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教室で盛大にゲロ吐いた

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Part2
624 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 23:09:00.65 ID:EvwU9/xM0(45)
U本「えっもってないの!? マジで!?」
U本が驚きながら聞いた。
拳「友達いねーから持っても意味ねーじゃんかw」
拳が返す
俺「持ってるでしょw 俺見たことあるよw」
言っちまった。いや、反射的に。流れ、テンポもよかったので。
拳は苦笑しながら俯いた。
T畑「なんで嘘つくの〜ww」
U本「あっ、いやならいいんだけど・・・・。」
拳「いや、すまん。 嫌ではない。 携帯もってないとか渋い〜とか言われたくてなw」
T畑「思わないからw」
拳は携帯を取りだした。
俺はおそるおそる拳を見た。
拳は「お前なぁ」 と言いたそうな苦笑いを浮かべていた。

642 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 23:19:20.60 ID:EvwU9/xM0(45)
拳が赤外線での交換を珍しそうにみている。
U本「はい拳君。」
拳「あっごめん。やりかたわかんねーや。」
U本「あっ じゃあ貸して。 うん。できるよこれ。」
拳「皆よく知ってんなあ。」
拳は見た目は制服でもお洒落なか感じがわかるが思考は結構おっさんくさい。
今時珍しい感心な子をアッピールしたU本に関心を示したり、
携帯に疎かったりメアドが今時電話番号にaつけただけだったり。
 
U本がメアド交換を終えて「やったw」とか言いだした。露骨に好意をアッピールしている。
それが拳のメアドをゲットしたからであって俺のメアドはどうでもいい事は全人類がわかる。
しかし俺は人生初のかーちゃん以外の女の電話帳登録という快挙をナシトゲタ。
俺はありがたそうに 「U本さん」「T畑さん」 と登録した。

651 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/14(火) 23:26:57.92 ID:EvwU9/xM0(45)
放課後、拳が「お前んちってどこ?」と聞いて来た。
俺「○○のとこ。」
拳「俺も今日一回帰るし、一緒に帰るか。」
俺は「まさか凹られるのでは!?」と思いながら
俺「あ、ホントゴメン」
と思わず言った。
拳「あ、なんか用あんのか。」
拳はなんで謝られているのかわかってないよだった。
俺は「えっいやなんもないよw 帰ろう。」と答えた。
拳「なんだそれw」
そして帰る電車の中で俺は拳の男前ぶりをまざまざと見せつけられた。

664 ::2007/08/14(火) 23:37:22.15 ID:EvwU9/xM0(45)
電車の中、下校の高校生でかなり混んでいた。
俺と拳は運良く座る事が出来、はなしをしていた。
拳「T畑って奴キレーな顔してんな。」
俺「うわ やっぱそう思うんだ。」
拳「なんだよw」
俺「気にいったの?じゃあメールすればいいじゃん。」
拳「気にいったってどんだけ上から目線なんだよw俺は殿様かよ。」
俺「あ、ごめん」
拳「いや、まあメールはめんどくせーからしねーけどな。返してねーし。」
さっそくメールきてんのか・・・。俺には来てないぜ!!と思っていると、
立っている高校生たちが急に動きだした。
なんだろうと思って見てみると、人だかりがまっぷたつになって道をあけている。
というより、よけている。
その人の割れ目をモーゼの如く進んできたのは、140センチくらいの女子生徒だった。
盲目用の杖をついている。 彼女は、一目で盲目と分かる顔をしている、
顔に目と呼べるようなものがないのだ。 

682 :1 ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/14(火) 23:47:26.50 ID:EvwU9/xM0(45)
その女生徒は顔の眉がある部分が腫れあがり、顔面奇病のようになっている。
その腫れが、目まで覆いかぶさり目を完全にかくしている。
正直、俺も最初「うわっ。」って思った。
その女子を見る周りの学生達の目は、奇異な化け物を見るような眼差しだった。
皆が思っていることが容易に予想できた。
「キモい。」だ。
その女子が、座席の端っこあたりに立って、喋った。
「ここ空いてますか? ここ空いてますか?」
当然、空いていない。 立ってる奴もごまんといるんだ。目が見えなくてもわかるんじゃないのか。
そして端の席に座っている男子学生2人は「うわ。キモ。」と言いたそうな半笑いの表情で
彼女を嘲笑している。
俺は「あれ×高の制服だけど障害者専用の学校になんでいかないんだろう」とか考えてた。


