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私は私
[8] -25 -50 

1: ◆R.iBuJXktQ:2011/9/22(木) 23:41:14 ID:sZFT6sQ9z2
注意

このスレには捕食、虐殺、首跳ねのようなグロ成分が含まれています。

直接的な表現は極力減らしていますが、苦手な人はすぐに戻ってください。



68:
◆MEIDO...W.:2011/10/19(水) 09:29:16 ID:kkv4gh8dE.
ルーシーに告白されたのはいつだろうか。もう、かなり時間が経った気がする。未だに、私の正体を話せていない。やはり、なかなか勇気が出ない。

話しても、受け入れられなかったら、私は居場所を失ってしまう。損得の問題ではないが、損の部分があまりにも大きすぎる。

しかし、最近、ルーシーが私の方を見て何かを考えているのを良く見る。ルーシーの為にもそろそろ話べきなのだろう。
69:
◆MEIDO...W.:2011/10/19(水) 09:29:38 ID:dvdpxsOS7k
「ルーシー……今日家に帰ったら話すよ……」

言ってしまった。もう後戻りは出来ない。私の中に勇気も無ければ後悔もない。あるのはこれから起こるであろう事への不安だけだった。

「……わかりました」

ルーシーは覚悟を決めたような顔で返答してきた。それを見て、少しだけ手が震えた。

その日はお互い店を閉めるまで話すことはなかった。
70:
◆MEIDO...W.:2011/10/19(水) 09:29:59 ID:kkv4gh8dE.
相手がいるのに会話のない食事というのはなんとも味気ない。しかし、これから大切な話をするのに何を話したらいいのだろうか。日常会話をするにも、いきなり天気の話をするわけにもいかないだろう。

そんなこんな考えているうちに、全て食べ終えてしまった。
71:
◆MEIDO...W.:2011/10/19(水) 09:30:51 ID:dvdpxsOS7k
「ルーシー、良く聞いて……」

テーブルの向かい側に座るルーシーは険しい表情をしていた。

「私は……」

後少しという所で言葉が出なくなった。次の言葉で全てを失うかもしれないという恐怖が言葉を止めている様にも感じた。

「私は……人間じゃない……」

一瞬、そんな感情をねじ伏せて、言葉を外に出してみると、何か吹っ切れたように感じた。ルーシーは声には出さなかったが、驚きがそのまま顔に現れていた。

「私はスライムなの……」

椅子から立ち上がり、ルーシーから私の全身が見える位置まで下がり、服を全部脱いだ。そして、少しずつ体の色を私の本来の色に戻していく。

72:
◆MEIDO...W.:2011/10/19(水) 09:30:58 ID:kkv4gh8dE.
体全体が半透明の青色に戻った。ルーシーは私の体を見ているだけで、何も言ってくれない。私はどうしたらいいんだろうか。

「私の生殺与奪の権はルーシーが持っているから、好きなように言ってほしい」

「確かに私の予想の斜め上を行ってましたね……」

ルーシーは険しい表情からうっすら優しさを感じ取れるような表情をしていた。

「種族が違ってもミシェルさんはミシェルさんじゃないですか。私は嫌悪感なんかより、むしろ知的好奇心みたいなものを感じますよ」

その言葉で、張りつめていた緊張の糸が切れたのか、足に力が入らなくなり、床に膝をついてしまった。さらに、涙まで溢れてきた。スライムには涙を流さないのかもしれないが、実際に目から水が出てるから涙だ。

「えっ!わ、私なんか変なこと言いました?」

「ただ嬉しくて……」

涙を拭くときにチラリとルーシーがホッとしている顔が見えたが、吹き終わったときには普段の顔をして、手を差し伸べてくれた。

「これからもよろしくお願いします」

「もちろん!」

私はしっかり手を握りしめ、立ち上がり、二人で笑った。

これからも私は私でいることが出来るようだ。
73:
◆MEIDO...W.:2011/10/19(水) 09:44:08 ID:dvdpxsOS7k
ここまで読んでくださった方がいるかはわかりませんが、一応

「私は私」を読んでいただきありがとうございました。「私は私」は『一応』完結です。

もう一度言いますが、『一応』完結です。

それでは、ありがとうございました。
74: 名無しさん@読者の声:2011/10/19(水) 12:52:22 ID:A44jxRf7zc
面白い
読んでますよーC
75: 名無しさん@読者の声:2011/10/19(水) 17:55:33 ID:Z/5gMg0gNA
続編きぼんぬ
76: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 00:25:49 ID:XKnEMUdELw
いつも支援してましたー
乙です!!
私も続編希望。
77: ◆MEIDO...W.:2011/10/20(木) 07:24:21 ID:weA6l9wvtU
>>74
ありがとうございます。

>>75
えっ、なんのことやら←

>>76
ありがとうございます。続編?何それ?美味しいの?←



続編は無いけど、私は私四部始めるよ!

