にいい奴ぶりやがって、勝手に消えてんじゃねーよ」
男「くそっ、ちくしょう…」
たとえ勝負に勝っても、たとえ首なしライダーが消えても、もう両親は戻ってこない
だが、首なしライダーはただ、運命に抗えなかっただけでいい奴なのだと男は気づいた
やり場のない怒りをどうすればいいのか悩むが答えが出ないので、そのうち男は、考えるのを止めた
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