700 :1 ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/14(火) 23:55:04.08 ID:EvwU9/xM0(45)
「ここ空いてますか? ここ空いてますか?」
しつこく女子が何度もきいている。
すると拳が立ちあがり、彼女の方に向かっていった。
拳「こっち空いてますよ。」
そういうと彼女の手を取り、自分の座っていた席、つまり俺の隣へ誘導し、
彼女を座らせた。
女子「あ、ありがとうございますー。」
拳「いや。」
そういう会話を交わすと、拳は周りの学生たちの方を向き、
「何見てんだコラ」と言わんばかりの眼光で睨みつけ、
彼女の応答に答えなかった学生二人を軽蔑の眼で見下ろした。
俺も席を思わず立った。

730 :1 ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 00:04:02.57 (p)ID:0H/L4uAQ0(9)
駅を降り、その事で話をした。
俺「拳君すごいね。」
拳「なにが。」
俺「いや、席ゆずってあげたし。」
拳「はあ?」
俺「あ、ゴメン。」
拳「なんで謝んだよwまあいいや。 あのさー 俺あの子と手ー繋いだじゃん。」
俺「うん。」
拳「あん時俺手かんなり汗ばんでたからちょっと焦ったわw」
俺「・・・・・。」
拳という人物が分かった気がした。
なぜか拳は周りから賞賛される事を嫌う。かっこつける事を嫌う。
でも、困っている人間は放っておけない。
正義ぶるつもりもないので、照れ隠しの為に乗客を睨みつけ、わざと悪役になろうとする。
不器用で真っ直ぐで、とても意志の強い人間。
と、家に帰って考えていたらひどく鬱になり、
「俺もああいう風に生きるぜ!」と決心した。
でも、次の日には根本的なものが違うという事を悟った俺。さすが俺。

753 :1 ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 00:15:35.79 ID:0H/L4uAQ0(9)
6月も終わりにさしかかった。
U本達が体育の時に4階からみていた。 俺は気づいていた。
種目はソフトボールだった。
俺は当然の如くピッチャーゴロ。そしてオカマ走り。死にたい。
拳の打順が回ってきた。 
クラスではおとなしい拳だが、運動能力の高さはクラス中が知っている。
守備が一斉に遥か後方へ下がった。
そしてピッチャーは投げ、拳は予想通りかっとばした。
打球はグングン伸び、拳はやる気がなさそうに走りランニングホームラン。
U本がそれを見てはしゃいでいるのが分かった。軽く鬱になる。
俺が拳にそれを教えてやると、拳は次から控え目にバットを振り、わざとアウトになっていた。

782 :1 ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 00:31:37.91 ID:0H/L4uAQ0(9)
体育を終えて昼休み、U本とT畑が寄って来た。
U本「なんで最初以外やる気なかったの〜?」
拳「なにが。」
U本「野球野球。 体育の。」
拳「見てたのかよ。 やる気マンマンだったっつの。」
U本「ホントにぃ〜?w」
拳「その顔ムカつくw やめろw」
U本と拳はどんどん軽口を叩けるようになっていっている。
でもたまにいい感じになる空気になると冗談を言い逃げる。
T畑もだんだん拳の人柄に女を見せはじめている。
まあそれもそうだ。クラスでおとなしい存在なイケメンが、
話してみると気の利いたトークもできて落ち着いていて他の男子と比べると
月とスッポンほどに大人だ。おまけにスポーツ抜群で謙虚。そりゃ惚れるわ。
一方俺はどんどん鬱になる。
拳が気を遣ってくれるのも、鬱になる。

