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壱国城、謁見の間
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壱王「よくぞ参った……魔力を持つ者、勇者よ」
魔者「……お呼びくださったこと光栄に思います、陛下」
壱王「そう畏まらずともよい、楽にせよ」
魔者「……おそれいります」
962: 少女:2012/5/1(火) 09:14:29 ID:KLMpaCsVQ2
壱姫「四大国の中には、まじないが文化となっている国や、魔法についての研究がなされてる国もある」
壱姫「──特に肆国では、魔法を莫大なエネルギーを発生させる手法として捉え、既に空間転移も理論だけなら完成されてる」
村娘「……壱姫が難しいこと言ってる……」
壱姫「ま、とにかく心配はないってことさ」ニコ
魔者「……」
963: 少女:2012/5/1(火) 09:14:52 ID:KLMpaCsVQ2
魔者「……相手の使う魔法についてもか?」
壱姫「?」
魔者「魔王に俺がこの間使った、人の動きを停止させる魔法を使われたらどうするんだ?」
壱姫「君、防げないの?」
魔者「わからん」
壱姫「なんで」ジト
魔者「今まで俺以外に動きを止める魔法使える奴なんかに会ったことねえんだから仕方ねぇだろっ」ムカー
964: 少女:2012/5/1(火) 09:15:19 ID:KLMpaCsVQ2
壱姫「……使えないなあ……でもまあ、多分大丈夫でしょ」フウ
魔者「何でだよ」イラー
壱姫「それも、肆国に行ったらわかるさ」ニィ
魔者「それ──」
村娘「……話、終わった……?」
魔者「!」
側近「そろそろこの方を起こしてもよろしいでしょうか」ニコ
965: 少女:2012/5/1(火) 09:16:26 ID:KLMpaCsVQ2
**「」グテッ
壱姫「側近」
側近「はい」ドガッ
**「はぐっ!?」ハッ
魔者「えええええええええ」
**「あ、あれ……? ど、どうなってんだ?」
壱姫「いきなり君が気絶したんだよ」
**「そ、そうか……?」
魔者「えええええ……」
966: 少女:2012/5/1(火) 09:16:50 ID:buY.QArEr2
壱姫「さ、聞かせてもらおうか……君が何者で、どこから来て、何故ボクたちを見て逃げ出したのか?」
**「……」
壱姫「黙秘は敵対と見なすけど」
シャキーン
**「……短刀っ!?」
魔者「おどすなよ」
壱姫「脅しじゃなくて本気だよ?」ニコ
**「」ビクー
967: 少女:2012/5/1(火) 09:17:17 ID:KLMpaCsVQ2
**「お、俺は……村人だっ、この、村の……!」
壱姫「……!」
側近「では何故、我々を見て逃げ出したのでしょう?」
**「……」
壱姫「正直に言いなよ」ギロ
**「ヒッ……あ、怪しくて」
壱姫「……君は中々失礼だね」ニコ
村娘「……横暴だー……」
968: 少女:2012/5/1(火) 09:18:07 ID:buY.QArEr2
側近「貴方が本当にこの村の村人だとおっしゃるなら……お教えいただけませんか」
**「な、何を……」
側近「他の村人の行方です」
**「……!」
壱姫「村がすっかり空だ……一体何があった?」
**「…………」
魔者「大丈夫か、顔が真っ青だぞ……」
969: 少女:2012/5/1(火) 09:18:45 ID:KLMpaCsVQ2
**「……アンタたち、魔王の手先じゃないんだよな?」
壱姫「まだ言ってるの、それ……」ウンザリ
側近「違いますよ、それに先程申し上げましたように、危害を加えるつもりはございません」
**「……そ、……うか……」
壱姫「? どうしたのさ」
**「…………──占いなんだ」ボソ
魔者「え?」
**「……占いに出たんだよ! 魔王が魔界からやって来るって! もう人間はおしまいだ!」
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