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男娼「身請けしてくんない?」 少女「そんなお金ないですね」
Part12


265 :名無しさん@おーぷん :2015/05/29(金)23:43:09 ID:Gjf
青年「ちょっと、やだ。何なのよ」クス
少女「忘れてください…。なんでもないです」
少女(…青年さんに話したところで、何も変わらないし。第一そんな間柄じゃないよね)
青年「ちょっと、気になるじゃないの」
少女「えーっと、何か食べます?給仕呼びましょうか」
青年「おいこら、言いなさいってば」ペシ
少女「う。で、でも」
青年「言いたいことがあるなら言えばいいじゃないのー。こっちは暇なのよ。何でも聞けるわ」
少女「…」
青年「何、遠慮しないで。私達もう友達じゃない」
少女「…あはは」
少女「青年さん、って。いい人ですよね」
青年「…何よ。からかってるの?」
少女「いえ。乗って欲しいです、相談に」
青年「いいわよ。どんと来なさい」ドン

266 :名無しさん@おーぷん :2015/05/29(金)23:47:15 ID:CUt
青年姐さんいいキャラだなw

267 :名無しさん@おーぷん :2015/05/29(金)23:48:36 ID:Gjf
少女「……って、ことが。あったんですけど」
青年「何それ、やらしい」
少女「…やめてください。真剣な話なんです」
青年「大体最初からおかしいと思ってたのよねえー」ズイ
青年「あいつ、やっぱあんたのコト狙ってんのよ。だって目がマジだもの」
少女「ね、狙ってる?」
青年「絶対そうよ!あんたが薬売りとして来ていたときも、様子が変だったし!」
少女「まさか、そんな」
青年「あんた恐ろしいくらい危機感ないわね…。男知らないんでしょう」
少女「い、今それ関係ないです」
青年「…お金で囲ってるあたり、本気度は疑いようもないけど」
青年「…本当、柄じゃないわね…」
少女「で、その…。夕方の件は、一体何なんでしょうか」
青年「汚い、とか汚れる、とか行ってたんでしょう?…まあ、そのまんまよ」
少女「…?」
青年「多分あいつ、私達が思ってる以上にあんたを潔白なものだと思ってるんだわ」トン

268 :名無しさん@おーぷん :2015/05/29(金)23:54:33 ID:Gjf
少女「潔白?私が?」
青年「そ。実は私、結構あいつとは付き合い長いんだけど」
少女「え、そうなんですか!…友人ってこと、ですか」
青年「…」
少女(え、微妙な顔)
青年「まあ、うーん。同僚よね。…まあ、第三者目線的に、よ」
青年「あの子、結構情緒不安定なのよね。だからカッとなって行動しちゃったんだとは思うけど」
青年「…あんたに非はないわよ。それに、あいつも別に怒っちゃいない」
少女「…本当ですかね」
青年「そうよお。案外朝もケロっとしてたでしょ?そういうやつなの」
少女「成る程…確かに」
青年「あんたがあいつの中で驚くほど重要なものになってるんでしょうよ」
青年「だから自分の汚い…まあ、客から行為と引き換えにもらった貢ぎもの…を、触って欲しくなかった」
少女「…私が、重要。ですか」
青年「だってどう考えてもそうでしょ。いい加減認めなさいよ」
少女「…」
青年「でも、どうなのかしらね。それが性欲からなのか、単純に友愛なのかは分からないわ」

269 :名無しさん@おーぷん :2015/05/29(金)23:59:54 ID:Gjf
少女「…はあ…」
青年「まあ一ついえることがあるわね」
少女「何でしょうか」
青年「あんた、逃げるのなら早めにしたほうがいいわ」
少女「…」
青年「気づいてる?後をじわじわ無くされて行ってる感覚」
青年「あいつは、欲がない子だった。…それって、一度執着しちゃったら他人の非にならない、ってことでもあるじゃない」
少女「しゅう、ちゃく。ですか」
青年「そう。…きっと近いうちに、あいつはあんたを完全に手に入れようとするでしょうね」
青年「どんな手段を取るのか、想像もつかないわ。…けど、必ず」
少女「…」
青年「だからあんたは、今のうちに逃げ道を作っておいたほうがいい」
少女「どうしたら…」
青年「んー…。妥当な道は、お金を返すことなんだけどねえ」
少女「…う。…気が遠くなりそう」
青年「銭がないって辛いわね」