811 :1 ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 00:40:27.42 ID:0H/L4uAQ0(9)
7月に入る直前、U本達が急に寄ってこなくなった。
俺は拳に聞いてみた。
俺「U本さんとなんかあったの?」
拳「・・・いや。」
これだよ。大方U本が拳にコクって振られたとかそんな感じなんだろ!!
もう俺レベルになるとそんくらいわかっちゃうんだよ!!
だから聞いてみたね。親しくなった(?)T畑に。
俺「U本さんと拳君ってなにかあったの?」
T畑「いや・・・あたしがなんかあったっていうか・・・聞いてないの?」
俺「うん。」
T畑「そっか・・・・いい奴だなぁ〜・・ホント。」
こっこの野郎!! お前T畑か!!! T畑ふったんか!!
俺はなぜかやりきれない気持ちになってジタバタ暴れだした!!
もちろん、心の中で。

844 :1 ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 00:48:28.11 ID:0H/L4uAQ0(9)
拳はその日バイトがなかったという事で、一緒に帰った。
その途中、俺は勇気を出して聞いてみた
俺「T畑さんに告白されたの?」
拳「・・・聞いたんか。」
俺「あぁ、うん・・・・。ごめん」
拳「いや、ゴメンなw なんか嘘ついてたし俺。 なんもねーとか。」
俺「振ったの?」
拳「あー。うん。」
俺「そっか・・・。」
拳「おー。」
そして駅を降りて帰りの道、俺は初めて拳の心を見た。

891 :1 ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 01:00:09.56 ID:0H/L4uAQ0(9)
駅を降り、歩いている途中、拳が喋り出した。
拳「なあ。」
俺「はい。」
拳「なんかさー、U本とかT畑とかI谷とか、いい奴だよな。」
俺「あー、うん。 皆サバサバしてるしね。」
拳「おー。 なんかな・・・・。」
俺「・・・・・・?」
拳が泣いている。俺はすごく驚いた。
拳「なんでこんなんで壊れんだよ・・・・・。」
俺「・・・・・・。」
拳「ホント・・・・・つまんねーよ・・・・・。」
俺「・・・・・・・・。」
拳「あーあ・・・・・。」
俺「・・・・・・・・。」
俺は、こういうドラマみたいなセリフが吐けるのも、こういうセリフが似合うのも、
「やっぱイケメンだからだよなぁ。」とか、そう、思ってた。

936 :1 ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 01:10:59.53 ID:0H/L4uAQ0(9)
拳の男泣きを見てしまったのは驚いた。
多分父ちゃんが地団駄踏みながら号泣するとかより驚いただろう。
拳はすぐ気を取り戻し 珍しく声を張り上げ、
拳「女ってめんどくせーなーオイ!!w」
と言いながら俺の背中をバンと叩いた。
拳「ほんっとスマン。なんかお前もあいつらと絡みにくくなるだろ・・。ホントすまん。」
俺「いや、いいよいいよ。元々拳君目当てで寄ってきたんだしw」
拳「・・・・・・。」
あ。
拳「そういう事いうなよ・・・・。」
俺「だって事実じゃんw」
拳「・・・・・・・・・。」
あ。
拳「お前ってネガティブだな・・・・。」
俺「まぁ拳君みたいに顔も良くないし行動もキモいしねw」
拳「・・・・・・・・。」
あ。

27 :1 ◆3GcCm7z.d2 :2007/08/15(水) 01:24:16.31 ID:QVMKAGI0
拳「・・・・・・・。」
俺「え?え?」
多分拳は黙り、俺はヘラヘラしてた。
拳「・・・・・・・まあ、いいや・・・・。」
俺「え?え?」へらへら
なんだか許してくれたようなので、俺はなんか会話しなきゃと思い、聞いた。
俺「拳君って好きな子でもいるの?」
拳「っはwwww」
拳はなぜか笑った。多分苦し紛れなのがばれたのだろう。
拳「いるよ。」
俺「マジで。 同じバイトの子とか?」
拳「いや、前の彼女。」
俺「あー。」
まあ当然だとは思っていたが、拳が非童貞だと分かった俺は、
完全敗北の旗をかかげた。

37 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/08/15(水) 01:28:34.76 ID:QVMKAGI0
トリわすれたあああああああああああああ!!!!!

