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男娼「身請けしてくんない?」 少女「そんなお金ないですね」
Part7


148 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)15:41:35 ID:s9K
少女「今日家に帰ったら、吐血していました」
男娼「…」
少女「病院に駆け込むと、一命は取り留めたけど、大きな発作だったと言われて」
少女「今までの小康期はそろそろ終わるから、手術が必要だと…言われました」ギュ
男娼「そんなに悪いの、あの子」
少女「遺伝病で…。手術をしないと成人まで生きられないです」
男娼「その手術のお金、どうなのさ」
少女「想定していた額より遥かに高額でした。…貯金なんて、半分にも満たなくて」
男娼「ふうん」
少女「だから、…薬売りなんかより効率的な方法で、お金を稼ごうと思いました」
男娼「へえ」
少女「…以上です」
男娼「なかなか可哀相なお話だったよ。君、絵に描いたような不幸な人生を送ってるんだね」
少女「…」ギッ
男娼「睨まないでよ。ああ、怖い」

149 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)15:46:16 ID:s9K
男娼「僕も今まで座敷で色んな人間見てきたけどさあ」
男娼「君の生い立ちって、まんま男娼のそれと似ているよね。あはは、僕ら似ているよ」
少女「…」ギュ
男娼「怒っているの?だってそうじゃないか」
男娼「そんな大変なお荷物、捨ててしまえばいいのに。僕みたいに汚い仕事に落ちたいの?」
少女「お荷物なんかじゃありませんっ」
少女「…あなたには分からないでしょうね。弟は、私にとって…」
男娼「…」ボリ
少女「…何なんですか、あなた。人をそんなに馬鹿にしたいの」
少女「さっきから…助けてみたり、慰めてみたり、…けなしてみたり」
男娼「さあ。どうしてだろう」
少女「…お金、いりません」
少女「帰ります」
男娼「待ってよ」
少女「嫌です」スタスタ

150 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)15:49:12 ID:s9K
男娼「僕に啖呵切ったってどうしようもないじゃないか。お金は。どうするの」
少女「これは私の問題です。あなたには関係ないし、もう関わらないでください」
男娼「連れないことを言うなあ。僕、考えがあるんだけど」
少女「結構です」ガラ
男娼「…」
ガッ
少女「!」ビク
男娼「行かないで」
少女「…い、嫌」
男娼「……」グイ
少女「う、わっ」グラッ
ドサ
少女「い、痛っ…!なにすんのよっ」
男娼「行かないで、って言ってるじゃないか」ギシ
少女「…っ」

151 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)15:52:00 ID:Cxr
唐突な再開

152 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)15:53:40 ID:XI3
わっふるわっふる

153 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)15:54:08 ID:s9K
少女「ど、退いてよ」
男娼「嫌」ギシ
少女「ひ、人を呼ぶわよ」
男娼「ここは郭だよ?声なんか聞こえないし、聞こえても誰も助けないさ」
少女「やめて。…お願い、離れて」
男娼「なに、怖いの?」
少女「……」ゾワ
男娼「君、たかが男に跨られただけじゃない。…娼婦はもっとすごいことをするんだよ?分かってるの?」
少女「…っ」ブン
男娼「よい、しょ」ドサ
少女「ひ、きゃ……っ!?」
男娼「こうやってさ、何処の誰かも知らない男に」
男娼「…こんな風に、されるんだよ?」サワ
少女「……っ!」
男娼「あれ、泣いてる」クス
少女「嫌。…やめて…」
男娼「あはは、君、可愛いなあ」

154 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)16:00:14 ID:s9K
少女(…声が、でない)
少女(思いっきり叫びたいのに、暴れたいのに、動けない)
少女(…嫌だ。誰か…)
男娼「…ふっ」
少女「!」ビク
男娼「ねえねえ、耳くすぐったい?…それともふーってされて、きもちいい?」クスクス
少女「…」
男娼「君、すっごく温かいね。…それに、やわらかい」ギュ
少女「…ひっ」
男娼「良い匂い。…綺麗な匂いがする。汚れてない、綺麗な」
少女「や、だ。おねが…」
男娼「お客がみーんな、君みたいな人だったらいいのに」スリ
男娼「そしたら僕、汚れないでいられるだろうね。…ね、そう思わない?」
少女(…何、言って)
男娼「…羨ましい」
少女「…え」
男娼「うらやま、しい…」ギシ
少女「…!」

