季節は春――
出会いと別れの季節
今年、高校2年生になった男にも、出会いがあった。
後輩「ねぇ、男先輩、僕の話を聞いてくれません?」
男「だが断る。この男のもっとも――」
後輩「それじゃあ話しますね」
男「あれぇ!?」
※このSSはフィクションです
登場する人物、団体、地名、一部の都市伝説などの名称はたぶんすべて架空のものです
また、物語の進行上、現実に存在する都市伝説の設定を一部変えているので、そこら辺ご了承くださいまし。
あと、文章や内容変でも大目に見てやってください(切実)。
472: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/12(木) 22:34:16 ID:HRQ8xIAunA
トイレ内にて
口裂「それじゃあ、メリーちゃんがいない間に喚びますか」
女「はーなこさん、遊びましょ!」
鏡(最近の女には恐怖心が感じられないね)
トリック「返事がありませんわね」
?「は、はわわ!ちょっと待ってくださいね!い、今準備しますので!」
473: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/12(木) 22:35:49 ID:JHQ4S3COq2
?「えっとえっと…は、はーい!えっと、ゴム跳びと鬼ごっこ、どっちぎゃ…か、噛んじゃった…どっちがいーい?」
口裂「セリフぐらいちゃんと言いなさい」
鏡「というか覚えときな」
?「は、はいぃー…」
メリー「ゴム跳び!」
トリック「あなたが答えるんですか?」
その時、女子トイレの個室の扉が開き、中からおかっぱ頭の少女が現れた
?「はわわ、はじ、初めまして!私が花子です!」
474: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/12(木) 22:37:45 ID:MUzm5huzkw
トイレ前にて
男「騒がしいな」
テケテケ「そ、そうだね!」
テケテケ(うー…男と二人きりになるの久しぶりだから少し緊張するー)
男「そういえば、七不思議には危険な奴はいないって言ってたけど、トイレの花子さんって危険なんじゃないか?」
テケテケ「そんなことはないよ。ただ彼女…」
メリー「キャー!」
男「メリーの悲鳴!?」
テケテケ「行ってみよ、男!」
475: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/12(木) 22:40:14 ID:jxqyWeIlMs
トイレ内にて
テケテケ「大丈夫!?」
メリー「キャー!(≧▽≦)かわいい!」
花子「は、はうー…や、やめてください…」
トイレの中では、メリーさんが花子さんとじゃれあっていた
男「…何やってんだ?」
口裂「この子、かわいいモノを見るとじゃれあいたくなるのよ」
男「やっぱ設定多いな」
476: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/12(木) 22:44:07 ID:xxOM4LzQbA
花子「え、えっと、ゴム跳びでしたよね?」
メリー「うん!」
男「おい、ゴム跳びって、首吊らされるんじゃ…」
花子「い、いえ、あの、それは事故なんです…」
女「事故?」
花子「はい、昔もゴム跳びと言われたことがありまして、ゴム跳び用のゴムを慌てて出したら手が滑って上手い感じに輪ができて、そしてまた上手い感じに天井に引っ掛かりまして…」
花子「そうしましたら、遊びに来た子が偶然にも転んでしまい、あんな事に……」
男「それもう事故っていうかドジっ娘だよ!」
鏡「シャレかよ」
口裂(ドジっ娘っていうレベルでもないでしょうに)
477: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/12(木) 22:45:53 ID:rlYMgCn8Ik
トイレ前にて
女「それじゃあ、次はどこ行く?」
トリック「校内で残っているのは演劇部だけですし、部室に行ってはどうでしょうか?」
女「それもそうだね。ところで、あそこで落ち込んでる人がいるのは何で?」
テケテケ「……」男とあまり話せなくて後悔
男「……」流石にあのツッコミはないな、と後悔
鏡「……」ヤバい、ツッコミいれてしまった、と後悔
口裂「人生には、いろいろあるのよ」
トリック「あの程度の悩みで人生を持ち出さないでください!」
478: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/15(日) 01:48:02 ID:iTGy3EI1C2
演劇部部室にて
演劇部の部室内、小道具の側にあるパイプ椅子に、一人の少女が腰掛けていた
少女の手には、白雪姫の台本が握られている
?「あら、いらっしゃい(棒)」
?「分かっていると思うけど、私が、殺された演劇部の女子高生よ(棒)」
男「棒読み!?」
479: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/15(日) 01:49:16 ID:Y3jQYCeSEs
?「そうね、スターとでも呼んでちょうだい(棒)」
男「そんな話し方でスターになれると思うなよ!」
口裂「ある意味星にはなってるけどね」
スター「別に、スターになりたくてこんな呼び方にしたわけじゃないわ(棒)」
スター「本名から取っただけよ(棒)」
480: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/15(日) 01:50:38 ID:UN9y8cEVAc
女「さっきから思ってたんだけど、スターは演技上手いのが嫉妬されて殺されたんだよね?」
スター「そうよ(棒)」
メリー「お世辞でもとてもそうは思えない」
メリー(棒読みの演技してるんじゃないかな!)