38 :1 ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 01:29:15.06 ID:QVMKAGI0
あ、おもいだした。
>>27は俺。

85 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 01:47:58.13 ID:QVMKAGI0
>>27の続き
俺「えっ元彼女とかヨリもどさないの?」
拳「んー、まあ。無理っぽいしな。」
俺「振られたの?」
拳「振られたっていうか・・あれだ、どっか行っちった。」
俺「・・・・・?」
拳「まーいーじゃん。 お前誰か好きな奴とかいねーの。」
俺「いやーいないっていうか、誰からも相手にされないしっていうか・・・ww」
拳「だからなんでそーいう事言うんだよってもういいや。なんかこーゆー話だめだww わりいww」
といった話をしながら帰路についた。

93 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 01:56:12.87 ID:QVMKAGI0
7月上旬、拳はU本のグループに近寄って行った。
U本やT畑となにやら話している。
よく考えれば拳からU本達に近寄っていくのは初めて見る。
と思った矢先拳が「わっはっは」と爆笑しだした。
と思ったらT畑が拳の腕をバシバシ笑いながら叩いていた。
なにを喋っているかわからなかったが、俺は「うおお。なんかうまくやりやがった。」とおもった。
と、思ったら、目の前であり得ない光景が起きた。

111 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 02:02:12.23 ID:QVMKAGI0
T畑が急に拳の前に立ちあがり、拳の両腕を握った。
拳は「?」という顔をしていた。
T畑はニコニコしている。
他の女子も??と言う顔をしている。
クラスの他の生徒も大半がそちらに目を向けた。
T畑は拳の握った両腕をぶんぶんと横に振ると、
拳にキスをしやがった!!!!!!
「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!wwwwww」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!wwwwww」
教室中は一斉に歓声につつまれた。
見ていなかった生徒は「え?なに?え?」とかいってる。
俺はずっと見ていたのに状況を把握できないでいた。

149 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 02:11:36.41 ID:QVMKAGI0
T畑は机に座りこみ授業中寝るあのかっこで足をジタバタさせている。
U本はなぜか机を叩きながら爆笑している!!お前拳好きだったんじゃないのかよ!!
なんていい奴なんだ!!惚れた!!
U本グループの女子たちはとにかくキャーキャー言ってる。
男子達はイケメングループの奴らはとにかく吠えている。
普通グループの奴らも笑っている。
オタグループはなんとも言えない顔。
そして拳は、まったく動じた様子もなく、
眉をつりあげ、口の片方を吊り上げ、
「この野郎ww」と言った表情で苦々しくもニヤリとしている。
騒ぎが収まった後、拳はT畑に向かって
「バーカww」
と言って席に戻っていった。
T畑は「バカでーすww」とかおどけている。が、顔真っ赤。バシバシ叩かれている。
なんかこう、俺は殺意が湧いた。


182 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 02:20:23.41 ID:QVMKAGI0
昼休み。
その日の拳は一躍時の人だな。と思っていたが
俺と拳の周りにはU本達だけが集まった。
男子は拳がやっぱりちょっと怖いんだろう。そういえばソフトで明らかに手を抜いても誰も何も言わない。
喧嘩が強い事なんてすぐにわかるし、なによりあの雰囲気。
女子たちもあまり仲良くないのでからかったりはしない。
俺は「拳はクラスでかなり得なポジションだったんだな」とか思った。
U本「(T畑)こっちきなよーーーー!!ww」
T畑「むーーーーーーりーーーーーーー!!!wwww」
「むーーーりーーー」ってお前、かわいいなあちくしょう。 拳SINE。

205 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 02:25:32.36 ID:QVMKAGI0
俺「なんかいいもの見せてもらったww」
俺は思ってもいない事を言う。
拳「知るかもう。(ぷいっ)」
拳、かわいいな。
俺「もう付き合っちゃえば?」
拳「ゲロよー・・・・。」
俺「なに?ww」
拳「俺こーいう甘酸っぱいの駄目だ・・。」
拳かわいいな。

224 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 02:31:33.16 ID:QVMKAGI0
放課後、もうT畑は恥ずかしさが一周回ってヤケクソになったのか、
T畑「一緒にかえろ☆」 拳の腕ぎゅっとして
とか半笑いで言いだしてんの。そんでまたU本たち「キャー」。 もう見てらんない。
拳はいつもの拳に戻り「バイトあんだよ。」とか言ってる。かっこいいじゃねえか。
亭主関白気取りか? ああ!? シャインよ!!

