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壱国城、謁見の間
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壱王「よくぞ参った……魔力を持つ者、勇者よ」
魔者「……お呼びくださったこと光栄に思います、陛下」
壱王「そう畏まらずともよい、楽にせよ」
魔者「……おそれいります」
774: 少女:2012/3/19(月) 21:58:03 ID:gJJmjmSKaM
壱姫「そういえば、質問をしてもよろしいでしょうか?」
女頭「ん、私? いいよ、どうぞ」
壱姫「どうして山賊をやってらっしゃるのでしょうか」
女頭「……そりゃまた、いきなりな質問だね」
壱姫「すみません、……けれど正直な疑問です」
村娘「…………」
775: 少女:2012/3/19(月) 21:58:40 ID:5DJx43eGmI
壱姫「山賊の仕事は割に合わないとおっしゃってらしたでしょう?」
女頭「まあねー」
壱姫「そして、察するに討伐屋が主な収入源……」
女頭「……」
壱姫「山賊をやめて討伐屋に専念した方が、稼ぎはいいでしょうに」
女頭「……お嬢ちゃん」
壱姫「はい」
776: 少女:2012/3/19(月) 22:00:35 ID:gJJmjmSKaM
女頭「世の中、頭で考えるようにはうまくいかないもんじゃない?」
壱姫「……」
女頭「そーゆーことさねー」
壱姫「……納得出来ません」
女頭「…………、んー」
壱姫「……」
女頭「……アンタには、立場的に言いにくいけどさ」
777: 少女:2012/3/19(月) 22:01:15 ID:gJJmjmSKaM
女頭「……ほら、公に行動してたら色々なものに縛られちゃうでしょ」
壱姫「……ああ」
女頭「守るべき立場や、土地と財産、周りとの関係とか……あるじゃない」
壱姫「……」
女頭「そんなのに邪魔されて、したいことが出来ないのは嫌だからね」
778: 少女:2012/3/19(月) 22:02:16 ID:5DJx43eGmI
壱姫「……しかし、集団で行動している以上、そのようなものをどうやってもついてくるのでは?」
女頭「んー、あいつらはほら、家族だからさあ」
壱姫「……?」
女頭「そりゃ血は繋がっちゃいないけど……家族は、他人とは少し違うじゃない」
壱姫「……」
女頭「出来が悪かろうとひねくれてようと、嫌いにはならないよ」
壱姫「────」
779: 少女:2012/3/19(月) 22:04:28 ID:gJJmjmSKaM
女頭「まあ、私らのはなりたくてなった『家族』なんだから、本物の家族とは違うだろうけどさ」
壱姫「──あ、はい……」
女頭「わかってくれるかね?」
壱姫「はい……、なんとなくですが」
女頭「よかったよかった」ニカニカ
村娘「……難しい……」
壱姫「はは、ボクも」クス
女頭「……」
女頭「──……それに、「『正義の味方』なんて反吐がでるしね」ボソ
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