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壱国城、謁見の間
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壱王「よくぞ参った……魔力を持つ者、勇者よ」
魔者「……お呼びくださったこと光栄に思います、陛下」
壱王「そう畏まらずともよい、楽にせよ」
魔者「……おそれいります」
848: 少女:2012/3/30(金) 21:58:18 ID:RXvz35mO86
盗賊「……でもやっぱ寂しい」ウルー
村娘「……まだ言うのか……」
魔者「一言どこいった」
壱姫「そうですわね……それでしたら、こちらに良いものがございますけど」ニッコリ
女頭「?」
壱姫「ボイスレコーダーと言いまして、人の音声を録音、再生する我が国の機械ですわ」
村娘「……そんなもんがあるのか……」
849: 少女:2012/3/30(金) 21:59:20 ID:RXvz35mO86
壱姫「こちらをプレゼント致します」
盗賊「……それで何すりゃいいんだよ」グス
壱姫「再生は何度でも出来ますから、寂しい気分になったときなどに勇者様方のお声をお聞きください」ニコニコ
盗賊「……へーえ」
**「ええー、兄貴だけずりーなあ!」
盗賊「やらねえからな、俺のだぞ」フフン
850: 少女:2012/3/30(金) 22:00:06 ID:Y038A0Kxjs
魔者「あーよかった、盗賊の機嫌治って……」
側近「それでは、録音をしなければ」
壱姫「いい、もうしてある」
側近「…………、もしや」
盗賊「え? これもう聞けるのか?」
壱姫「お聞きになります?」ニーッコリ
側近「…………」
851: 少女:2012/3/30(金) 22:00:30 ID:Y038A0Kxjs
壱姫「こちらが再生ボタンになります」
盗賊「……、押すぞ?」
…カチャッ………ザー…
盗賊「……? 何も……」
壱姫「しーっ」
…………ム………
**「あ、今!」
……ムラムスメ…………
女頭「すげえ、魔者の声だ……」
852: 少女:2012/3/30(金) 22:01:16 ID:RXvz35mO86
……ハイ………………
村娘「……私だ……」
魔者「いつこれ録ったんだ?」
壱姫「今わかる」ニコー
…………ニ……
女頭「……『に』?」
……ニアッテユゾ…!………
盗賊「……え?」
853: 少女:2012/3/30(金) 22:01:43 ID:RXvz35mO86
──ガタガタドサーッ
壱姫「あらどうなさったんですか、いきなり椅子から落ちたりして」ニッコリ
魔者「い、い、今のまさか……」
……キ……キレイダ…………
魔者「うわああああああああああああああああああああ!!?」
側近「……姫様、やはりあれは」
壱姫「そ、昨日言ってた最終兵器。 ……ね、非人道的でしょ?」
854: 少女:2012/3/30(金) 22:02:55 ID:RXvz35mO86
盗賊「ありがとうお嬢さん、これを毎晩寝る前に聞いて耐えてみるよ」キラキラ
魔者「毎晩って元からそんな頻度で会ってないだろうが!!」
壱姫「いえ、つまらない物ですが、お心をお慰め出来たようでよかったですわ」ニコニコ
魔者「本当につまらないと思ってるなら贈るな! つーか贈らないでくれ頼むから!」
盗賊「頑張れよ魔者、俺はいつでもお前を応援してるぞ!」キラキラ
魔者「お前もさっきからその無駄に爽やかな笑顔やめろ!!」
855: 少女:2012/3/30(金) 22:04:00 ID:Y038A0Kxjs
女頭「あー、魔者も成長したなあぁ……」グスグス
**「まだ子どもだったあの頃が懐かしいですねえ」オイオイ
魔者「そこはそこで泣くな! 昔を懐かしむな! なんとも言えない表情で俺を見るな!!」
**「大きくなって……」
魔者「待てお前新入りだろ! むしろ小さい俺を知らねえだろ!」
盗賊「」ニコニコキラキラ
魔者「……まじで今からでいいから、データ消してくれええええええっ!!!!」
856: 少女:2012/3/30(金) 22:04:25 ID:Y038A0Kxjs
側近「相当恥ずかしがってらっしゃいますね」
壱姫「いざというとき役に立つかなと思って録音しといたんだけど、やっぱり知人が一番ダメージ大きかったみたいだね」ニコー
側近「ご婚約者様の方はなんということもなさそうですね」
村娘「………………」ボソ
壱姫「え?」
村娘「…………は、恥ずかしい……」///カアア
側近「…………」
壱姫「…………、なんかごめん……」
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