238 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 02:39:35.56 ID:QVMKAGI0
次の日、拳はめずらしくダルそうに登校してきた。
俺「バイトとか言ってT畑の家でヒーヒー言わせてきたんじゃねえのか!? ああ?!」
とか言ったらさすがにぶっコロされるので心の中で吐き捨てた。そして
俺「ダルそうだね。」普通にこう言う。
拳「昨日客多くてな。」
俺「そういえば拳君なんのバイトしてんの?」
拳「あー、バーテン。言うなよ。」
なんかもう・・・・シャインよ・・・。
落ち着いた雰囲気や仕草も女の扱い方もこれで合点がいった。
髭の生えた渋いマスターに気に入られて高校生でありながらバーテンダーってかぁ!!?
かっこいじゃねーか!! シャイン!! シャーーーイン!!

247 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 02:47:32.50 ID:QVMKAGI0
俺の嫉妬心は人生でこれほどまでに肥大した事はなかった。
イケメンの同級生を見ても、「どうせ中身カラッポなんだろwwww乙wwww」とか
心の中で自分に言い訳をすることができた。 自分も空っぽだが。
だがこいつは違う。
イケメンでありながらスポーツ万能、性格よし、やる事なす事かっこよくて嫌味がない。
こんな少女漫画にでてくるような奴が身近にいたら誰だってコロコロコミックしたくなるだろ?
もうやってらんねーよ。どうせ住む世界が違うんだい!!
と思ってたら、またも俺の気を逆撫でする行動に出た。

10 :1 ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 21:55:37.47 ID:0H/L4uAQ0(34)
今日はスポーツテストの1日目があった。俺は鬱がMAXになる。
今日の種目は50メートル、懸垂、走り幅跳び。
当然どれもやりたくない。帰りたい。
俺「拳君また体育の先生にびっくりされるんじゃない?w」
拳「陸上部もいるからそんな事ねーだろ。」
俺「1年の時どうだったの?」
拳「サボったw あん時他のバイトもしてて忙しくてさ 朝もたまに学校休んでてな。」
どーせ過剰に注目されるのが嫌で出なくてもまあいっかとか思ってたんだろ。
分かってる。 ゲロアンダースタンドだよ拳。 マジでシャイン。
俺「今日は本気でやるの?」
拳「さすがに体育やべーからな。点数はとっとかんと。」
俺「皆びっくりするんじゃない?」
拳「お前そこ推すなあw」

14 :1 ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 22:00:19.32 ID:0H/L4uAQ0(34)
50メートルのタイムを測る。
出席番号の上下で俺と一緒に走るのはS田、普通グループに属する普通の奴だ。
しかし圧倒的な差を広げられ俺のタイムは9秒2。うん。まあまあかな。
拳の番になった。一緒に走るのはなんちゃってイケメン野郎H岡。
拳は圧倒的な差を広げゴール。タイムは5秒7。盗塁王かお前は。
男子全員が沸く。
体育教師「すごいなお前w」
拳「・・・・・・・。」
体育教師「・・・・・・・・。」
拳は体育教師A木が嫌いらしい。
俺もこいつの教師の癖に運動音痴な生徒を嘲笑う態度はずっとムカついていた。
拳いいよいいよー。
拳は懸垂でも楽々20回を超え満点。満点を超えればやる必要もないので降りる。
体育教師「一応記録だから何回までいけるかやれよ。」
拳「もう限界でした。」
体育教師「本当か?」
拳「はい。」
A木が少し威圧的に言う。目を逸らさず一歩も引かない拳。A木ざまぁww
俺? 当然ぶら下がるのがやっとさ。