270 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)00:04:02 ID:WsG
少女(…逃げ道、か)
少女(そりゃ、…いつもどおりの日常に戻れたら、それに越したことはないけど)
少女(…彼は、どう思うだろう)
青年「…ってことで。はあ、疲れた」
少女「ありがとうございます。参考になりました」
青年「いいのよ。…でもあんた、もうちょっと気をつけなさいよねー」
少女「わ、分かってます」
青年「何かあったら私でも店長でも見習いでも、誰でもいいから声かけなさいね」
青年「あいつも男娼って職業上、あんまりカゲキな手段には出れないだろうけど。用心しなさい」
少女「はい…」
青年「んじゃ、帰るか。そろそろ夕方だものね」
少女「ごちそうさまでした」ペコ
青年「いいってことよ」
……


271 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)00:04:36 ID:Qxs
支援

272 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)00:09:09 ID:WsG
青年「たっだいまー」
少女「ただいま…」
青年「…って、おっと」
男娼「だからさあ、嫌な物は嫌だと言っているじゃない」
店長「はあ?お前何時から仕事を選べる身分になったんだ?」
青年「…戦争勃発中ね。退散しましょ」
少女「え、で、でも」
男娼「冷静に考えてよ。そんなことしたら夜の仕事が回らないじゃない」
店長「だから、夜は入らなくて良いって言ってんだろうが。お前はお得意さんの相手を昼、それか夜やりゃいんだよ」
男娼「…っ」
店長「いいか、相手はでかい名家の令嬢だぞ?実入りはバツグンだ。夜働くより効率がいい」
店長「なによりお前をいたく気に入ってる。何が不満なんだよ?なあ」
少女「…」ジ

273 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)00:14:39 ID:WsG
>>272店長、じゃなくて店主な。ごめん
男娼「…僕、嫌だよ」
店主「お前最近調子に乗ってないか?嫌だ、じゃねえ。拒否権があんのか?お前に」
男娼「…」
店主「お前は売れっ子だから少しの我儘も許してやってたが…限界があるんだぞ」
男娼「…僕」
男娼「あの女は嫌だ。もう触りたくない」
店主「…お前」ガタ
青年「あ、やば」
少女「…!」
店主「最近仕事にも身が入ってないだろうが!甘ったれた物言いはいい加減よせ!」
男娼「…うるさい。他の男娼をあてがってよ。僕はもう、降り」
店主「男娼ぉっ!」ブン
少女「…っ!」ダッ
青年「あ、ちょ、ちょっとお!?」

274 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)00:19:58 ID:WsG
少女「や、やめてくださいっ!」ガバッ
男娼「!…少女…。何、何時の間に」
店主「お、…いや少女ちゃん。これはその」
少女「暴力は、駄目です。…話し合いしてください。お願いします」
男娼「もう、邪魔しないでよね。今この悪徳経営者と話をつけようとしてたんだから」
店主「なっ」
男娼「ほら、どっか行った。また後で呼ぶから」
少女「…」
店主「…ははあ」
男娼「何さ」
店主「お前、この子か」
男娼「はあ?」
店主「ふざけるのも大概にしろ。お前、自分の立場を良く考えたのか」
男娼「…何、が」
店主「お前の職業は何だ」
少女「…店主さん」
男娼「男娼、だけど」
店主「何をして金を稼ぐ」
少女「店主さんっ」
男娼「女と寝る」
少女「…っ」