一応sage進行ね!
78: ◆MEIDO...W.:2011/10/20(木) 07:26:12 ID:weA6l9wvtU
「お久しぶりね、皆さん。私の事覚えているかしら?『まともじゃない人間』でわかると良いんだけど。いかがだったかしら、今までの話は?一応はハッピーエンドなのかしらね?まあ、言いたいことは多々あると思うけど、物足りない気がしない?十分なら十分で良いけどね。ここから先に進めば、本当の結末までたどり着けるかもしれないわ。でも、世の中知らない方が良いこともあるわよ。ただ別のハッピーエンドにたどり着くかもしれないかもしれないし、とんでもないエンディングにたどり着くかもしれない。進みたいなら、ご自由に。じゃあ、私はこれで」
79: ◆MEIDO...W.:2011/10/20(木) 07:26:58 ID:weA6l9wvtU
日の出より早くに目が覚めた。雨だからわからないが、時間的には日の出前のはずだ。稀にあることだから、別に気にしないつもりだったのだが、何か嫌な予感がする。寝ている余裕もなさそうなので、さっさと着替えることにした。

日が昇った頃に雨は止んだが、やはり嫌な予感はまだ私の中にあった。それに、何かが足りない。視覚的には変化はないから、おそらく感覚的なものが足りない。
80: ◆MEIDO...W.:2011/10/21(金) 16:20:43 ID:C.YeTEqF1I
ルーシーが家にいなかった。日が昇ってからまだそれほど時間も経っていない。足りないものはスープの匂いだった。この時間にはもう作り始めているはずなのに。

また出かけるとも聞いていない。それに、家の中で僅かに血痕を見つけた。朝から感じていた嫌な予感はこれだったようだ。探そうにも、あまりにもヒントが無さ過ぎる。

そして、会いたくない奴に出会った。
81: ◆MEIDO...W.:2011/10/21(金) 16:21:05 ID:/4TxF8mZnI
「何しているの?」

怪しい場所にまともじゃない怪しい人間を足すと何か。簡単だ。容疑者だ。

「ルーシーはどこだ?」

「さあ?店じゃないのかしら?」

まず優先すべきはルーシーであり、こいつじゃない。言われた通りに店に急いで店に向かった。
82: ◆MEIDO...W.:2011/10/21(金) 16:21:28 ID:/4TxF8mZnI
店には鍵がかかっていた。人差し指を変形させて、強引に鍵を開けて、店に入った。店の中は薄暗くよく見えないが、中央に誰かが椅子に座っているのがわかる。ゆっくり近づいていくと、裸の女性が椅子に縛り付けられながら、うなだれていた。私はその女性を知っている。

「ルーシー……」

急いで縄をほどいて、商品の毛布でくるんで、床に寝かせた。所々に傷があるが、ちゃんと脈はある。
83: ◆MEIDO...W.:2011/10/22(土) 22:03:44 ID:YepzLr4ZbA
「あいつら自白剤まで使ったのね。一般人にまでこんな事をするとはね」

背後から先ほど聞いたばかりの声が聞こえてきた。

「あなたは!」

振り向いて、色々罵声やら何やらを浴びせたかったが、私が続きを言うより早くに口を手で押さえられた。

「今、私に色々言っている場合?このままじゃその子死ぬわよ?もし助かっても、廃人ね」

確かに、ルーシーの目は見開かれていたが、焦点が全くあっていなかった。端から見ても、普通の状態ではない。

「あなたに選択肢を提示してあげる。一つ目、このままこの子のそばにいて、この子が死ぬのを待つ。二つ目、この子を助ける方法を探す。三つ目、この子を置いて帰る」

ふざけた選択肢だ。二番目に決まっている。しかし、喋ろうにも未だに口を塞がれていて、喋ることが出来ない。

「四つ目、この子をこんな目に合わせた奴らを殺しに行く。その間に私がこの子を治療する」

その後、あいつは私の口から手を離した。
84: ◆MEIDO...W.:2011/10/22(土) 22:03:50 ID:5V2pnSlcCU
「……あなたはいったい何なの?何がしたいの?」

提示された選択肢に選択権があるようで無いようなものだ。それにこいつにルーシーを救う術があるというのか。

「私はあいつらが鬱陶しい。あなたはこの子を助けたい。利害の一致ね」

それにこいつの言う「あいつら」とは誰のことなのだろうか。

「で、行くの?行かないの?」

「……行く」

こいつに命令されるのはなんとなく癪だが、私にはルーシーを助ける方法を知らないからしょうがない。
85: ◆MEIDO...W.:2011/10/23(日) 16:20:56 ID:DjGow5sBJA
「敵は国の諜報部の雑魚二人。馬鹿だから、夫婦石持ってたわ。雑魚で馬鹿だけど、そこらの冒険者よりは強いから気をつけなさい」

私の聞き間違いでなければ、こいつは「国」と言った。いったい何者なのだろうか。だが、今はそんなことはどうでも良い。

「本当にルーシーは助かるんでしょ?」

「もちろん。なんなら契約書でも書きましょうか?」

「行ってくる」
86:
◆MEIDO...W.:2011/10/23(日) 16:21:25 ID:ldp/oNwss.
雨上がりというものは好きだ。正確には雨上がりの後の狩りだが。そんな事を考えていたのはいつだっただろうか。狩りも久しくしていない。

人里近くになると色々面倒だが、人里に入られるとさらに面倒になる。奴らが人里に着く前になんとか追いつきたい。

なんと言っても、私の一番好きな狩り条件なのだから。

87: ◆MEIDO...W.:2011/10/24(月) 13:55:56 ID:4Nlnc0808U
馬という生物は速いのは良いのだが、非常に乗りにくい。私がただ乗り慣れていないだけなのかもしれないが、なかなか思うように言うことを聞いてくれない。時たま私を振り落とそうとしてくる。スピードが出ているときに振り落とされたら、核も無事ではないだろう。

夫婦石の引き付けが徐々に弱くなってきた。少しずつ離されているのがわかる。少し荒っぽいが馬には無理やり言うことを聞いてもらおう。
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