20 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 22:05:44.43 ID:0H/L4uAQ0(34)
中学の頃から思っていたが拳の運動能力は普通じゃない。
中学の時なんかは陰で「アンドロイド」とか「サイボーグ」とか言われてた。
俺はミュータントかなんかだと思っている。
走り幅跳びも馬鹿丸出しの記録を出し 2日後、今日は体育館でテストだ。
種目は握力、反復横飛び、ハンドボール投げ。
俺の握力は右32、左28。 悪くない。
そして拳の番になった。
拳の前の前にピザ柔道部のU見が75を出してクラスを沸かせている。
握力は左右平均69以上で満点だ。
男子全員がwktkして拳を見ていると、なんだかぎこちない感じでやっている。
すると脳まで筋肉教師A木が急に怒声を上げた。

28 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 22:10:24.74 ID:0H/L4uAQ0(34)
A木「真面目にやれ!!!」
拳「・・・・・・・・。」
A木「なんだ。」
拳「いや・・・・・・。」
男子生徒達が凍りつく。拳は不機嫌そうにそっぽを向くと思いきり握りこんだ。
そしてぶっきらぼうにA木に渡す。A木が握力計を見る。
A木「おっほwwwwww」
「おっほ」じゃねぇよ。何キロいったのか公開しろ。
拳が左の測定も終え俺の近くに帰ってくる。小さく舌打ちをしていた。
男子達が一斉に測定器にかじりつく。92キロだったそうだ。力士かお前は。
そして金曜日、俺が一年で一番鬱になるとも言ってもいい、
1500メートル持久走の日がやって来てしまった。

39 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 22:15:49.96 ID:0H/L4uAQ0(34)
俺「いやだなぁ・・・。1500.」
拳「スポーツテストってもっと年度始めにやるんじゃねーの普通。」
そんな事今いってねーだろボケ。シャイン。
俺「拳君って長距離が一番得意だったよね。」
拳「でもまぁ点数稼いだしな。」
俺「A木にはだいぶ嫌われただろうけどw」
拳「うっせw」
俺は元々口が悪い。1カ月で拳に軽口を叩けるようになったのもこいつの人柄のせいだろうか。
着替えている最中、拳はこんな事を言いだした。
拳「一緒に走るか。」
俺「やめてよ 余計にみじめじゃんw A木もまた怒るよw」
拳「あぁ・・・・そっか。すまん。 長距離苦手なんか?」
俺「いや スポーツ全般苦手だってw」
拳「っ・・・・・すいません。」
俺「いや、ごめん。いいよいいよ。思いっきり走ってよ。」
拳「ん、おう・・。」

49 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 22:21:59.59 ID:0H/L4uAQ0(34)
そして1500メートル測定前、A木が何故か上機嫌で拳に尋ねる。
A木「拳お前やっぱ長距離も得意か?w」
拳「・・・・普通です。」
拳がイノコMAXのような返答を愛想なく返す。
A木はなんとも言えない表情をしていた。「かわいげのねーガキだぜ」とか思ってるだろう。
多分1年だと思われる女子生徒が家庭科室から顔を出して見ている。死にたい。
どーせトップを独走してる拳を見て
「あの人すごーい ねー顔も超かっこよくない?」
とか言うんだろ。 はいはい。  シャインシャイン。
そして1500メートルがスタートした。
A木は拳に
「本気で走れよ。」
とか言われてた。
拳はフル無視。
ちょっと露骨すぎないか?

60 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 22:29:10.17 ID:0H/L4uAQ0(34)
グラウンド3周目。俺はずっと下を向いて走ってる。苦しい。死ぬ。
集団から大きく離され俺、普通グループの8田、オタグループのピザ下が遅れている。
A木が「拳お前真面目にやれーーーー!!」って怒鳴ってる。
お前ホントシャイン。 生徒は拳だけじゃないだろ。 さっさと懲戒免職。
脳筋馬鹿は教え子に飛び抜けた奴がいると嬉しいんだろうな。
でも拳はお前を嫌ってるんだよ!!
顔を上げて見てみる。拳は集団に紛れているようだ。
トップを独走っているのは陸上部のS藤。
もう駄目だ。苦しい。死ぬ。あと半分だ。頑張れ俺。
歩きたい。 でも歩くことはできない。
俺と一周差がついて拳が俺の横を追い抜いて行く事なんてあれば、
あいつはそんな事絶対にできない。
明らかなペースダウンにA木は激怒するだろう。
だからペースダウンはできない。 ちくしょう かっこいいじゃねぇか俺。 輝いてるぜ、俺。
俺は奇跡的に普通グループの8田とオタグループのピザ下に大きな差をつけていた。
これがスポーツでの優越感か!!
たまらん!