275 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)00:25:06 ID:WsG
店主「そうだ。お前はこの楼で管理された男娼で、しかも売れっ子だ」
店主「そんなお前が人並みに…」
少女「…」
店主「分かるだろうが。お前のやってることは、自分の首を絞める行為だろ」
男娼「…言ってる意味がよくわかんない」
店主「ああ、そうか。じゃあはっきり言ってやろうか」
男娼「やめろ。…少女の前で言うな」
店主「仕事の障害になるものは、捨てろ」
少女「…!」
男娼「…っ、てめえっ…!」ガッ
少女「や、やめて!」
青年「こらこら!二人ともいい加減にして!」
店主「…っ。待てよ。落ち着けって」
男娼「…」ギリ
店主「俺が言ったのはあくまで障害を捨てろ、ってことだ。少女ちゃんなんて言ってない」
店主「…お前が仕事をまっとうすれば、障害なんてない。そうだろ?」
男娼「…」

276 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)00:29:43 ID:WsG
少女「…男、娼」
男娼「…」
店主「違うか、男娼」
男娼「…ううん。違わないね」スッ
店主「…だろ」
少女「…」
男娼「はぁ…。悪かったよ。熱くなった」
男娼「仕事はするさ。…だから少女をとりあげないで」
店主「ああ」
男娼「…あの人からの呼び出しも全部通してくれていいから」
男娼「行くよ、少女」グイ
少女「あ、…ちょっと」
青年「…」
店主「…」
店主「はぁ…」
青年「…ったく、どいつもこいつも」

277 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)00:33:36 ID:WsG
バタン
男娼「…」
少女「あ、あの」
男娼「ね、今日何やったの?ちゃんと遊んだ?」クル
少女「さっきの話」
男娼「君、ちゃんとお小遣いは有効活用できたの?」
少女「男娼さん…」
男娼「君の話が聞きたい。話してよ。ねえ」
少女「…私はあなたの話が聞きたいです」
男娼「…」
男娼「あんな揉め事よくあることだよ。何気にしてんの」
少女「でも、私」
男娼「…」
少女「あなたの、邪魔に」
男娼「違う」グイ
少女「わ、…」
男娼「違うから。それは、絶対」
男娼「…僕、頑張る。だから傍にいて。お願い、いてくれるだけでいいから…」
少女「…どうして、あなたは」
少女(…あんな)

278 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)00:34:29 ID:ZD3
支援ッ

279 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)00:37:34 ID:WsG
少女(自分の仕事を聞かれたときも)
男娼「君といると楽しいしさあ」
少女(仕事を受け入れた時も)
男娼「第一、借金ある身のくせに。勝手に離れたら承知しないよ」
少女(…傷ついた顔、してたのに)
男娼「分かった?」
少女(それなのに、なんで)
少女(…一瞬で諦めたような顔に、なるの)
少女(どうして、自分のことは諦めるのに、私の事は…)
男娼「…少女?」
少女「…」
少女「私が」
男娼「ん?」
少女「あなたにできることって、…何ですか」キュ
男娼「…」
男娼「一緒にいてくれること」
少女「…」
少女(本当に、それだけなの)

280 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)00:43:42 ID:WsG
少女(逃げ道)
少女(って、何だろう)
少女(私がこの人を置いて逃げたら)
少女(…彼はどうなってしまうだろう)
男娼「…」ゴロ
少女「…」
男娼「手、握ってよ」
少女「はい」
男娼「…夜に仕事がないって、いいな」
少女「…」
男娼「僕、…こうやってるほうが、ずっと呼吸が楽だ」
少女「そう、ですか」
男娼「…君」
男娼「僕のこと…」
少女「…」
男娼「ううん。…やっぱいい」ギュ
少女(逃げ道が必要なのは)
少女(…この人、なんじゃないだろうか)ギュ

281 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)00:44:59 ID:WsG
今日はここまでです。
なんかダラけた感がありますがー
明日は多分、物語の核心部分に入れるかな?ってかんじです。
辛抱強く読んでね

282 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)00:49:28 ID:pXH
すげえいい設定だな
小説として推敲して売れよマジで

283 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)00:50:29 ID:Gvp
乙!明日も楽しみにしてるよ!

284 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)01:10:22 ID:vbZ
はえー
おもろ

285 :名無しさん@おーぷん :2015/05/30(土)08:24:56 ID:xbW
きゃー!///