男「メリー、逆だ。心の声言ってるぞ」
メリー「ハッ!」
481: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/15(日) 01:53:12 ID:sI.hF1SVaE
スター「仕方ないわね(棒)。それじゃあ、この白雪姫からイジワルな継母のセリフを言ってあげるわ(棒)」
スター「ああ!鏡よ鏡よ鏡さん、世界で一番美しいのは、だ・あ・れ?」
鏡「そんなことあたいに聞かれても…」
男「大丈夫、お前には聞いてねーよ」
テケテケ「それにしても、上手だね!」
スター「分かった?(棒)私の演技力(棒)」
口裂(画面の向こう側の人には伝わらないわね)
482: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/15(日) 01:54:51 ID:s06.1JbxN2
男「まあ、上手いのは分かったけど、何で素は棒読みなんだ?」
スター「演技以外で感情なんて邪魔、そう思ってるの(棒)」
男「高校生から本格派!?」
スター「ただ、私にも演技できないものがある(棒)」
トリック「それは何ですの?」
スター「恐怖よ(棒)。数十年前、私が殺されたあの時の恐怖(棒)。あれを忘れないかぎり、私は恐怖の演技はできないわ(棒)」
483: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/15(日) 01:56:25 ID:QL1ePmvFR6
正面玄関にて
テケテケ「なんか、かわいそうだったね」
トリック「そうですわね…」
女「でも、今思えばガイコツさんだって殺されたんだよね。予算がないからって……」
口裂「花ちゃんも、いじめが原因なんだから殺されたようなもんね」
男(そして、これから俺達が会いに行く奴も、殺された人間、か…)
484: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/15(日) 23:18:28 ID:fmVm5SDO2A
正門にて
驚くことに、正門近くの桜の木には季節外れの桜の花が咲いていた
そして、桜の木の枝に一人、学ランを来た少年が座っていた
?「君達がここに来たことは、すでに影から聞いている」
?「おっと、自己紹介がまだだったね。僕の名前は"桜"。都市伝説、桜の木の下に埋まる男子学生だ」
桜「そして、チーム七不思議のリーダーでもある」
485: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/15(日) 23:20:05 ID:fmVm5SDO2A
男(こいつが、あの個性的な奴らを纏めるリーダーか)
桜「僕の恩恵は桜の花を咲かせる。どんな木にも咲かせることができる」
桜「と言っても、春以外だとすぐに枯れるんだけどね」
桜「ところで聞きたいんだが、"やればできる"って言葉、エロくね?」
男「へ、変態だぁー!」
486: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/15(日) 23:21:26 ID:w1YC/L5Ruc
桜「変態とは失礼な。だって"やればできる"だぜ?ナニをヤれば何ができるんだって思うだろう?」
男「思わねーよ!ってか何でいきなりそんなこと聞いた!?」
桜「あと思ってるのがね」
男「まだあんの!?」
口裂「みんな、特にメリーちゃん、耳を閉じときなさい」
メリー「分かった!」
487: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/15(日) 23:23:20 ID:7Z2YiUeokA
桜「世界史でのことなんだけどね」
男「どうせアヘン戦争がアハン戦争に見えたとかだろ」
桜「え、君そんなこと思ってたの?うわっ、引くわー…」
男「!?」
桜「僕が思ってたのはね、女真族っているじゃん。僕はそんな名前なんだから当然女だけの部族だと思ってたのよ」
男「あんたの考えの方が引くわ!」
桜「それがあれだよ。何だよヌルハチって。おっさんじゃねーかよ。純情な男子高校生の心を踏みにじられたよ」
男「あんたの言動からは純情さが感じられねーよ!あとヌルハチに謝っとけ」
488: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/15(日) 23:24:45 ID:wb5M/vrMhE
桜「まあ、これでだいたい僕のキャラが伝わっただろう」
男「変態ってことしか分からんのだが」
桜「さて、本題に入らせてもらおう」
桜の顔が真剣になる
桜「君達にはもう、帰ってもらう」
口裂「それは、どういう事かしら?」
489: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/15(日) 23:26:33 ID:Y3jQYCeSEs
桜「もう君らを楽しませる奴はいないんだ」
女「それは、あと二人はいないってこと?」
桜「ちょっと違うな。二人には会えない、だよ」
テケテケ「でも、人事担当だった影さんは?」
桜「影は、元人間でね。あいつも僕と同じく殺されたらしい」
桜「人間に出会うことに僕やスター、ガイコツ、そして花子はもうだいぶ慣れたが、あいつはまだ怖いみたいなんだ」
トリック「そう、だったのですか…」
490: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/15(日) 23:29:16 ID:XsHBS5fZCU
桜「それに、君達の生死にも関わってくるからね」
男「七不思議の七番目、か」
桜「その通り」
桜「だから君達には、お帰り願いたいんだ」
女「そういうことなら、仕方ないね」
鏡「ああ、そうだね」
桜「まあ、ここに来るのは大丈夫だから、また暇だったら来てほしい」
メリー「うん!」
491: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/1/15(日) 23:31:00 ID:iVrzPrlVFw
それから夜が明ける前に、男達は家に帰った
七人中五人が殺されているチーム七不思議
彼らは全く、怖い存在ではありませんでした
本当に怖いのは、罪を犯しておきながらものうのうと生きている
人間の方なのかもしれません
第二部 女編 END
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