63 :ゲロ ◆ACIfjQMGPQ :2007/08/15(水) 22:32:41.65 ID:0H/L4uAQ0(34)
俺は1500メートルを人生最高とも言える頑張りで走り抜いた。
もう9割がゴールしてる。笑いたければ笑え。
俺は頑張った。自分で自分を褒めてあげたい有森優子。
という達成感も束の間やばい。過呼吸だ。やばい苦しい。死ぬ。
「ひっ・・ひっ・・ ひっ・・・」 とか言ってる俺かっこわるい。
案の定拳が「おい!大丈夫か!?」 と駆け寄ってきた。
他の生徒はフラフラなのにお前息あがってねーのか。サイボーグが。
拳「保健室いくか? おい、聞こえてんのか? 大丈夫か?」
俺「ひっ・・・ひっ・・・うん・・・・・っひっ・・・」
うわ。なんか泣いてるぞ俺。 もう俺にかまわないでくれ。 いや、嘘だ。誰か助けて。苦しい。
A木が拳に話しかけている。「おいお前全然本気で走ってなかっただろ。w」
その瞬間拳が珍しく怒声を上げた。
「んな事どーでもいいだろーが!! こいつ見えねーのかテメーは あああ!!!?」
拳がA木に掴みかかっているようだ。A木の反応は分からない。
拳が俺をおぶった。苦しいながらも拳がA木に向って
「テメーマジで教師やめろ。」
と言っているのが聞こえた。そして拳が走りだした。
病弱な生徒をおぶり疾走する拳、家庭科室の一年、惚れたな。
俺は朦朧とした意識の中で思った。 シャインと・・・・。

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結婚して子供が生まれても、働かずに遊び回り家にも帰らない、絵に描いたようなクズっぷりの>>1。しかし、ある日のこと、子供を保育園に迎えに行かなければならない事情を抱えるところから全てが始まる……。親と子とは何か? その本質を教えてくれるノンフィクション

妹の結婚が決まった

両親を亡くし、男手一つで妹を育て上げてきた兄。ついに妹が結婚し、一安心したところに突然義母から「元々妹なんて存在しなかったと思ってくれ」という連絡を受けてしまう。失意のどん底に居た兄を救う為、スレ民が立ち上がる!

急に色々気づいたら、死にたいって思った

積もり積もって七転び八起き◆3iQ.E2Pax2Ivがふと考えついたのが 「死にたい」 という気持ち。そんな中、一つのスレが唯一の光を導き出してくれた。書き込みしてくれる奥様方、なにより飼い猫のチャムちゃん。最後にはー‥七転び八起きとはまさにこのこと。

今から何十年も開かずの間だった蔵を探索する

よくある実況スレかと思いきや、蔵からはとんでもない貴重なお宝が…!誠実な>>1と彼を巡る奇跡のような縁の数々。人の縁、運命、命について考えさせられ、思わず涙するスレです

番外編「I Love World」

昨日、嫁の墓参りに行ってきた

>>1と亡き嫁、そして幼馴染みの優しい三角関係。周りの人々に支えられながら、家族は前に進む。

介護の仕事をしていた俺が精神崩壊した話

介護とは何か。人を支えるとは何か。支えられるとは何か。色々考えさせるスレでした。

彼女との待ち合わせで4時間待たされて着信拒否にした結果wwwww

拒むこと、諦めること、切り捨てることはとても容易い。それでも、もう一度だけ待ってみませんか。拒む掌の向こうの大切なもの、もう一度だけ見つめ直してみませんか。