155 :明智光秀◆up0uojTooY :2015/05/24(日)16:04:35 ID:N2h


156 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)16:07:50 ID:s9K
少女「な、何」
男娼「…」モゾ
少女「……い、や。嫌っ…」
男娼「なんて」
男娼「ねー」パッ
少女「…え?」
男娼「あはは、びっくりした?君、予想以上にウブだったんだね」
少女「…」
男娼「まさかキスもしたことない?その歳で?あはは、子どもみたいだ」
少女「…」
男娼「悪かったよ。ちょっとからかいたくなっただけー」
少女「あ、…」
男娼「何。続きしてほしいの?」
少女「そんなわけないでしょ!」バン
男娼「おお、復活した」
少女(なんっっだこいつ!!ふざけんな!)カァ
男娼「まあまあ怒らないで。君が話を聞かないでどこか行こうとするのがいけない」
少女「…っ」
男娼「話ってはね、こういうこと」ガサ
少女(…なにこれ。箱?)
男娼「僕さあ、お金の管理とかめんどうで全部こうやってベッド下につっこんでんだよね」パカ
少女「!?」
男娼「幾ら位あるかなあ…」
少女(なな、何だこの大量の紙幣は…。こんなの、見たことない)クラ

157 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)16:11:43 ID:s9K
男娼「…ん。結構ある」ポフ
少女「…」ポカーン
男娼「はい」
少女「は?」
男娼「これ」ズイ
少女「…」
少女「え、何?」
男娼「鈍いなあ君。あげる、って言ってるの。これで手術させなよ」
少女「…」
少女「ええええええええええ!?」
男娼「良い反応だ。あはは」クスクス
少女「だ、駄目です。絶対、こんな大金!受け取れません!」
男娼「じゃあどうすんの?死ぬよ、弟くん」
少女「…っ」
男娼「それに誰がタダでなんて言った?君には代わりにしてもらうことがあるよ」
少女「え…」

158 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)16:16:01 ID:s9K
男娼「君はどうも他人に恩を売られることが嫌いなようだからね。条件付きなら、悩まないでいいだろ」
少女「で、も」
男娼「言っておくけど、娼婦で稼ごうなんて甘い考え捨てた方がいい。君の体が壊れる」
少女「…」
男娼「分かってる?君にはこれしかないの。…僕に頼るしかないんだよ」
男娼「…僕しか、いないの」ニコ
少女「…」ギュ
少女「…わ、私」
男娼「うん?」
少女「何を…したら。そのお金、くれるんですか…」ギュウ
男娼「…」クス
男娼「逆に、何ならしてくれるのかな?」
少女「それ、は」
男娼「君は僕に何をしてくれるの?」
少女「…」
少女(弟が、助かるなら)
少女「何でもします。…私にできること、全部」
男娼「…へえ」
男娼「そう。君、弟思いなんだね。本当に」

161 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)16:23:07 ID:s9K
少女「…」
男娼「君はお金で今まで散々見下してた男娼に買収されちゃったわけだ」
男娼「あはは、なんだかちょっとぞくぞくするね。気分がいいかも」
少女「…」
男娼「ねえ、悔しい?お金で自分の未来が買われるのって、どんな気持ち?」
少女「…っ」
少女「…私は、弟のためなら、なんでもできます。悔しくなんかありません」
男娼「…」
少女「だから…。どうぞ、好きなように言ってくれて構いません。私は、何とも思いませんから」
男娼「君、綺麗だね」
少女「…は?」
男娼「なんでもない」
男娼「んじゃ、契約成立ってことね。はいどうぞ」ポイ
少女「う、わっ」ズシ
男娼「君に貸した額は大きい。その分、君は僕の言うことを聞いてくれるんだね?」
少女「は、はい」
男娼「…分かった。じゃあこれからは毎日楼に来て。いい?」
少女「分かり、ました」
男娼「ふふ。いい子」

162 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)16:26:22 ID:s9K
男娼「じゃ、早く弟のところに行ってあげなよ。心配でしょ?」
少女「…」コク
男娼「ばいばい。また明日」ヒラヒラ
少女「…あ、あの」
男娼「ん?」
少女「本当に、ありがとうございます。あなたは私と弟の恩人です」ペコ
男娼「…」
少女「…さようなら」
バタン
男娼「…はあ」
男娼「変な子」ボフ
男娼「…」ポリポリ
男娼(さて、どう扱ってやろうかな)
男娼「…ふふ」

163 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)16:27:03 ID:XI3
借金まみれの薄幸少女……ええわぁ

164 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)16:30:42 ID:Fe7
貰っちまったら後はてきとー
なんて女が山ほどいる
先払いはホントだめ

165 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)16:34:21 ID:s9K
医者「…は?転院?」
少女「はい。今すぐ。首都の病院に移送してください」
医者「それは可能ですが、お金かかりますよ」
少女「…これで」
医者「…」パチパチ
少女「お願いします。弟を助けてください」
医者「わ、分かりました。…ええと、手術も行っていいんですね?」
少女「はい。必要な治療、全部してください」
医者「はい。では今日当たりに移送しますが…付き添いますか?」
少女「…いえ。私は、ここに残ります」
医者「そうですか。準備をしてきますので、良ければ弟さんとお話してきてください」
少女「はい。ありがとうございます」ペコ
バタン
少女「…ふー」
少女(やっちまったかな。…いや、でも。弟の命が助かるんなら全然気にならないや)
少女(弟。…頑張ってね。きっとすぐよくなる)

166 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)16:39:32 ID:s9K
弟「…」
少女「よっ」
弟「あ、ねえちゃん…」
少女(…顔色、悪いな。辛そう)
弟「僕…ごめんなさい。また、具合悪くなっちゃって」
少女「気にしないの。生きてたんだから、セーフよ」
弟「…僕、どうなってるの?」
少女「…大きい発作が起こったの。ちょっと危ないみたい」
弟「…」
少女「でも、大丈夫。私がなんとかするから。あんた、今日から首都の病院に入院ね」
弟「え、で、でも」
少女「手術も受けてもらうわ。これが終わったら、嘘みたいに良くなるんですって」
弟「でも…」
少女「お金なら何も心配しなくていいの!えへへ、がっぽり稼ぐ方法見つけちゃったから」
弟「ほん、と?」
少女「うん。…ただ、首都には私は行けない。あんた一人なの。そこが心配」
弟「僕、大丈夫。平気だよ」
少女「本当?寂しくない?」
弟「うん。男だもん」
少女「…」クス
少女「じゃあ、暫くばいばいだ。お互い頑張ろうね、弟。…いつだって応援してる」
弟「僕も。おねえちゃん、ありがとう」

167 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)16:42:41 ID:s9K
バタン
少女「…」
少女「大きくなったもんだ」
少女(…本当は、付き添いたいけど)
少女(…いや。贅沢なんか言わない。きっと成功するもん)
看護婦「あ、少女さん、ですよね」
少女「はい?」
看護婦「連絡が入っています。…今すぐ来て、と。差出人は…」
少女「…」
少女「分かりました。ありがとうございます」
看護婦「え?あ、はい…」
少女「…」
少女(負けるもんか)
少女(絶対)

168 :名無しさん@おーぷん :2015/05/24(日)16:46:25 ID:s9K
少女「…」
男娼「はい、詰み」パチ
店主「がぁああ…」
少女「あ、の」
男娼「…早かったね。ようこそ」
少女「…」
店主「お?少女ちゃん、今日は呼んでなかった気が…」
男娼「彼女、僕が買ったのさ」ジャラ
男娼「これから毎日僕の召抱えになってくれるんだって」
店主「は?」
男娼「ね、少女?」
少女「…はい」
店主「おいおい、どういうことだ」
男娼「まあ君に話すことじゃないさ。失礼するよ」
店主「…?」
男娼「おいで」
少女「…はい」
店主「…何なんだ、おい?」